ブルックナー・イヤーを振り返って
ヨーゼフ・アントン・ブルックナー(Joseph[2] Anton Bruckner, 1824年9月4日 - 1896年10月11日) は、オーストリアの作曲家、オルガニスト。交響曲と宗教音楽の大家として知られています。
手元にブルックナーを特集した「レコ芸1990年のブルックナー特集」の記事が切り抜いてあります。確認ができないのですが、たぶん4月号と5月号でしょう。おかしなもので、つマーラーの特集は何度もあったと思うのですが、ブルックナーの特集記事はこの時だけだったのではないでしょうか。そんなことで切り抜いて撮ってあったものです。ただ、切り抜いてしまうといつの記事だったかは調べようがありませんでした。
ただ、その記事の中にウーヴェ・ムント氏が登場しているインタビューがあることからこの記事が1990年のモノだと推察ができました。なんとなれば、この年彼はNHK交響楽団を振ってブルックナーのテ・デウムと交響曲第8番を振っているからです。
で、その記事が以下の内容です。
とまあこんな記事です。結構ブルックナー音楽の本質をついています。ブルックナーの作品には色々と版がありますが、どれもブルックナーの本質をついているという解釈は納得です。
さて、個人的には今年もっと色々な演奏会でブルックナーが演奏されると期待していましたが、どこもブルックナー全曲演奏会を企画したところは無かったように思います。ベートーヴェンのように気軽にということは難しいのでしょうなぁ。個人的には7月に珍しい交響曲第0番や、大作の第7番を聞くことができたのは収穫でしょう。
1990年ごろはブルックナー中心でマーラーはほとんど聴いていませんでした。レコード時代のセットではブルックナーとマーラーの両方の全集を出していたハイティンクは所有していましたが、マーラーに関してはこのほかは廉価盤で出ていた1番と4番だけでした。これに対してブルックナーはシューリヒトの演奏で7番と9番、セルの指揮で8番、もちろんカール・ベームで3番、4番、そしてカイルベルトでカイルベルトで6番と網羅していました。
CD時代になってからは今手元に残っている全集はスクロヴァチェフスキー、ロベルト・パーテルノストロ、バレンボイム、ヨッフム、そして0番は欠けていますがカラヤンと残してあります。ただ、一番よく聴くのはロベルト・パーテルノストロの禅宗です。このCDはもともとはドイツのANTESレーベルからリリースされていた全集音源を、同じくドイツのメンブランが権利を得て激安で発売しているものです。この全集は、17世紀に建てられたドイツ最大のバロック式バジリカであるヴァインガルテン・バジリカで1997年から2006年にかけておこなわれた演奏会のライヴ録音を集めたもので、大聖堂の豊かな響きもあり、ブルックナー的な荘厳な雰囲気がよく伝わってくるのが特徴で、小難しい解釈ではなくそれこそ教会の中に身を置いて響きに任せてイージーリスニング的に聴くことができる演奏です。
このロベルト・パーテルノストロ/ロイトリンゲン・ヴュルッテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団による交響曲第5番です。