プレヴィンのオーケストラル・ショウピース | geezenstacの森

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The Most Famous 

Orchestral Showpieces

曲目/

1    Leonard Bernstein–    Candide - Overture    4:13

  1971/10/30

2    Paul Dukas–    The Sorcerer's Apprentice    11:16

  1975/05

3    Tomaso Albinoni–    Adagio (Arr. Giazotto)    7:41

  1975/05

4    George Enescu–    Romanian Rhapsody No. 1    12:17

  1971/10/30

5    Engelbert Humperdinck (2)–    Hansel & Gretel - Overture    7:46

  1975/05

6    Maurice Ravel–    La Valse    12:51

  1974/12/15

7    Ralph Vaughan Williams–    Fantasia On "Greensleeves"    4:35

  1971/10/30

8    Pyotr Ilyich Tchaikovsky–    Marche Slave    9:32

  1972/05

9    Ludwig van Beethoven–    Prometheus - Overture    5:04

  1973/01/10.11

 

指揮/アンドレ・プレヴィン

演奏/ロンドン交響楽団

 

米EMI  CDE568130

 

 

 

  1994年に発売されたEMIのアンコールシリーズの一枚です。レコード時代にはこういうアルバムはありませんでしたからCD時代にコンピュレートされたものです。そもそも、このアンコールシリーズは各社が作曲家にスポットを当てて、バッハ名曲集とかグレーテストベートーヴェンとかいって作曲家にスポットを当てて名曲を集めたもので発売していたシリーズです。日本では1990年代に「Seraphim Super Bestシリーズが発売されましたが、ブレヴィンのこういうショウピースをが発売された記憶はありません。録音記録から見ると2枚の「アンドレ・プレヴィンのミュージック・ナイト」というアルパムを中心とした内容になっています。

 

 1曲目はバーンスタインの「キャンディード」序曲です。この作品は1956年に初演されていますが、この時は興行的には失敗におわっています。以後改訂が重ねられ、バーンスタイン自身による1989年の改訂が完全版とされています。まあ、序曲だけは当時すでに知られていてプレヴィンは1971年に録音していますし、コンサートでも取り上げていました。

 

 

 で、こちらがコンサートで取り上げた時の映像です。録音はモノラルです。

 

 

 2曲目はデュカスの「魔法使いの弟子」です。、LSOの顔として大人気だった1970年代、BBCの「アンドレ・プレヴィンのミュージック・ナイト」というテレビ番組に基づいて録音されたシリーズのひとつです。プレヴィンはイギリスでこういう番組を持っていたんですなぁ。のちにロスフィルとも録音していますが、こちらの録音の方が躍動感があります。

 

 

 

  次のアルビノーニのアダージョも同じアルバムに収録されていた曲になります。これらの録音はキングスウェイ・ホールで録音されているのですが、このホールにはオルガンもあつたのでしょうかねぇ。バランスの取れた録音が収録されています。

 

 

 エネスコの「ルーマニア狂詩曲第1番」はレコードでは「アンドレ・プレヴィンのミュージック・ナイト第2集」に収録されていました。今こうして聞くとなかなかいい演奏ですが、当時はプレヴィンのレパートリーはドイツロマン派の録音はほとんどありませんでしたから日本での評価はほとんどなかったに等しいものでした。

 

 

 フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーデル」なんかは童話の話としては有名でしたがこと音楽に関してはピンと来ませんでした。ただ、ご存知グリム童話でして、欧州ではこどもが最初に経験するメルヘン・オペラ(1893年初演)なんだそうです。こういう選曲はお国柄なんでしょうなぁ。国内発売が見送られたわけです。

 

 

 次の「ラ・ヴァルス」は他の曲がキングズウェイ・ホールで収録されているのに、この曲はアビー・ロード第1スタジオで収録されています。いろいろなジャンルの音楽を一枚のアルバムに詰め込んだミュージック・ナイトのアルバムですが、第1集はラヴェルで、第2集にはワルツ王、ヨハンシュトラウスの「皇帝円舞曲」を収録するなどの工夫をしていました。

 

 

 ボーン・ウイリアムズの「グリーン・スリーヴズによる幻想曲」はさすがイギリスらしい選曲です。

 

 

 異色のチャイコフスキーの「スラヴ行進曲」は、チャイコフスキーの管弦楽作品を集めたアルバムからチョイスされています。この曲と次のベートーヴェンの選曲はミュージックナイト以外のアルバムからのチョイスです。

 

 

 アンドレ・プレヴィンはベートーヴェンの交響曲全曲は録音していませんが、EMIには第5番と第7番と共に、この「プロメテウスの創造物」序曲を録音しています。ということでこのCDの最後にはそのプロメテウスが収録されています。ほとんどねその存在を忘れていたかのような録音です。

 

 

 こんなに楽しいアルバムなのに日本盤は発売されませんでした。