第42回
シンフォニックウィンズ
定期演奏会
アンコール 「さくらのうた」福田洋介
指揮/露木薫、橋本眞介、上田仁
今年の「シンフォニックウインズ」の演奏会は「めいおん音楽祭」のオープニングコンサート解いての位置付けでした。毎年この時期に開催されていますが、今年は期間が例年より長く、10月28日から11月8日まで開催されています。
で、以下の様なプログラムになっています。毎年いくつかの演奏会には顔を出していますが仕事のスケジュールとバッティングしてなかなか出かけられないものもたくさんあります。今年なんか、11月4日の「バリの音・ガムラン、ジェゴグ・コンサート」なんかぜひ出かけてみたいのですが生憎仕事と重なって撃沈です。もう終わってしまいましたが10月29日の「Musical Show Case」も毎年人気のあるコンサートです。ミュージカルの名シーンがハイライトでぱあフォーマンスされています。ただ、このコンサートは12月6日にアートピア・ホールで再演されるはずですからこちらにはぜひ出かけようと思っています。後、この一覧にはありませんが11月12日には名古屋能楽堂でジャズコンサートが予定されています。例年は中村文化小劇場で開催されているものが能楽堂という異質な空間で開催されるので楽しみです。
さて、今回のコンサートも最近のお気に入りの3階席で鑑賞いたしました。どうも2階席だと金柑の音が耳にストレートに届くので、小生の耳では音割れが発生していました。ところが3階席では金柑の響きが、ちょうどよくブレンドされて、いい塩梅で聞くことができるのです。
第1曲はスパークのセレブレーションという曲でした。スパークの作品の中にはセレブレーションとつく曲が何曲もあり、ちょっと紛らわしいのですが、この曲はストレートなセレブレーションという曲です。スパーク特有の規制概念に囚われない形式の曲で、最初はゆっくりと始まり、4段階にかけてひたすら速くなると言うなかなか演奏者泣かせの曲です。
2曲目ははが隆史の時の照明という曲でした。クードヴァン国際公共吹奏楽、作曲コンクール第一位受賞の勢いのある若手作曲家によるフランスのエスプリが詰まった色彩的な作品でスピード感があります。
冒頭はレクイエムらしく、クラリネットの旋律から始まるバラード風の静かなメロディーで始まります。しかし、途中からトランペットのタンギングによる主題が提示されると、急にアップテンポになり、ジャズの雰囲気を持った曲調に変わります。なかなか人気のある曲のようで、YouTubeにはいろいろな音源がアップされています。
この名古屋音楽大学シンフォニックウィンズの演奏は、本格的な吹奏楽の作品がまとまって聞ける1番楽しみにしている演奏会です。後半も大曲が3曲並んでいます。最初はクリフトンウィリアムズの公共的舞曲第3番祭りです。この公共的舞曲は全部で5曲ありますが、多分この第3番が1番知られているのではないでしょうか。舞曲と言うだけあって、マンボやサンバのリズムが交互に飛び出します。聞き用によってはバーンスタインのウエストサイド物語の中のアメリカのような局長にも聞こえます。なかなか楽しい曲です。
2曲目はダリウス民謡のプロヴァンス組曲です。この曲は美しいメロディーとおどけたリズムが魅力的なファンタジックな曲です。プロヴァンス地方の民族音楽が取り入れられており、色調が明るく1曲ずつは短い曲ですが。 楽しい作品に仕上がっています。オリジナルは管弦楽作品ですが、ここでは吹奏楽用に返却されたものが演奏されました。
最後もレスピーギのローマ三部作の最後を飾る交響詩ローマの祭りです。オリジナルの管弦楽作品でもやや何回の部類になる作品なんですが、吹奏楽にアレンジされてもほとんどオリジナルと変わらない響きがします。冒頭のジェルでもトランペット3本のバンダが使われ、今回も 2階席左側にパンダが配置されていました。今回のステージを見てもわかるように打楽器類が非常にたくさん使われていました。特に木琴類はチェレスタやマンドリンなども並べられていて、多彩な音の響きを楽しむことができました。ここでの指揮者は上田仁さんでしたが、独特な斜め右15度の指揮をする人で、ほとんどクラリネットのパートは無視されていました。それでもきっちり音楽が出来上がっているのは大したものです。ちょうどこの演奏会の前に大マンディ式フィラデルフィア管弦楽団の演奏でこの曲を予習していました。華麗なオーケストレーションによる多彩な響きは生で聞いても気持ちの良いものです。楽しめた演奏会となりました。
今回のアンコールピースは桜の歌と言うものでした。最近のアンコールピースはゆったりとした曲が多いのですが、この曲もしっとりとした雰囲気を醸し出す曲でした。