おやすみくまさん | 劇団かに座ブログNeo

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横浜の「劇団かに座」オフィシャルブログです。稽古場日記、公演情報、劇団員募集、演劇に関することをポロポロと書いています。

ねこようです。

 

 

11月7日(火)

 

本日、稽古なり。

 

でも、私は稽古を休みました。

 

それなのに稽古場日記書くのか?

と、お思いかもしれません。

 

それでも書きます。

 

最初は行く予定だったのですが、

私の職場で欠勤した同僚が出た為、

やむを得ず残業となってしまいました。

 

仕事があがったのが19時30分。

そこから電車に乗って稽古場のある

横浜駅に向かうと、

到着するのが20時30分。

稽古が終了するのが21時頃。

 

往復500円ほどの電車に乗って

必死に稽古場に行った所で、

稽古を観れるのはたった30分。

 

しかも横浜駅は通勤途中駅では無いので、

帰りについでに寄る。

とかでなく、

ちゃんと稽古場に向かわないといけないのだ。

 

これって、

あんまり効率よくないんじゃない?

 

日本人って、

やっぱり真面目なんである。

 

稽古は出来るだけ必死に通って、

休む時は

「すみません」

と言う。

 

でもさ、

その勤勉さが、

‘‘勤勉にできない‘‘人を

ふるい落としてるのかもしれない。

 

いや気持ちはわかる。

私だって演出やってる時は、

役者の「今日は休みます」LINEに、

心臓がギュッとなった覚えがあるから。

 

稽古の最後の15分でも来てくれたら、

稽古場にいる人たちは嬉しいし。

 

だがその行き来に使った労力と時間の分、

あえて家でじっくり脚本を読むことも大事だし、

15分の為に無理して体調不良になって

翌週に一週間休んだら、

かえってマイナスなんじゃない?

 

私たちはお芝居を作るのが好きです。

でも、

24時間をお芝居に費やす事は出来ません。

 

やっぱり仕事で生活費を稼いだり、

学校で学んだり、

家族の為に時間を使う事の方が大切です。

 

別に休む事を奨励してるわけじゃないよ。

 

だけど、

「勝負所」

を見極めて、

そこに全力を出すようにしていかないと。

最初からエンジン全開でやってたら、

エンジンがもたない。

 

昔は

‘‘気合と根性でどうにかなる‘‘

という無茶苦茶な理論が跋扈していた。

 

毎日使う冷蔵庫だって、

10年経てば急に壊れて、

アラ明日急いで近所のビッグカメラに行って

買ってこなきゃ。

あ~、昨日買ったお肉がダメになるわ。

ってなるんだから、

人間の体や心だって、

いつ壊れるかもしれない。

 

なので、

私は職場から直接家に帰って、

ゆっくりと夕食を食べました。

次の稽古に備えて。

 

ハ?

これって言い訳?

言い訳でこんだけ書いてんだから、

たいしたもんだ。

 

 

 

11月8日(水)

 

今日は、稽古に行きましたよ。

 

この日は、

オカマのママ役のオッスさんを

演出の馬場さんが徹底的に直している。

 

「そのへん、喋る時の口元をもっと気にしてくれる?

 そういう人たちって、基本あんまり歯を見せない

 ような口元の形で喋るんだよ」

 

「ここでさ、ちょっと女っぽい仕草とか

 出来ないかな?

 うん、女の人でもそういう仕草あんまり

 やらないけど、そういう人たちは

 そういう仕草するのよ。

 それはさ、心は女でありながら、

 男に産まれてしまった。

 だから少しでも女に近づきたいという

 気持ちがあって・・・」

 

前回の上演時、

馬場さんは、演出をやりながら

このオカマのママ役をやったのだから、

やはり思い入れが強いような感がある。

 

このオカマのママ役は、

今回のストーリーの

重要なファクターを担う役でもある。

 

私も、

このオカマのママ役の言うこのセリフが好きだ。

 

「最近の若い子はみんなそーよね。

 人を傷つけたくない。

 なぜなら自分が傷つきたくないから。

 みんな傷つくことを恐れて臆病になってんのよね・・・

 アタシだって昔はそうだった。

 でもね、

 誰も傷つけないで、自分も傷つかないで

 大人になれると思ったら大間違いよ!?」

 

最初の上演時、

私は

‘‘最近の若い子‘‘

の分類の年齢だったと思う。

でも今は違う。

傷だらけになったから、

分かったこともたくさんある

 

何が分かったかって?

 

そんなの、秘密に決まってる。

 

ただね、

GoogleやYahooで

調べても分からない事が、

たくさん分かったかな。

 

山にいる熊で一番危ないのは、

傷一つない若い熊じゃなくて、

年を食って体に古傷を持った熊なんだって。

傷を負った分、

どうすれば次に傷つけられずに

人間を襲えるか、

老獪に考えて行動するからだって。

 

まぁ、

私はどっちかっていうと

熊よりキツネなタイプだけど。

 

じゃあ、

本日の稽古場日記は

ここでおしまい。

 

また

コン!

ど。

 

ねこよう