こんにちは、あとと申します。
少し間が空いてしまいましたが、1stステージ残り4組の感想を書いていこうと思います。
↓前回の記事もご覧いただけると嬉しいです。
【7. バッテリィズ】
今大会でM-1ドリームを掴んだのは、間違いなく彼らだったと言えるでしょう。
惜しくも優勝はならなかったものの、キャラクターを世に知らしめることができたことは、今後彼らが芸人として活躍していく上で大変貴重な財産になると思います。
バッテリィズは私が関西にいた頃からすごく好きで、何度か劇場にネタを見に行ったこともありました。
前々からこのネタの形でやっているので、このタイミングで決勝というのは、意外と遅かったなぁというか。もっと早くに決勝へ行けていてもおかしくなかったなぁと思います。
個人的に寺家さんが緊張しないかというところを心配していたのですが、そこに関しては心配要らなかったですね。
勢いが重要なバッテリィズのネタにおいては、寺家さんが噛まずにスムーズに進むというのは非常に重要な要素なので、やりきれたというのは本当に大きかったんではないでしょうか。
漫才は基本的にボケとツッコミで構成されていますが、バッテリィズに関してはどちらも当てはまらないんですよね。
エースさんも寺家さんもツッコミに見えなくもないですが、どちらもボケていないのでツッコむ対象がいないというのが面白いです。
エースさんは「アホ」という役割。寺家さんは「説明」という役割。
ある種新たなシステムを生み出したといってもいいかもしれません。
私としてはやはり「全部聞き取れたのに」がちゃんと炸裂したのが安心でしたね。
「細そうすぎる」も良かったですし、エースさんがネタ中たくさん顔を動かすのも、「アホ」っぽさになっていて良いですよね。
点数出た後のチンパンジー手叩きも素晴らしかったです。
こういったネタは初見が一番インパクトがあるので、次大会以降どうなっていくのか、注目ですね。
【8. ママタルト】
私はママタルト大好きなんですが、競り上がりがピークになってる感はどうしても否めなかったですね...。
多分少なくない人が感じたことだと思いますが、檜原さんがかなりかかっているように見えました。
これは私が以前からママタルトのネタに対して感じていることなのですが、もう少し檜原さんのツッコミに緩急が欲しいんですよね。
素人が何を言っているんだという感じなのですが、クリティカルなツッコミと、少し軽めのツッコミとが、同じテンションになることが割とある気がしています。
もちろんそこがしっかり区別されていることの方が多いのですが、今回のネタ、というか決勝に関しては、その差がより少なかった気がします。
準決勝も同じネタだったのですが、準決では決勝ほどそういった印象を感じなかったんですよね。まぁもうこれに関してはその場の空気感の違いとしか言いようがないですね。
最初の一発目の「エアコンのフィルターか」は明らかにかかってましたよね。
でももちろん面白かったですし、「子供が車道に」がちゃんとウケていて良かったです。
あと個人的な感想ですが、「僕がもっと細ければ」と「正座でかないか?」を聞きたかったですね。
今度は決勝でうどんのネタを見たいなって、そう思っております。
【9. エバース】
エバースに関しては、もう素晴らしいの一言でしたね。
決勝前までは正直、緊張で噛んだりする未来を想像してしまっていたんですが、見事に最後まで完璧でした。
かかってる、テンポが速くなっているといった余計な要素が全くなく、笑いがほしいポイント全てでしっかりウケている素晴らしい4分間だったと思いますね。
最初のボケまでの説明パートが少し長めなんですが、その静けさが逆にこの後の展開に向けての良いアクセントになっていて、本当に綺麗な右肩上がりだった気がします。
今回エバース以外のしゃべくりネタは、令和ロマン、バッテリィズと1位2位のコンビでしたが、本当にそこに並んで入っても良いくらいの出来でした。
しかも彼らは初決勝にもかかわらず、準決勝とは違うネタをぶつけるというところ、肝の据わり方が尋常じゃないなと感じましたね。
この2年くらい、各方面から期待値を上げられまくっていたエバースですが、ちゃんとその期待に応えた、それ以上の結果を見せた今大会だったんじゃないでしょうか。
個人的にエバースには2019〜21年あたりのオズワルドが重なって見えていて、私としてはぜひともこのネタのクオリティを長くキープしてほしいなと思っています。
本当に私見なのですが、何回も決勝に行く、という点だけで見ると、しゃべくりの方がコント漫才よりもハードルが高いと思っています。
というのも、コント漫才は設定を変えることで、同じコンビのネタでも見え方が全く変わってくるのですが、しゃべくりだとどうしても話の組み立て方や、ツッコミフレーズの系統など、何度も見ているうちに見慣れてきてしまうことが多いと考えています。
なのでやはり、早いうちに優勝を決めるか、もしくはこのクオリティをなんとしてでもキープして欲しいなぁと思います。
本当に良いネタでした。
【10. トム・ブラウン】
唯一無二とはこのことですよね。
彼らの彼らしいネタを、形を変えながらも6年ぶりの決勝でもう一度見ることができたというのは、すごく良かったなぁと思います。
結果に関して率直に言えば、以下の記事でも書いたのですが、人によって評価やウケがハッキリと分かれるだろうというのは大いに予想ができました。
実際、結果としては4人が全コンビのうちの最低得点をつけ、5人は92〜95と高得点をつけておりました。
これに関しては本当に好みの問題だと思います。
審査員さんに限らず、会場のお客さんや視聴者など全ての人が、トム・ブラウンに関してはそうなるでしょう。
私は彼らのネタは好きですし、思わず笑っちゃうんですが、腹を抱えて笑うほどではないと自覚しています。
でもその分笑いすぎて頬が痛くなるくらい面白いと感じる人もいるのが彼らですし、そこが最大の強みとなっていると思います。
今回のネタは本当に訳のわからないネタで(もちろん良い意味です)、2018年のネタがだいぶわかりやすく感じるくらいでした。
こういったネタは賞レースでは結果が残りにくいと思うのですが、まず決勝に残るだけで本当にすごいことだと思いますし、評価がハッキリと分かれて高得点もつけられるというのは、お笑いとして一つのジャンルを確立したと言えるような気がします。
THE SECONDは出ないと仰っていたので、少なくともしばらくは賞レースという場で彼らを見ることはできませんが、様々なところで見られたら嬉しいですね。
ということで、ファーストラウンドの感想は以上となります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。