2つのボレロ | geezenstacの森

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2つのボレロ

 

曲目/

A面

1.ラヴェル/ボレロ

2.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲

3.ラヴェル/バレエ音楽「マ・メール・ロア」組曲

ビアノ/アーサー・ホイットモア&ジャック・ロウ

B面

1.ボレロ

指揮/シャルル・ミンシュ

2.牧神の午後への前奏曲

指揮/ジャン・ピエール・ジャッキャ

3.バレエ音楽「マ・メール・ロア」組曲

指揮/セルジュ・ボド

演奏/パリ管弦楽団

 

東芝EMI EAC-80427

 

 

 このアルバムを見つけたときはびっくりしました。東芝からこんな粋なアルバムが発売されていたとは全く知りませんでした。発売年月日はわかりませんでしたが多分1970年代中頃でしょう。ただ、個人的にはこれと同じデザインのレコードを所有しています。このレコードジャケットのデザインのオリジナルは米SERAHIMのホイットモア&ロウのそれこそ「ボレロ」と題されたアルバムでした。これは輸入盤のセールで見つけたもので、ボレロが含まれているという理由だけで捕獲したものでした。下がそのジャケットです。これはS-60270という番号で発売されていました。多分こちらの方がオリジナルでしょう。

 

 

 困ったことにこのピアノデュオについては当時は全く情報がありませんでした。ただ、ポップスの分野では「フェランテとタイシャー」を知っていましたのでそのクラシック盤だろうとは思っていました。このアルバムには以下の曲が収録されています。

A1. Ravel: Bolero
A2. Ravel: Piece In Forme De Habenera
A3. Grenados: The Maiden And The Nightingale, From “Goyescas”
A4. Albeniz: Triana, From “Iberia”
A5. Lecuona: Malaguena, From “Suite Andalucia”
A6. Falla: Ritual Fire Dance, From “El Amor Brujo”
B1. Debussy: Prelude A L’Apres-Midi D’Un Faune (Arr. Ravel)
B2. Ravel: Ma Mere L’Oye (Mother Goose) – Suite
B2a. Pavene Of Sleeping Beauty
B2b. Hop O’ My Thumb
B2c. Laideronette, Empress Of The Pagodas
B2d. The Conversation Of Beauty And The Beast
B2e. The Fairy Garden

 この日本盤でいうと、ボレロと「マ・メール・ロア」が含まれています。

 

 日本盤は企画盤として発売されたものでしょう。当時はギュンター・ノリスとオーリアコンブの「四季」を1枚にしたアルバムが東芝から出ていたことがありますからその流れで発売されたものでしょう。ということで、A面はパリ管弦楽団の演奏で同じ曲目が収録されています。冒頭のミュンシュの「ボレロ」は定番でしょう。

 

 

 2曲目の「牧神の午後への前奏曲」を指揮するジャン・ピエール・ジャッキャは1935年、ヴェルサイユに生まれました。1967年、パリ管弦楽団でシャルル・ミュンシュのアシスタントに任命され、パリ管弦楽団と数多くの録音を残していますが国際的に無名で日本で彼の演奏が聞けるのはこのレコードぐらいではないでしょうか。下記のYouTubeこの曲を含む演奏を聴くことができます。なを、フルートはミシェル・デボストが吹いているようです。音は無茶苦茶いいです。

 

 

 セルジュ・ボドの「マ・メール・ロア」の演奏は安定しています。

 

ところでB面のアーサー・ホイットモア&ジャック・ロウのピアノ・デュオではのボレロはさすがピアノだけで同じメロディを何度も繰り返すのは芸のないことというのでバッサリカットしています。ただ、面白いのは最初の大太鼓のリズムはピアノの弦の間に何かを挟んで「プリペアード・ピアノの技法を使って演奏しています。

 

 

 ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」もピアノの音色はやや違和感があります。

 

 

 ゆはり、ホイットモア&ジャック・ロウの音源はレアなんでしょうなぁ。「マ・メール・ロア」は見つかりませんでした。

 

アーサー・ホイットモア&ジャック・ロウ

 

 こういう遊び心のあるアルバムは楽しいですな。