2月の散財その1
あいも変わらず、古いレコードを漁ってこれはと思うものを捕獲しています。今回はちよっとディープな作品を中心にコレクションしてみました。
今回は小生の感覚での珍品度という観点から取り上げてみたいと思います。左上から取り上げていきます。
★ディープ度1
ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団
珍しい韓国盤の「L'OISEAU-LYRE」です。ジャケットの表面は全世界共通のデザインですが、当然裏面は韓国語で表記されています。発売は1984年ですが、韓国での発売元はポリグラムになっています。製造したのは「Sung Eun」というメーカーです。レコード番号は410 126で枝番の1がついていてレコードであることを表示しています。さらに裏面にはSEL-RD−563という独自の番号も降っています。この裏面は国際版とはちょっとデザインも違い、ホグウッドの写真も違うものが使われています。
★ディープ度4
次のレコードはアントン・ルービンシュタインの「太洋交響曲」という作品です。ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインとは違います。アントン・ルービンシュタインはリストやシューマンが活躍した時代の作曲家であり、ピアニストでした。ピアニストとしては当時はリストと人気を二分するほどの実力の持ち主でしたが、作曲家としても膨大な作品を残しています。言ってみれば作曲家としては最初のロシアの交響曲作家でモアありました。ただねリストの管弦楽作品と同じように今ではほとんど演奏されない忘れられた作曲家とも言えます。ルービンシュタインは6曲の後期用曲を残していますが、ここで演奏されているのは第2番です。1852年に作曲されていますが、あまり精巧作品とはいえず何回も手を入れており、最終的には7楽章からなるきょだいな作品として完成しています。ただ、このレコードに収録されているのは1880年に完成された7楽章版から第2楽章と第5がくしょうを削った板で演奏されています。まあ、しらべるとこの販による演奏はwikiにも記載されていない販のようで貴重な録音ということができます。1990年代にワーナーから発売されていたVOX原盤のシリーズの一枚です。
★ティープ度2
こちらは本家アメリカのターンナバウト盤で発売されたアルバムです。1966年ごろの録音ですが、片面は確かに新譜なのですが、もう片面は既出のアルバムから音源を持って来ているオムニバス盤になっています。この当時、イェルク・フェルバーはこのヴェルテンベルク室内管弦楽団と盛んにVOXに録音していました。国内盤も発売されたことがありますが、カップリングはクラリネット協奏曲とのものでした。ここではヘルムート・リリングのオルガン曲とブルーノ・ホフマンのグラス・ハーモニカの演奏が収録されています。そうそう、ハープのヘルガ・シュトルクはドイツのハーピストでケルン放送交響楽団、ハンブルク国立歌劇場、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団などの首席ハープ奏者として活躍しました。1960年代のアルバムデザインはノンサッチ盤と見分けがつかないです。
★ディープ度4
左下は同じターナバウト盤でもこちらはイギリスで発売されたもので、ジャケットの材質も違いますしレコードもイギリス盤はデッカが製造していますから安心できます。ここではパイジェッロとカール・シュターミツのピアノ協奏曲を収録した一枚です。ピアニストはフェリシア・ブルメンタールでポーランド人でした。数々の珍しい作曲家のピアノ協奏曲の蘇演を行い、VOXにその後々を残しています。これもその一枚です。デッカプレスのイギリス盤は白い外枠が施してあるので違いがわかります。
★ディープ度3
多分今では忘れ去られているアンソニー・ニューマンのオルガンで演奏されたワーグナーのアルバムです。ちょうど4チャンネル録音が騒がれていた時に録音されたこともありこのジャケットにも「SQ4チャンネル」のステッカーが貼ってあります。ということでは今ではほぼ再生出来る環境などないに等しいレコードということになります。アンソニー・ニューマンも丁度この70年代に忽然と登場したハープシコード、オルガン奏者で、新しいものバロックの方向性を探っていた時代の寵児でした。ただし、この方向性は支持されず、時代は80年台に一気にピリオド奏法に向かっていきます。
★ディープ度2
最後は読響ポップス2です。読売日本交響楽団が1970年代に発売していたPOPSの曲を演奏したコードです。日本にはスタジオミュージシャンで構成されたPOPSオーケストラは数多くありましたが、常設のオーケストラがこうしたレコードを出すことは珍しいことでした。まあ、これはプロユースシリーズの一枚として、オーディオ的に高品質を謳ったレコードの位置づけで発売されています。ここではリズムセクションとして、オーケストラとは別にピアノに羽田健太郎、ギター直居隆雄、ベース江藤勲、そしてドラムスに石川晶が加わっています。指揮者の記載はありませんが、このメンバーなら羽田氏がキュー出しをしていると思われます。
続きます。