こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
草津のつつじ亭での夕食の続編です。前回の記事「伯楽星 純米吟醸」をいただいた後、まだ宴は続いておりまして、お品書きには「水芭蕉 純米吟醸、土田 生酛、群馬泉 純米吟醸 淡緑」の飲み比べセットがある、という嬉しいラインナップ。せっかく群馬の山あいの宿でいただく夕食ですから、ここはぜひ群馬地酒で盛り上がりたいということで、即座にお願いしました![]()
正直に言うと、伯楽星を1合飲んだあとなので、もう既にじんわりと酔いがまわってきておりました。我ながらピッチが早い……。下戸の身としては、3種飲み比べはちょっとハードな量なのですが、こんな機会は滅多にないということで、ここは気合を入れて挑戦することに。和らぎ水もお願いして、間に挟みながら、ゆっくりと味わう作戦に切り替えました。
飲み比べの先頭に選んだのは、群馬地酒の代表格「水芭蕉 純米吟醸」。群馬県川場村の永井酒造が手がけるブランドで、尾瀬に咲く花「水芭蕉」の名を冠した、いかにも涼やかで透明感のある銘柄です。我が家でも以前「水芭蕉 純米吟醸辛口スパークリング」をレビューしたことがあって、世界初の瓶内二次発酵スパークリング日本酒「MIZUBASHO PURE」を生み出した蔵としての印象が強い、独創的な造り手![]()
そんな永井酒造のレギュラー純米吟醸が、つつじ亭の夕食に並んでいるのですから、これはいただかないわけにはいきません。一升瓶からそろりとお猪口に注がれる液体は、透明感がたまらないクリアさ。和らぎ水でしっかりと舌を整えてから、ゆっくり、ゆっくり、味わってみることにします。
余談ですが、伯楽星も水芭蕉も、裏ラベルに「究極の食中酒(を目指した逸品)」と明記されているのが面白いポイント。同じ食中酒哲学を掲げる2本を、同じ夕食で並べて味わえるなんて、酒飲みとしてはちょっとした事件です。とはいえ、実際の味わいはまったく違う方向を向いているので、続けて飲み比べると個性の違いがくっきりと立ち上がります![]()
水芭蕉 純米吟醸とは?
「水芭蕉 純米吟醸(みずばしょう じゅんまいぎんじょう)」は、群馬県利根郡川場村に蔵を構える永井酒造株式会社が手がける、看板銘柄「水芭蕉」のレギュラー純米吟醸。裏ラベルには「究極の食中酒を目指した逸品。様々な料理を引き立てながら包み込んでいきます。ワイングラスで冷やして(10℃)、また時にはお燗(55℃)でもお楽しみください。」と、その方向性が明確に記されています。冷酒でも燗酒でも楽しめる懐の深さが、この一本のキャラクターをよく物語っています。
永井酒造の創業は1886年(明治19年)。140年近い歴史を持つ群馬の老舗ですが、現当主は六代目 永井則吉氏。「水芭蕉」ブランドが誕生したのは1992年(平成4年)で、これは蔵の歴史の中でも比較的新しい第二の創業期にあたります。1994年には吟醸専用の「水芭蕉蔵」を新設し、ブランドの世界観をしっかりと作り上げてきました。蔵がこだわるのは、尾瀬国立公園に水源を持つ天然水。蔵の裏山には東京ドーム10個分の森林を蔵自身が保有しており、水源保全のために森を守りながら酒造りを続けるという、サステナビリティの先駆けのような取り組みでも知られています![]()
そして、永井酒造を語るうえで絶対に外せないのが、2008年に世界で初めて瓶内二次発酵による本格スパークリング日本酒を完成させたという偉業。それが「MIZUBASHO PURE」です。シャンパーニュ製法(メソッド・トラディショネル)で瓶内ガス圧5気圧という、まさに日本酒のシャンパン。明治創業の老舗が、伝統を守りながらここまでアグレッシブな新ジャンルを切り開いたという挑戦は、日本酒史の転換点と言える出来事でした。レギュラーの純米吟醸を飲んでも、その背後に流れる「革新の蔵」のDNAが感じられます。
本作「水芭蕉 純米吟醸」のスペックは、原料米は兵庫県三木市・別所地区産の山田錦100%、精米歩合60%、日本酒度+2、アルコール度数15%。価格は720mlで税込1,815円、1800mlで3,630円、300mlの小瓶や180mlの一合瓶もラインナップされていて、シーンや量に合わせて気軽に手に取りやすい価格設計になっています。2024年の全国燗酒コンテスト プレミアムぬる燗(45℃)部門で最高金賞を受賞しているように、燗にした時の表情の良さも折り紙付き。冷とお燗、両方で楽しめる懐の深さが、この銘柄の最大の魅力と言えるでしょう![]()
水芭蕉 純米吟醸をチェック!
深緑の瓶肩に「since 1886」の菱形ラベル、
白い縦書き和紙ラベルに「純米吟醸 水芭蕉」の筆文字。
窓辺の森を背景に。
金縁のしのぎガラス盃に冷酒。
クリアで透明感のある液体が、つつじ亭の囲炉裏に映えます。
「究極の食中酒を目指した逸品。様々な料理を引き立てながら包み込んでいきます。ワイングラスで冷やして(10℃)、また時にはお燗(55℃)でもお楽しみください。」と明記。
| 銘柄 | 水芭蕉 純米吟醸(みずばしょう じゅんまいぎんじょう) |
|---|---|
| 品目 | 日本酒(純米吟醸) |
| 原材料名 | 米(国産)、米麹(国産米) |
| 原料米 | 兵庫県三木市三木・別所地区産 山田錦100% |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | +2 |
| アルコール分 | 15% |
| 適正温度 | 10℃(冷)/55℃(燗) |
| 仕込み水 | 尾瀬国立公園を水源とする川場村の天然水 |
| 容量/価格(税込) | 1800ml=3,630円/720ml=1,815円/300ml=792円/180ml=505円 |
| 蔵元コンセプト | 究極の食中酒を目指した逸品。様々な料理を引き立てながら包み込んでいきます |
| 受賞歴 | 2024年 全国燗酒コンテスト プレミアムぬる燗(45℃)部門 最高金賞 |
| 蔵元代表 | 六代目 永井則吉氏 |
| 創業 | 1886年(明治19年) |
| 製造者 | 永井酒造株式会社(群馬県利根郡川場村門前713番地) |
水芭蕉 純米吟醸を飲んでみての評価
伯楽星をしっかり一合飲み終えたあとの2杯目、というシチュエーションで挑む水芭蕉です。ぐい呑みに注いだ瞬間、まず目を引くのは透明感のあるクリアな色味。伯楽星のシャープなキレ味が舌に残る中で、新しい一杯がどんな表情を見せてくれるのか、期待と少しの緊張感で杯を傾けます。和らぎ水を一口含んでから、口へ。すると、伯楽星とは明らかに違う、まろやかでやさしいタッチがスッと入ってきました。
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尾瀬の水で包み込む、米の優しさ。
口に含んでまず感じたのは、フルーティな口当たりのまろやかさ。伯楽星の凛としたキレに対し、水芭蕉はもう少し丸みを帯びた印象で、米の香りと旨味がふわりと広がるタイプです。山田錦100%、精米歩合60%、日本酒度+2というスペックから想像されるように、極端に派手な吟醸香ではなく、しかししっかりと米由来の香りと甘味の余韻が舌の上に残る。「料理を引き立てながら包み込んでいきます」という裏ラベルの言葉が、舌の上で素直に再現されている感覚です![]()
正直にお伝えしておくと、伯楽星を1合空けてから飲んだということもあり、ここからは舌の精度がかなり落ちている自覚がありました。細かいニュアンスを書くと嘘になりそうなので、ありのまま記しますが、「水芭蕉のほうが包み込むタイプで、伯楽星のほうがキレが立つタイプ」という大きな方向性の違いだけは、しっかりと感じ取れました。同じ「究極の食中酒」を掲げる2本でも、目指している食中酒の姿が違うんですよね。これは飲み比べないと分からない発見でした。
飲み比べを最大限楽しみたいなら、やっぱり「酔いが回っていない最初のうち」がベストというのが、今回得られた最大の教訓ですw次回からはしっかり飲み比べセットを最初に頼むようにしないと、と心に誓います。とはいえ、酔いの中で感じる水芭蕉のやわらかな包容力は、宿の夜の余韻にぴたりと寄り添うもので、これはこれで贅沢な体験でした。
温物、たらば蟹と新玉すり流し 竹の子 花椒菜
そして特筆したいのが、この水芭蕉は冷酒(10℃)でもお燗(55℃)でも美味しく楽しめるという設計。実際、2024年の全国燗酒コンテストでは「プレミアムぬる燗(45℃)部門」で最高金賞を受賞しているそうで、温度を変えて何度でも楽しめる、まさに食中酒の優等生です。今回は冷でいただきましたが、次回は燗酒でじっくりと米の旨味を引き出す飲み方も試してみたい一本。この幅広さは、永井酒造が「シャンパン製法のスパークリング日本酒」を世界初で生み出した革新の蔵だからこそ、レギュラー酒にも幅広い楽しみ方を提案できるんだろうなと感心しました。下戸目線では迷わず★★★。クリーンで包容力があり、料理を選ばないので、家での晩酌から特別な日まで活躍してくれる優しい一本です![]()
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今日は漫画でペアリング!
「水芭蕉 純米吟醸」には、漫画「夏目友人帳」(緑川ゆき/白泉社)とのペアリングをお勧めします。妖怪が見える主人公・夏目貴志が、亡き祖母レイコが遺した「友人帳」を妖怪たちに返していくという、繊細でやさしい人情ファンタジー。2003年に「LaLa」連載開始以来、20年以上続く長寿作で、累計発行部数は2,000万部を超える名作中の名作です。
夏目友人帳がペアリングに合うと考える理由は、まずなんと言っても作品全体に流れる「包み込むような優しさ」。水芭蕉の裏ラベルには「料理を引き立てながら包み込んでいきます」と書かれていますが、夏目友人帳もまた、出会う妖怪たちの孤独や葛藤をそっと受け止め、丁寧に解きほぐしていく物語です。激しい戦いやドラマチックな展開ではなく、ふとした瞬間の心の機微で泣かせるタイプ。冷やしたお猪口にゆったりと注がれる水芭蕉の透明感とよく似た、静謐な感動があります![]()
もうひとつ、両者の親和性を強く感じるのは「自然と共にある世界観」。夏目友人帳の舞台は田舎町(モデル地は熊本県人吉市が有名)で、四季の風景や野山の描写がとても丁寧に描かれます。森を歩く貴志、川辺で語り合う妖怪、雪の積もった神社の境内……。一方の水芭蕉も、尾瀬国立公園に水源を持つ天然水、永井酒造が東京ドーム10個分の森を蔵自身で保有している、という自然との共生を体現する蔵。漫画と酒、両方に流れるのは、自然と人とが穏やかに共存する世界の温度です。
個人的にお勧めしたい読み方は、ニャンコ先生(斑)の出てくるコミカルな日常エピソードを読みながら、冷酒の水芭蕉をワイングラスでちびちびやる、という時間。ニャンコ先生の食欲とずる賢さに笑いつつ、貴志がふと優しい妖怪と出会って胸を熱くする瞬間に、米の包容力ある旨味が口の中でじんわり広がる——これがたまらなく贅沢な「夏目時間」を作ってくれるのです。あるいは、しっとりした友人との別れの回を読むなら、燗酒(55℃)に温度を上げた水芭蕉が、その情感をふわりと持ち上げてくれます。
夏目友人帳は1巻から最新刊まで、ほぼどのエピソードを開いても外れがない、安定した品質の漫画。同じく水芭蕉も、レギュラーの純米吟醸からスパークリング、生原酒まで、どのラインを試しても永井酒造らしい澄み切った世界観が貫かれている。一本の柱が太く、それでいて寄り添う優しさを失わない——そんな共通項で響き合うこの組み合わせ、ぜひ静かな夜にゆっくり試してみてください![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★★
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
水芭蕉 純米吟醸の価格&どこで買える?
「水芭蕉 純米吟醸」は、永井酒造の公式サイト記載で720mlが税込1,815円、1800mlが税込3,630円。さらに300ml瓶が792円、180ml瓶が505円と、シーンに合わせた小容量ラインナップも豊富です。「ちょっとだけ飲んでみたい」「お試しで一杯」という人にも手を伸ばしやすい、間口の広い価格設計が嬉しいポイント。コスパは群馬地酒の中でもかなり優秀な部類に入ります。
水芭蕉は伯楽星のように特約店縛りが厳しいわけではなく、群馬・首都圏の酒販店を中心に幅広く流通しており、楽天市場やAmazonでも取り扱いがあります。永井酒造の公式オンラインショップからも購入可能なので、近所の酒販店で見つからない場合は公式から取り寄せるのが確実。お土産にしても、自宅で長く付き合う食中酒としても、はずさない一本です![]()
群馬・川場村まで足を運べる方なら、永井酒造の蔵見学&併設のショップ「古新館」を訪れるのもおすすめ。蔵元の世界観を肌で感じてから飲む水芭蕉は、また格別の味わいになります。川場村は道の駅「川場田園プラザ」も人気で、群馬の食材を楽しめる立ち寄り先としても充実。週末のドライブを兼ねて、酒蔵巡りで水芭蕉に出会う、というルートも素敵です。
姉妹銘柄の「MIZUBASHO PURE」(瓶内二次発酵スパークリング)も合わせてチェック推奨。世界初の本格スパークリング日本酒として知られる名作で、お祝いごとや特別な日の乾杯に最高のパフォーマンスを発揮してくれます。レギュラーの純米吟醸でブランドの世界観を体感したら、次はぜひ PURE で永井酒造の革新性を味わってみてください![]()
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