こんにちわ、学生です。

今回でytv漫才新人賞の感想は最後です。

 

2021年3月14日18時59分まではTVerにて見逃し配信を見られるので、まだ見ていないという方は上のリンクからご覧ください。

 

それでは早速見ていきます。

 

【1. コウテイ】

出番順はファーストラウンドで2位だったコウテイからです。

個人的には2020年のM-1敗者復活で披露した「結婚式」をやれば、優勝できるんじゃ無いかと勝手に思ってました。

そのパターンならどのような結果になっていたのかも非常に見てみたかったんですが、実際に披露した「相撲取り」もめちゃくちゃ面白かったです。

 

1st ROUNDの「熱血教師」は、前半は下田さんがボケで九条さんがツッコミのオーソドックスなスタイル、後半はボケ役とツッコミ役が入れ替わるという形でしたが、今回のネタでは途中で役割の切り替わりはなく、終始下田さんがボケという形でした。

 

ただし今までの下田さんがボケだった場合のコウテイとは全く違う点があります。

それは圧倒的な伝わりやすさです。

 

2018年ごろまでは、見る人を選ぶようなボケツッコミが多いのがコウテイの特徴でした。

私はそういった部分を見てコウテイを好きになったんですが、ここ最近のコウテイのネタはものすごく分かりやすい。それでいてコウテイらしさも存分に残っています。

 

また、これまでは勢いで押し通すような部分もあったんですが、今はとても丁寧で聞きやすいです。

大声で勢いがあるのは今も同じですが、下田さんの動きに九条さんが一つ一つ説明を加えることで、より映像が見えてきます。この点がコウテイが大きく変わった点でしょう。

 

今回のネタはテンポ感も相当良かったです。

下田さんがポーズを取った時や相手力士に勝利した時に出る「ハイハイ(下田さんが手を叩きながら)○○○ー!」という九条さんのセリフが私はものすごく好きでしたね。その後のツッコミのセリフまでの間も完璧でした。最早リズムネタのように綺麗でした。

 

それでいて心臓を抜かれる描写であったり、負けそうになった時の「くそっ ○ね!」というセリフのようなアウトローな部分もあって、コウテイファンにはたまらないネタでした。

これが例えばM-1の決勝となったら、その辺はさすがに配慮するだろうと思うんですが、ある種関西だからこそ出来るというか(今では全国で見ることができてしまいますが)。

最後のピースも最高でしたね。ネタ終了後の息切れとか、そういうの全部含めて本当に面白かったです。

 

 

【2. 隣人】

隣人がファイナルで披露したのは「老夫婦」のネタでした。

1stで「スカイダイビング」をやった時点で、恐らくこのネタだろうというのは予想していました。

 

というのも、どちらのネタもM-1グランプリ2020の予選で披露していたネタでした。

準々決勝で「老夫婦」をやっていたので、恐らく自信があるのはこちらのネタなんだろうと思うんですが、個人的には「スカイダイビング」の方が好きです。とはいえ「老夫婦」も好きです。

 

今回改めて思ったのは、やはり隣人の強みは普通の漫才師がやらないこと、思いつかないようなことをやる、というところですね。

 

入りは年金問題という時事を扱っていて、非常に漫才の入りとして綺麗です。ですがいざネタに入ってみれば、そんな時事は関係ないとばかりに隣人ワールドのはじまりはじまりです。

 

ネタ中のアクションも勿論斬新なんですが、「拾って来たテレビ用のカメラを使ってグルメロケのフリをする」という設定自体が、まぁ普通の漫才師なら辿り着かないと思います。普段奇抜なコントをやっている隣人だからこそ出来るネタですね。

 

私は初見ではありませんでしたが、やはり最初に中村さんがカメラを持って倒れ込んだ時の面白さっていうのは大きいですよね。しかもそこがピークになってない。それがこのネタの凄いところです。

 

動きだけでなくセリフでもちゃんと笑いを取っていて、「もう少しこのままでいていいですか」「老夫婦のストリートパフォーマンス」なんかはワードセンスもあって良いなと思いました。

 

「橋本さんの上に中村さんが乗る」というボケからはM-1予選の段階では入っておらず、こちらのネタも大きく改良されています。M-1の時は少し尻すぼみになっていた印象だったんですが、後半部分の追加によって構成としても綺麗になっているのを感じました。

 

 

結果は隣人の優勝となりまして、コウテイファンの私にとっては悔しい気持ちは正直ありました。

ただ、やはり苦労されている芸人さんが優勝するのを見ると、「良かったな」っていう気持ちになってしまいますね。隣人の優勝はグッと来るものがありました。

 

一方優勝した隣人の後ろで講評を聞いているコウテイのお2人の表情を見ていると、同じくらい泣きそうにもなりました。今までで一番と言ってもいいくらいの本気さを目の当たりにした大会でした。

隣人がネタを披露した後のこの表情を見るだけで、何か泣きそうでした。

 

 

ということで、今回の感想はここまでです。

コロナの影響で例年よりも観客も少ない中での開催となりましたが、例年に負けない、むしろいつにも増してハイレベルな大会になっていたような気がします。

 

ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回はR-1関連の記事を書く予定ですので、そちらも是非ご覧ください。