ムービー・グレイツ | geezenstacの森

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★MOVIE Greats★

 

曲目/

 

演奏/オリジナル・サウンドトラック

 

 

 ちょいと調べ物をしようと映画音楽の収納してあるボックスの中を物色しました。ラックの下に押し込んであるのでほぼ一年中収納されています。いや5-6年かもしれません。そんな中にこの一枚がありました。探していたものとは全く違うのですが、購入した記憶が全くありません。

 

 最初見た時はブートレックかと思いましたがよく見ると「MCA」のマークがあります。何も解説はありませんが、デジタルマスタリングはきっちりとされているようで、ちゃんとエンジニアの名前も記載されています。そして、JVCのマークがありますからCDの制作で日本ビクターも一役買っていたようです。多分90年代初めに発売されたCDでしょう。無駄を省いて収録された作品のジャケットとCD番号だけが記載されています。こんな感じです。名作ばかりをコンピュレートしているのがわかります。

 

 

 最初は「ジョーズ」のメインタイトルです。この作品ジョン・ウィリアムズにとっては、スピルバーグの第2作になります。第一作は「続・激突カージャック」でした。この曲、アイルランドの民謡の「マローの道化師」の伴奏部分をヒントに作り上げたものです。この有名な、ズン、ズン、ズン、ずんというテーマ曲はもうこの冒頭を聴いただけで、ジョーズの音楽だと言うことがわかります。それほど有名になった作品です。

 

 

 

 2曲目はETからフライングという曲です。映画は1982年の作品です。この時代ジョン・ウィリアムズは作曲活動一時停止していました。これはボストンポップスの音楽監督に就任したこともあり、そちらの仕事に多く着手していたからです。しかし、82年にこのE.T.を手がけることになりました。

 

 この「E.T」の音楽に関しては、映画では最後の15分間の音楽が切れ目なく演奏されるのですが、映画のフラッシュを見ながらの録音ではどうもうまく合わせることができなかったようです。それでスピルバーグの助言によってフィルムを見ずにスコアのまま演奏すると言う方法が取られました。そしてこの演奏が1番良かったということで、反対にスピルバーグが映画のフィルムを再編集することで音楽に合わせたと言うのです。こういうことでこの名曲が誕生したんでしょうなぁ。

 

 

 3曲目はエディ・マーフィの出世作となった映画です。日本では10オン円程度の配収しかあげられませんでしたが本国では3億ドル以上の大ヒット作でした。この頃まで一番映画にハマっていた頃で、よく映画館に足を運んだものです。「AXEL F」は映画のテーマ曲として使用されました。

 

 

 4曲目はアラン・シルヴェストリの代表作となった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」です。

映画としてはヒューイ・ルイスの歌う「パワー・オブ・ラヴ」がヒットしましたが小生はこういうオーケストラ曲の方がお気に入りです。

 

 

 

 「ある日どこかで」は1981年に公開されたSF恋愛映画です。スーパーマン俳優として知られたクリストフー・リーヴの主演した映画です。この音楽ジョン・バリーが作曲しています。小生の好きな映画音楽の作曲家です。同じオーケストラを使ったメロディラインの曲ですが、しっとりとしていて独特の弦の響きが魅力的です。そこに絡むピアノの調べのなんとノスタルジックなことでしょう。

 

 

 このアルバムの中で一番新しいのは1985年の「フレッチ/殺人方程式」でしょう。このテーマ曲は早霧「ビバリーヒルズ・コップ」と同じハロルド・フォルターメイヤーが作曲しています。映画はチェビー・チェイス主演のコメディ映画なのですが、日本ではイマイチ話題となりませんでした。ただ、彼の演奏した1986年の「トップガン」のオープニングシーンの音楽も彼の作品なんです。

 

 

 ラグタイム音楽を復活させた作品ということでは「ザ・スティング」の「ジ・エンター・ティナー」は忘れられません。この曲を聴いてスコット・ジョブリンという作曲家を知りましたし、ジョシア・リフキンというピアニストも知りました。このサントラではマーヴィン・ハムリッシュが演奏しています。

 

 

 8曲目はロック・オペラの「ジーザス・クライスト・スーパースター」の序曲です。この曲もともと老いが音楽とは縁の深いアンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団が演奏しているというのも味噌です。レコードでも市余裕していますが録音は悪く最後に壮大なハム音のノイズが乗っているのもいただけませんが。演奏のスケールは大きいです。

 

 

 

 

 1970年のアカデミー作曲賞に輝く名作「ある愛の詩」のテーマ曲です。まあ、普通はこのテーマを思い浮かべるのでしょうが、小生はこの映画の中で使われるモーツァルトの「フルート・ソナタ ヘ長調 K.13」の第1楽章やジェファーが仲間と共に演奏するバッハの「チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV1054」の第3楽章の方が気になったことを思い出します。

 

 

 10曲目は1984年の「ザ・リバー」です。アメリカの農業問題を描いた、メルギブ、シシー・スペイセクが夫婦を演じた作品です。ただし、日本公開は2年遅れて1986年に公開されています。ただ、ほとんど話題になっていませんが、ジョン・ウィリアムズはシリアスな素晴らしい音楽を書いています。ただ、この84年にジョン・ウィリアムズはボストン・ポップスを辞任すると表明しています。あまりうまくいってなかったようで、こののち、ウィリアムズはボストン・エスプラネード・オーケストラとの比重を増やしていきます。こちらはフリーの演奏家を集めた全くの別物で、日本に来日しているのもこちらのオーケストラになります。

 

 

 もう一曲、ジョン・バリーの作品が収録されています。ロバート・レッドフォードとメリル・ストリープが主演した映画で1985年の作品です。「野生のエルザ」とは違うアフリカの広大さを描いた作品でロマンスものでもあるので「愛と哀しみの果て」という邦題がついています。

 

 

 このアルバム最後は、もう一度「E.T」から「オーバー・ザ・ムーン」が収録されています。ところで、この作品にはプロデューサーとしてブルース・ボトニックがクレジットされいます。彼はアメリカのオーディオエンジニア兼レコードプロデューサーです。ロック畑のプロデューサーですが映画音楽ではもっぱらジェリー・ゴールドスミスの作品をプロデュースしていましたが、ここで初めてジョン・ウィリアムズと組んでこのアルバムをプロデュースしています。このアルバムの音がやけにいいのはそういう裏事情があります。「ホーム・アローン」ではアーミン・スタイナーがプロデュースし、その後はボストン・ポップスなどの録音を含めてショーン・マーフィが録音エンジニアを勤めていました。

 

 ところでこの曲は映画ではそっくりそのまま使われていない曲です。エンド・クレジットの冒頭で流れる曲でピアノのソロをフューチャーし、ストリングスの長利れるような旋律とチェロが美しいメロディを歌い上げています。

 

 

 ところで、映画音楽は一人の作曲家が全てのスコアを書いているわけではありません。オー消すとレーターという存在があり、ジョン・ウィリアムズの作品では1989年の「オールウェイズ」という作品まではハーバード・スペンサーという人物が実際に譜面に書き起こしていました。その後の「フック」からはジョン・ニューフィールドがその任にあります。このオーケスとレーター、作曲家にほぼ専属で付くようで、ジェリー・ゴールドスミスにはアーサー・モートン、アレクサンダー・コーレッジが、アラン・シルヴェストリにはウィリアム・ロス、ダニー・エルフマンにはボブ・バダミという人物がその任に当たっています。