憑依 | へちまとろん

へちまとろん

怖いもの見たさで生きている2人のブログ。

たまに本とか作ってイベントに行きます。

『ポゼッション』という映画を見ました。


へちまとろん


両親の離婚が決まった少女エミリーは、父親のクライドに連れられて行ったガレージセールで古い大きな木箱を見つけます。その木箱は前の持ち主が壊そうとして怪奇現象に見舞われたいわく付きのもので、そうとも知らないクライドは娘にせがまれるままそれを買い与えてしまいますが、その箱を手にしてからエミリーの徐々に態度が変化していき・・・


オーソドックスなホラー映画です。グロテスクな描写は極力抑えられている感じですが、細かい心理描写やタメで、じわじわと恐怖心が煽られます。なにより、箱の中の"モノ”に憑かれたエミリーの変貌が怖い。元の普通の少女らしく、自分の中にいる得体の知れない存在に恐怖し大きな瞳を潤ませながら、母親をドスの効いた声で罵倒し、父親の手にフォークを突き刺す姿は、次に何をしでかすかわからずドキドキします。(ここまで書くと、もうどういう話かわかってしまいますが・・・)


親子の恐怖体験を通じ、切れかけた家族の絆の再興を描いており、画的にもキツくないので、「ホラーは興味あるけどグロいのはちょっと…」という方にも安心してお勧めできる映画です。欲を言えば、箱の中の存在とアイテムにもう少し因果関係があれば(語られれば)もっと面白かったと思います。

ただ、パンフレットにはある巨匠のイラストが載っていたので、個人的にはそれだけでかなり満足ですが(笑)