アルシャイアー(ALSHIRE)
シンフォニック・ダンス
曲目/
1.リスト/ハンガリア狂詩曲第2番
ブラームス/ハンガリー舞曲
2.第1番
3.第5番
4.第5番
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲
5.Op.46-1番
6.Op.46-3番
7.Op.72−2番
指揮/リチャード・ミューラー・ランペルツ
演奏/ハンブルグ国立フィルハーモニー管弦楽団
録音/1960年頃
ALSHIRE ASC-846
ALSHIREというレーベルは1960年代には日本コロムビアから発売されていました。 このレーベルの柱はなんと言っても「101ストリングス」でしょう。アルシャー インターナショナルは、ロサンゼルスを拠点とするレコード レーベルで、アル・シャーマンが所有していました。アル ・シャーマンは、1965 年にレコード レーベル界の大物デビッド L. ミラーから、以前はサマセットと呼ばれていたカタログを購入しました。ミラーのサマセットに対するビジョンは、高品質のステレオ アルバムを作成し、手頃な価格で販売することでした。マントヴァーニと当時のオーケストラに触発されたミラーの最初の、そして最も成功したグループは、有名な 101 ストリングス オーケストラでした。この101ストリングスは1597年頃ヨーロッパの主要オーケストラのメンバーから構成されるストリングス主体のー消すとらを使ってポピュラーソングを録音するというスタイルを取りました。最初はドイツが出発ですが、レコード産業の中心はイギリスということで、1960年ごろには拠点をイギリスに移しています。そして、上記のサマーセット・レーベルで発売していたのですが、アメリカでの販売窓口をアルシャイアーに任せました。で、その後はそのアルシャイアーがサマー・セット・レーベルを買収したというわけです。
さて、101ストングスは当初ハンブルクを拠点にしていました。そこのところで、ここで登場する指揮者のリチャード・ミューラー・ランペルツが登場するわけです。この指揮者日本では全くと言っていいほど知られていませんが、ドイツを中心に1950年台から活躍していました。wikiによるとその経歴は以下のようになっています。
ミュラー=ランペルツは1910年に生まれ、故郷ベルリンのクリントワース=シャルヴェンカ音楽院で音楽とピアノ(コンサートピアニストとしての訓練を含む)を学んて゜います。その後、彼は当時のドイツ帝国の様々な音楽の中心地でピアニストとして活躍しました。 1935年からハンブルクのラジオ局で音楽編集者として働きだし、ラジオの客員指揮者としても活躍します。第二次世界大戦後、彼はハンブルクで音楽ディレクターとして働き1963年から1975年まで、彼は当時のハノーファー北ドイツ放送管弦楽団の軽音楽部門の常任指揮者を務めました。当時の北ドイツ放送はこの軽音楽の北ドイツ放送管弦楽団とクラシック中心の北ドイツ放送交響楽団とがあり、ランペルツはその両方に関係していたようです。
指揮者としての彼のレパートリーには、軽音楽、ダンス音楽、行進曲や行進曲、映画音楽、ミュージカル、ウィンナワルツ音楽などが含まれていました。彼はまた、オペレッタ音楽の多数の録音でも知られるようになり、その中では、「山賊」、「海の士官候補生」、「ベニスの一夜」、「チャールダーシュの王女」、「貞淑なスザンナ」、「ハワイの花」を指揮し、この関係でニコライ・ゲッダとエリーザベト・シュヴァルツコップ(リヒャルト・シュトラウスとグスタフ・マーラーの歌曲)のリサイタルのバックも努めています。一方で彼はクラリネット奏者のサビーネ・マイヤーとのコンサートでヒルフェルスム・プロムナード管弦楽団を指揮した記録も残っています。
一方で彼は、作曲家としては娯楽音楽ものから、オーボエ協奏曲、ワルツ、管弦楽曲、交響曲、組曲『収穫』、そして2つのオペラ、陽気なオペラ『馬泥棒』(1942年11月にブレーメンで初演)と『シュノー』(1980年3月にユトレヒトのフリーデンブルク音楽センターでミュラー=ランペルツの指揮、グリット・ファン・ユーテンの演奏によりコンサート初演)を作曲しています。
そして、ミュラー=ランペルツは連邦功労十字章とニーダーザクセン州功労十字章一級を受賞しています。そして、1982年に亡くなっています。
まあ、これほどドイツでは活躍していたのですが日本ではさっぱりでした。このレコードほとんど流通していないようで、ネットに上がっているジャケット写真は小生のものとアマゾンのものしかなく、DISCOGSにもデータはありません。で、このアルバムには「audio SPECTRUM」という文字が踊ります。まあ、音がいいレコードですよ、というアピールですな。
ジャケット裏面にはこのシリーズのカタログの一部が掲載されています。下がその写真ですが、原盤はイギリスの「Stereo Gold Award」や一部「PYE-NIXA」レーベルも混ざっているというものです。まあ、決してファイハイを売りにするレーベルではないということですね。
廉価盤を売りにするレーベルでしたから、そんなものでしょう。ここで収録されている曲目は、一応ステレオで収録されていますが、特に音質的に優れているとは言えません。演奏はオーソドックスで特に特徴があるわけではありません。タイトルの「シンフォニック・ダンス」にふさわしい内容化と言われると?マークがつきます。この程度の演奏ではあまた存在する名演の中では埋もれてしまうのは仕方がないのかもしれません。
それより、オペレッタや軽音楽を得意としていたのでそういうレパートリーで評価されているのでしょう。ちなみにネットではガーシュインの「ボギーとべス」やワルツのアルバムの音源が検索できます。
参考までに彼のスッペの序曲集から「美しきガラテアの娘」を貼り付けておきます。