7月の散財 ポップス編 | geezenstacの森

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7月の散財

ポップス編

 

 7月はどちらかというとポップスメインにたくさんのレコードを捕獲しました。これも多分時代の流れだと思うのですが、我々の時代の中止な人物がお亡くなりになり、その所有物が放出される時代になったのでしょう。まあ、かくいう小生も片足を棺桶に突っ込んでいる状態なので何時同じ状況になるやもしれないのですが、今少し今の時代を楽しみたいと思っています。そんな状況ですから時代を共に楽しんだ仲間が放出したレコードは小生のレパートリーのど真ん中です。そんなことでゲットしたアルバムの数々です。

 

 

 それは映画音楽、サントラとイージーリスニングです。最初はサントラ盤で「追憶」と「ミスター・アーサー」です。「追憶」は1973年の作品で、当時はコロムビア映画の創設以来の最大のヒットを記録した作品です。この映画ではバーバラ・トストライザンドが劇中歌を歌い、ロバート・レッドフォードとともに主演を努めました。マービン・ハムリッシュの名が一躍広まった名作でした。もう一つの「ミスター・アーサー」は1981年の作品で、バート・バカラックのメロディーに乗せて当時のヒットポップスシンガーがこぞって歌う名盤になっていました。ただ、サントラとしてはちょっと物足りなくレコードの両面合わせても30分も無いというアルバムでした。ですから当時は記憶にはあっても購入には至らないサントラでもあったわけです。ただし、この作品からは「ニューヨークシティ・セレナーデ」という曲がヒットしています。映画関係ではもう一枚、サントラではありませんが邦題は「地底探検 脅威のサウンド・ファンタジー」と銘打たれたアルバムでバーナード・ハーマンがナショナルフィルを振って録音したアルバムを捕獲しています。この一枚フェイズ4録音になるもので当時はRCAのチャールズ・ゲルハルトの指揮するアルバムといいライバル関係にありました。このアルバムには1951年から1966年までのSF名作4作品が組曲形式で収録されています。取り上げられているのは、

地底探検 1959

シンドバット7回目の冒険 1958

地球の静止する日 1951

華氏451  1966

という4作品の音楽がオーケストラサウンドで蘇っています。このアルバム解説を当時の映画評論家の荻昌弘氏が書いているのもポイントです。

 

 

 映画音楽以外ではもう一つの小生のメインジャンルのイージー・リスニングのアルバムをゲットしまくりました。そんな中、ネットで見つけたリチャード・クレイダーマンとジェームズ・ラストが共演しているアルバムを見つけたのですが、その現物を今回発見できました。1991年に発売されたものです。イギリスではまだ、この時代はレコードが主流でした。リチャード・クレイダーマンは日本ではビクターから発売されていましたが、1980年台後半にはどうもポリグラムグループ入りしていたようで、ヨーロッパではDECCAが発売窓口になっていました。DECCAはすでにポリグラム入りしていましたから、この1991年のアルバムは当然ながらDECCA Delphineとして発売されています。ただ、制作はすでにロンドンポリドールとなっています。ヨーロッパ版はレコードに時間制限はありませんからこのアルバムは片面7曲づつの14曲収録されていて、ジャケットにはCD、カセットも同時に発売されていることが記載されています。多分、このアルバムはイギリスでしか発売されていないのでは無いでしょうか。

 

 リチャード・クレイダーマンのもう一枚は「HOLLYWOOD and BROADWAY」土台されたものでこれもイギリス盤です。こちらは1986年に発売されたものでDECCA Delphineのマークはお馴染みのデッカブルーと赤のデザインの下にモノクロでDelphineのマークも入っています。こちらの発売元ははイギリスなのにロンドンレコードとなっています。時代の流れを感じさせます。

 

 さて、お馴染みのポール・モーリアものです。多分、このアルバムは異端児的に発売されたもので通常のポール・モーリアのアルバムとは違うシリーズのもので、小生にとっては2枚目の45回転LPです。最初にゲットしたのは下のレコードです。

 

 

 ただ、上のレコードはオーディオ・チェックを謳っているため4曲しか収録されていませんが、今回ゲットしたアルバムは通常のLPと同じ12曲が収録されています。さらにマスター・プレス盤ということで高品質を謳っています。もちろんこんなレコードは日本でしか発売されていません。1970年代初頭に45回転LPがブームのように発売されたことがありますが、多分その頃に発売されたものでしょう。曲は1960年台後半の作品が集められています。先日コンサートで聴いた「バリの操り人形」も収録されています。この時代は日本ビクターがプレスしています。

 

 ロンドンからは「華麗なるイージー・リスニング・ストリングス第3集」として1973年にノーマン・キャンドラーのアルバムが投入されています。このオーケストラは母体がミュンヘンフィルハーモニーのメンバーを中心に編成されていて第2の101ストリングスと言われたこともあります。何しろ、ヴァイオリン48名、ヴィオラ16名チェロ16名の80名体制に管楽器がプラスされていますからその何ふさわしい編成です。このアルバムからは「センチメンタル・ジャーニー」と「至上の愛」がヒットしています。

 

 もう一つのイージー・リスニングの大御所、レイモン・ルフェブルは「レイン・レイン、愛遥かに」と題されたアルバムです。ほとんどの曲が当時のユーロビジョンコンテストで歌われたもので、この当時はこういうアルバムがよく売れました。「レイン・レイン」は別名「ヴァイン・ヴァイン」ともいい、共にヒットしていますし、さらには「レイ・レイ」というタイトルでもイタリアでダリだが謳ってヒットさせています。その経緯は下の記事で紹介しています。この頃はアメリカ一辺倒でなくて音楽が豊かな時代でした。

 

 

 

 そのアメリカではこんなアルバムも発売されていたようです。ほとんどジャケ買いでピックアップするのですが、この一枚はタイトルで引っかかりました。なんとフランク・シナトラが歌うのではなく指揮をしているというアルバムが引っかかったからです。1962年に発売されたもので当時創設されたレーベル「reprise」を盛り上げるために録音したアルバムのようです。このリプリーズレーベル、もともとはフランク・シナトラとワーナー・ブラザース・レコード(現:ワーナー・レコード)の共同出資で設立され、当初はシナトラの作品と彼の音楽仲間であるサミー・デイヴィス・ジュニアやディーン・マーティンらのレコードを発売する為の会社として設立されています。このアルバムジャケット裏にはそのオーケストラを指揮するフランク・シナトラの写真が掲載されています。ジャケットの35mmマグネチックフィルムで収録されているところもシナトラの趣味が生かされているような気がします。

 

 今回の最後のアルバムは「サイモンとガーファンクル」のベスト盤のアルバムのようです。CBS・SONY時代の1981年に発売されたアルバムのようですが、小生の記憶にはありません。全部で17曲も収録されています。1981年のセントラル・パークでの10年ぶりのコンサートを記念して再編集された17曲入りお徳用ベスト・アルバムになっています。正に不滅不朽の名曲がズラリと並び、“あの青春の日々”を思い出させてくれます。同じ内容でCDも発売されていますが、元々がアナログ録音ということなのでレコードで聴くのがベターなアルバムでしょう。このアルバムはシングルジャケットですが二人のLP大のポートレイトと6ページにわたる解説や対訳がついています。この内容はCDでは不可能でしょうなぁ。レコードならではの味わいです。