発掘!!1974-5年
コンサートパンフレット3-1
1970年の大阪万博をきっかけに来日アーテイストが急増した印象があります。それまで、レコードしか聞くことができなかったアーティストが次々と来日しました。中でも管楽奏者は個人的には一番注目していました。時代はちょうどバロックブームの勃興があり、管の国フランスからのアーティストは第注目でした。その筆頭はモーリス・アンドレでこの時は手塚幸紀/名フィルをバックにヘンデル、テレマン、モーツァルト/ハイドンの作品を演奏しています。モーツァルトにトランペットの曲があったかいな?と思いますが、ここでは交響曲第38番が演奏されています。多分、この曲はオーケストラだけの演奏で彼は休んでいたのかもしれませんね。
下はその1975年の来日時の演奏会のライブです。
次はペーター・ルーカス・グラーフの公開レッスンのチラシという変わり種です。しかも主催はヤマハで、会場は納屋橋にあった日本楽器名古屋店の7階のホールです。名古屋のフルート好きはこぞって出かけたでしょうなぁ。
貼り付けてあるのは写真に写っているベリオの「セクエンツァ」の演奏です。
1970年代はアンドレはエラート、グラーフは暗ーヴェス、そしてホリガーはフィリップスとレーベルが分かれていました。ただ、ここで共演している「カメラータ・ベルン」はDGの専属でしたからブロモーションの面では控えめだったように記憶しています。ホリガーもスイス出身の演奏家で、この頃はツアーではこの「カメラータ・ベルン」と共演していました。この経験を活かして近年は指揮者としても活躍しているのでしょう。この時はオール・バッハのプログラムを演奏しています。
曲はこの演奏会でも演奏されたオーボエダモーレ協奏曲です。
1973年の日本=東ドイツ国交樹立楽団創立400年はドレスデン国立歌劇場管弦楽団の演奏会が開催されています。指揮はクル留斬デルリンクでウェーバー、モーツァルト、チャイコフスキーが演奏さています。この1973年にはすでに首席の座を離れていたにもかかわらず、メインの指揮者として帯同していました。
下はザンデルリンクがウィーンフィルを指揮したウェーバーの「魔弾の射手」序曲です。
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団は1966年、1970年についで1973年は3度目の来日でした。名古屋公演は地元の中京でレビが主催ですが、東京公演はFM東京の主催でした。ソリストのコンスダティン・クルカは名古屋ではチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏していますが、東京公演ではパガニーニのヴァイオリン協奏曲を演奏しています。指揮者はヴィトルド・ロヴィツキですが、東京公演ではもう一人の指揮者アンジェイ・マルコフスキが現代音楽を中心に指揮をするという意欲的なプログラムを組んでいました。クルカは懐かしい名前ですねぇ。
そのクルカに敬意を表してモンティの「チャールダーシュ」を聴いてみましょうか。
小生が音楽に目覚めたのが吹奏楽で、その吹奏楽は中学時代から好きでした。父親が軍楽隊でトランペットをやっていた影響もあるのでしょう。で大学になって吹奏楽部に友人がいたので誘われてコンサートに出かけています。この「東海学生吹奏楽連盟」は1971年に結成されています。ただ、当時は参加校もそれほど多くなく、東海地方合わせても5校しか参加していません。その5校は「愛知大学」、「愛知教育大学」、「岐阜工業高等専門高校」、「三重大学」、そして「名古屋大学」です。その2回目の演奏会は1973年5月24日に名古屋市民会館中ホールで開催されています。大学の吹奏楽団というのはその出発が応援団としての性格があり、愛大も名古屋大学、岐阜工業も同じ出自を持っているようです。そんなこともあり、あまりオーケストラとの交流がないというのが今でも続いているようです。
当時演奏された曲目です。各校の性格が表れて居る選曲です。ここでは名古屋大学は単独では演奏に参加していなくて、合同演奏による参加です。
時代を感じさせます。アンケートはガリ版刷りでした。
そしてこちらは1974年の7月に開催された「大阪経済大学」と「愛知大学」の第4回のジョイント・コンサートのプログラムです。このジョイント・コンサートは持ち回りで、第1回と第3回は大阪で、第2回とこの第4回が名古屋で開催されています。で、この第4回には帝塚山学院短期大学バトン部が賛助出演しています。
こちらの演奏会では第2部で、バトントゥアラーズによるドリルが演奏されています。曲目までが書いてないのが残念です。応援団としての性格の高さが感じさせられます。さぞかし華やかなステージだったでしょう。
ただ、これらの活動は長続きしませんでした。もともと愛知大学は豊橋が本校ということもあり、名古屋での演奏会は無くなりましたし、現在では部員もそんなに多くないようです。また、愛知の有力大学の中でオーケストラを持っていないのはこの愛知大学だけです。まあ、その代わりと言っては何ですが、豊橋には全戸でも有数のアマチュアオーケストラの「豊ー豊橋交響楽団」があり社会人オーケストラを引っ張っています。
この項、続きます。