イエルク・デムスのモーツァルト
曲目/モーツァルト
A.ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
1.アレグロ 10:41
2.アダージョ 8:24
3.アレグロ・アッサイ 7:47
B.ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
1.アレグロ 14:29
2.アンダンテ 7:32
3.アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ 6:37
ピアノ・指揮/イエルク・デムス
演奏/コレギウム・アウレウム
Bassoon – Peter Mauruschat, Rainer Mauruschat
Cello – Horst Beckedorf, Rudolf Mandalka
Clarinet – Hans Deinzer, Jann Engel
Concertmaster – Franzjosef Maier
Double Bass – Paul Breuer
Ensemble – Collegium Aureum
Flute – Barthold Kuijken
Fortepiano – Jörg Demus
Horn [Inventionshorn] – Heinrich Alfing, Hubert Crüts
Oboe – Hans-Peter Westermann, Helmut Hucke
Percussion – Ralph Peinkofer
Trumpet [Clarintrompete] – Friedrich Held, Robert Bodenröder
Viola – Franz Beyer, Heinz-Otto Graf, Karlheinz Steeb
Violin – Bernhard Ratajczak, Franzjosef Maier, Günter Vollmer, Ilsebill Schellenberger, Jan Reichow, Klaus Giersch, Ruth Nielen, Werner Neuhaus, Wolfgang Neininger
録音/1975/06/25 A
1975/06/28 B
D:アルフリート・クリンクス、トーマス・ガリア
P:パウル・デリー、トーマス・ガリア
テイチク ULS-3135-H
この演奏を初めて聴いた時はかなりのカルチャーショックを受けました。まず、それまで耳にしていたモーツァルトの響きとは全く違います。演奏はマイルドで全くエッジが効いていません。それでも聴こえてくるサウンドはモーツァルトなのです。そしてここで聴かれるピアノはフォルテピアノと言われるピアノの前身で弾かれた演奏です。この音はその当時ではビッくらポンの状態です。何しろ全く今のピアノとは音が違うのです。どちらかと言うとチェンバロのような響きでモーツァルトのメロディーが広がっていきます。今でこそフォルテピアノによる演奏はそれほど珍しくはありませんが、当時はこれが初めて聴いたフォルテピアノの音でした。
イエルク・デムスがこういう演奏にこの当時チャレンジしていたとは知りませんでした。ウィーンの3羽カラスの人としてメジャーで華々しく活躍していたブレンデリやグルダとは一味違います。そしてここではコレギウム・アウレルムを自ら指揮しながらピアノを演奏するというスタイルをとっています。
ライナーノートによりますと、この演奏は1975年5月28、29日に開催されたハルモニアムンディ主催のキルヒハイム城の音楽祭の開催される前に録音のセッションがもたれたということです。音楽祭は二日間にわたって開催されたといいますが、そのリハーサルを兼ねた日程の中で収録されています。。そのためここでは録音された年月日がしっかりと記載されています。これは音楽祭の前日にあたる日に収録されています。録音会場はコレギウム・アウレウムのホームグラウンドであるフッガー城の糸すぎの間と言うところで収録されています。
まぁ、この演奏を聴いてみてください。第23番です。
そして、21番は有名な第2楽章です。ちょっとノイズが乗っている音源ですが雰囲気は伝わってきます。
残念ながらこの録音はCDも廃盤になっているようです。聴きたければ中古を探すしかないようです。