パリオリンピック 裏話 | geezenstacの森

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パリオリンピック 裏話

 

オリンピック開会式でずぶ濡れになったオーケストラは低価格&廃棄寸前の楽器を使用。演奏は当て振り

 パリオリンピックの開会式は雨に祟られました。これは多分唯一の誤算だったでしょうなぁ。地中海性気候のヨーロッパ大陸はどちらかというと夏よりも秋冬に雨が纏って降るという印象です。フランスでは、大雨が長時間にわたって降り続く、ということは少なく、小雨や霧雨が降ったり止んだりを繰り返すことが多いです。本格的な雨や激しい雷雨が一時的に降ることもありますが、非常に稀です。まあ、それが運悪く開会式の人ぶち当たったという感じですかね。

雨が降る頻度も日本に比べて少ないため、日本の梅雨のように連日雨が続くことはあまりありません。
 
 
 例えばパリを例に挙げると、年間を通して降水量や頻度は大きくは変わりませんが、月平均降水量平年値は6月で58.4mm、7月で53.1mm程度です。また、降雨日数は6月が7.6日、7月は7日程度です。
 
 ということで、開会式です。セーヌ側をつかつた入場行進という奇抜なアイデアは良かったのですが雨というのはやはり悲惨な結果をもたらしたようです。開会式は当然、公式オリンピック音楽というものが演奏されました。下でその演奏を聴くことができます。YouTubeじゃないので直接リンクは貼れませんのでクリックして聴いてみてください。
 
 

 ここで演奏しているのはフランス国立管弦楽団です。当初は、雨が降ったら演奏しない、という警告を発していたそうですが、雨降るとなったとき急いで対策をとったそうです。当日になり、パリ管がどうやら楽器を持っているようだと言うことを知り、急遽連絡をとって楽器を手配しました。なんと緊急車両(トラック)をサイレンを鳴らしぶっ飛ばして間に合わせたというから、なんというか、実になんというか手に汗握るハラハラドキュメンタリーみたいだったようです。こんなドタバタですからいざ演奏しようとするとコントラバスに弓が入っていなかったということで、最後はチャリで演奏会し10分前に演奏会場に届いたというハプニングがありました。

 

 つまりは雨を想定しないとか、実にラテン的な思考がハラハラドキドキの現実になったようです。まあ、日本でこんな状況になったら担当者激詰めされる案件だと思うんですが、きっと自己主張の恐ろしく強いパリの方々ですから、俺は知らない、私は関係ない、と全員逃げ切ったことでしょうなぁ。

 

 で、開会式の演奏になったわけですが、屋外ということで全員がずぶ濡れで演奏していました。演奏者はポンチョかぶってたけど、楽器は雨でぬれぬれでした。楽器に雨は最悪です。これはいかんでしょ、という声が絶賛あちこちから聞こえてきてたわけです。まさかいつも演奏しているような超高額な楽器は使っていないだろう、と思っていたところ先に手配した楽器はパリ管が廃棄を予定していた楽器だったということです。まあ、そんな楽器といえども楽器は楽器です。かわいそうなことをしました、という気持ちは残るというか。

 

 

 上は実際に演奏されていた時の写真です。フランスのル・モンド紙に掲載されたものですが、指揮者もずぶ濡れになりながら指揮をしています。まあ、楽器も用意できたし形だけは演奏していたようですが、実際は口パク状態と一緒で演奏者たちはモニターイヤホーンをつけて一生懸命事前収録の音源に合わせて当て振りをしていたそうです。テレビ音声や一般の人には上の事前収録した演奏が耳に届いていたということになります。それにしてもご苦労な演出でした。

 

オリンピックの演出でダメージを受けた楽器はピアノだけではありませんでして、オーケストラが演奏してたやんけ、ずぶ濡れや。、、課金して読んでみたところやはりお安い楽器、廃棄予定の楽器を使用していたということなので、とりあえず一安心というか、いやー安い楽器でも楽器は楽器だし、

機械翻訳を頼りに訳して読んだので間違っていたらすいません。演奏も、実際に演奏していたとはいえ、一般の耳にきこえていたのは事前に録音されたもの(いわゆる当て振り、という手法です。「口パク」と同じ事です。ろぱく、ではなく くちぱく とお読みください。えっ!知ってた?)だったとはっきり書いてあります。イヤモニをつけた演奏家たちは、自分たちの演奏が音源と合うように最大限の努力をしたそうです。

 

まあ、詳しく知りたい人は電子版のル・モンド紙の記事をあたってみてください。ただし、料金はかかりますけどね。