アンドレ・プレヴィン
「ポーギーとベス」
曲目/
1.Overture
2.Summertime
3.A Woman Is a Sometime Thing
4.The Wake
5.Gone, Gone, Gone
6.Porgy's Prayer
7.My Man's Gone Now
8.I Got Plenty O' Nuttin'
9.Bess, You Is My Woman Now
10.Morning
11.Catfish Row
12.I Can't Sit Down
13.It Ain't Necessarily So
14.I Ain't Got No Shame
15.What You Want with Bess'
16.Strawberry Woman
17.Crab Man
18.I Loves You, Porgy
19.A Red-Headed Woman
20.Clara, Clara
21.There's a Boat That's Leavin' Soon for New York
22.Oh, Where's My Bess'
23.I'm on My Way
指揮、音楽監督 – André Previn
Libretto By, Lyrics By – DuBose Heyward
Lyrics By – Ira Gershwin
Music By – George Gershwin
Vocals [Bess] – Dorothy Dandridge
Vocals [Maria] – Pearl Bailey
Vocals [Porgy] – Robert McFerrin(シドニー・ポワチエ)
Vocals [Sportin' Life] – Cab Calloway(サミー・デイヴィスJr.)
録音/1959 ロスアンジェルス
INTENSE. 800337-2
ガーシュインの代表オペラとしてよく知られている作品ですが、このオペラが映画になったいたとはこのCDを手に入れるまでは全く知りませんでした。それもそのはず、このミュージカル映画は1959年に公開されていますが、チャールストンのスラム街に住む、身体に障害のある黒人のストリート・スマーガー、ポーギーの物語を語っています。この物語は、暴力的で独占欲の強い恋人クラウンと、麻薬の売人スポーティン・ライフの手からベスを救い出そうとするポーギーの試みを描いています。題材がスラム街ということで全米での公開は見送られ、この映画は主要都市での初回上映後、短期間しか上映されず、批評家からは賛否両論の評価を受けました。そういう経緯があり、のちに映画「ポーギーとベス」は、ガーシュインの遺族に版権が渡り、以後幻の映画となってしまいました。このため、この映画は家庭用ビデオでは入手できず、良質なプリントが現存するかどうかも不明となっています。
ただ、時代的にサウンドトラックアルバムは制作され国内盤のレコードは日本コロムビアから1961年に発売されています。下がそのジャケットです。ただ、このジャケットは多分ミュージカルとしてブロードウェイで公開されたもので、映画の内容とは関係ないデザインです。
で、このミュージカル映画の音楽の作成にはアンドレ・プレヴィンが大きく関わっています。プレヴィンが音楽監督を務め舞台とは違う手法でサウンドトラックを作成しています。こういう作り方は、のちに1973年に公開された「ジーザス・クライスト・スーパースター」でもプレヴィンが音楽監督を務めていました。映画の世界とはなかなか縁が切れなかったんでしょうなぁ。
この「ポーギーとベス」はもちろんジョージ・ガーシュウィンによる英語のオペラで、台本は作家デュボーズ・ヘイワード、作詞はアイラ・ガーシュウィンが担当しました。ドロシー・ヘイワードとデュボーズ・ヘイワードの戯曲『ポーギー』を原作としており、戯曲自体はデュボーズ・ヘイワードの1925年の同名小説を翻案したものです。『ポーギーとベス』は1935年9月30日にボストンで初演され、その後ニューヨークのブロードウェイに移っています。出演者はクラシック音楽の訓練を受けたアフリカ系アメリカ人歌手で、当時としては大胆な芸術的選択でした。人種問題を扱ったテーマのため、当初は不評でしたが、1976年のヒューストン・グランド・オペラの公演で人気が再燃し、現在では最もよく知られ、最も頻繁に上演されるオペラの1つとなっています。ガーシュウィンは1926年に『ポーギー』を読み、ヘイワードにオペラ版の共同制作を提案した。 1934年、ガーシュウィンとヘイワードは、作者の故郷であるサウスカロライナ州チャールストンを訪れ、このプロジェクトに着手した。 1935年のニューヨーク・タイムズの記事で、ガーシュウィンは『ポーギーとベス』をフォーク・オペラと呼ぶ理由を次のように説明しています。「『ポーギーとベス』は民話です。登場人物たちは当然フォークソングを歌います。私が最初に作曲を始めたとき、オリジナルの民謡素材を使うのはやめました。音楽全体を一つの作品にしたかったからです。そこで、私は自分のスピリチュアルや民謡を書きました。しかし、それらはやはり民謡です。そのため、オペラ形式になっている『ポーギーとベス』はフォーク「オペラ」となるのです。」
このオペラは名曲の宝庫です。筆頭はなんといってもサマー・タイムでしょうがそれ以外にも次の曲があります。
Summertime" - ジャズ・スタンダードとしても非常に有名な子守唄
"I Got Plenty o' Nuttin'" - ポーギーの楽観的なキャラクターを表現した名曲
"Bess, You Is My Woman Now" - ポーギーとベスのラブデュエット
"It Ain't Necessarily So" - スポーティング・ライフが歌うユーモラスな楽曲
"My Man's Gone Now" - ベスが歌う哀切なアリア
これらの楽曲は、ガーシュウィンが独自に作曲したスピリチュアルやフォークソング風の作品で、オペラの枠を超えてジャズ・スタンダードとしても愛され続けています。
ただし、ミュージカル映画の場合ブロードウェイとは違って俳優が必ずしも歌を歌っているとは限りません。この録音でもポーギーはシドニー・ポワチエ が演じていましたが、ロバート・マクファーリンが歌っています。さらにスポーティン・ライフ役はサミー・デイヴィス・Jrが演じ歌も歌っていましたがサントラ発売にあたっては契約の関係で Cab Callowayキャブ・キャロウェイが歌っています。
で、映画自体はトラブルに見舞われていますが、作品はアカデミー賞を、映画のサウンドトラック・アルバムは、映画またはテレビ番組のオリジナル・キャストによる最優秀サウンドトラック・アルバム/録音賞としてグラミー賞を受賞しています。
作品は2011年、アメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に登録されました。


