オークションで処分したレコードたち 11
ジャズ・フュージョン
オークションで処分したのはクラシックやポップスだけではありません。コレクションのもう一つの柱ジャズ・フュージョンも例外ではありませんでした。多分、輸入盤のバーゲンセールを開催するとそこに群がるお客のかなりの部分はジャズを目当てにしていたのではないでしょうか。まあ、当方はジャズといっても入口がMJQということもあってそこからレパートリーを広げていきました。で、飛びついたのが同じバッハをルーツとするジャック・ルーシェでした。最初に手を出したのがプレイ・バッハではなくこの「ブランデンブルク協奏曲第5番でした。これもフェイズ4で投入されていたんですなぁ。ただ、聞いた限りでは録音レベルが高くかなりの部分で音が歪んでいました。多分リミッターも振り切れていたのでしょう。フェイズ4では音が玉砕しているものも結構ありました。
次に手に入れたのがギュンター・ノリス・トリオが演奏しているモーツァルトのアルバムでした。ギンギラギンのジャケットで魔笛の序曲、アイネ・クライネ・ナハトムジーク、ドン・ジョヴァンニの二重奏などが収録されていました。日本ではセブン・シーズ・レーベルで発売されていました。原盤はオイロディスクです。ドイツ出身のギュンター・ノリスはクラシック界のホープとして期待された逸材でありながら、オスカー・ピーターソン、ビル・エバンスに刺激を受けジャズへの転身を図りました。クラシック出身のジャズ・ピアニストといえばジャック・ルーシェ、オイゲン・キケロの名前が浮かびますが、実は全てがギュンター・ノリスの影響から始まっているのです。本作はその元祖とも言える代表的な名盤として知られる作品でした。手持ちはその再リリース品の様です。
マイルス・ディヴィスというと60年代前半までのモダン・ジャズの帝王時代よりも、小生は1970年代以降のエレクトリック・サウンドを導入したこの「ヴィチェズ・ブリュー」が好きでした。新しい時代のジャズだなぁと感心したアルバムでした。
下はキース・ジャレットの「バック・ハンド」というアルバムです。インパルスに1974年に吹き込んだアルバムです。実は別のレコードをオーダしていたのですが、間違ってこれが届いたという曰く付きのレコードでした。個人輸入するとこうしたトラブルもありました。
フリー・フライトは多分日本では発売されなかったのではないでしょうか。1981年ごろから活躍したジャズ・フュージョンの4人組でした。ピアノ、ベース、ドラムスにフルートを加えたちょっと変わった編成でした。ジャケ買いの一枚で、A面の1曲目に「ノルウェーの森」が収録されているということだけで購入したものです。でも、好みにぴったりの演奏でした。 下の演奏を聞いてみてください。
多分日本盤は2枚組で発売されたと記憶していますが、これはイギリス盤でなんと発売がミュージック・フォー・プレジャーという廉価盤で発売されたものです。ちゃんとベル・レコードのマークも左上に入っています。ここでのタイトルは「風のささやき」になっていますが、元々は「THE MAN AND HIS MUSIC」というタイトルで発売されていました。小生はこのアルバムに含まれている「ピカソ・サマー」という曲が好きで購入したものです。
下は「キャノンボール・アダレイ」の1970年のアルバムで、ストリング・オーケストラとコラボしたものです。キャノン・ボールといえば「マーシー・マーシー・マーシー」でしょうがこのイメージで聞くと失望します。そういうアルバムでした。
下は米CBSの多分ボーナスLPではないでしょうか。要はアーディストのレコードを何枚か買うとおまけでもらえるレコードです。レーベルは一応「コロムビア・スペシャル・プロダクツ」で「CSP」となっています。内容はデイブ・ブルーベックの「ブランデンブルク・ゲート」というアルバムです。これもジャケ買いの一枚で、デイブ・ブルーベックがオーケストラと共演しているということだけで購入した一枚です。1963年にアルバムとして発売されています。日本盤のタイトルは「ブランデンブルク再訪」となっています。
さて、ジャズは1970年代には廉価盤ブームの中で、各社がジャズのレコードも投入するようになりました。ジャズはアーティスト中心の発売ですから、代表曲をチェックするところから始まります。またアルバム点数が非常に多いアーティストもありますから、自分の好みに合いそうなのをチェックする必要があります。そんなことで国内盤も多数購入しています。キングがCTIレーベルを使って出した1500円盤は、ジャズ・フュージョンの括りの中で自分の好みに合うものがたくさん発売されていました。
下のスタンリー・タレンタインもその1人です。また、同じくポール・デズモンドもデイヴ・ブルーベックから派生したミュージシャンの1人として捉えていました。こういうアルバムが次々出るもんですから、感覚でゲットしていたところがあります。
キングのポップスの1番最初は「GO」シリーズと言う1000円盤でした。ポップスのLPレコードが1枚やはり1000円ですからこれは非常にインパクトがありました。その流れで1500円盤になってもニュー・ゴーシリーズということで商品を購入しています。下のクインシー・ジョーンズなんかは、A&M時代の名盤を惜しげもなく投入していました。
ソニーもこういうシリーズを発売していました。最初は1300円盤でリリースされたものの中の1枚が下のジュディ・マリガンのアルバムです。
こういうレコードは発売されたときのジャケットの印象で購入したものです。1950年代末のアルバムで、アート・ファーマーのトランペットとマリガンのバリトンサックスの掛け合いが素晴らしい一枚です。このアルバムに含まれる「マイ・ハニー・バレンタイン」は最高です。秋の夜長に聞きたいしっとりとした演奏です。正当なジャズの1枚で、なかなか楽しめた記憶があります。