中日交響吹奏楽団 サマーコンサート2024 | geezenstacの森

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中日交響吹奏楽団

サマーコンサート2024

 

  6月最終日、あいにくと雨模様でしたが、「中日交響吹奏楽団のサマーコンサート」に出かけてきました。このコンサートは無料でしたが、ホームページを見ると整理券の配布は既に終了していると言うことでちょっと焦りました。ただ小生の手元には招待の葉書が来ていましたので、多分大丈夫だろうと言うことで出かけました。会場は名古屋の新栄にある「名古屋芸術創造センター」というところで開催されました。時間ギリギリに到着したのですが、何とか間に合いほっとしました。

 

今回の編成、左端にはチューブラーベルがあります

 

 今回は、7月に開催されるパリオリンピックを意識したプログラムとなっていました。冒頭はジョン・ウィリアムズの「オリンピック・スピリット」という曲で開始されました。まぁジョン・ウィリアムスと言えば通常なら1982年のロサンゼルスオリンピックのために作曲された「オリンピックマーチ」が有名なところですが、ちょっと変化球の曲目で勝負してきました。こちらの曲は 1988年にソウルオリンピックのために作曲された曲でなかなかの佳曲です。ただ認知度からいったらちょっと低いのではないでしょうか。またジョン・ウィリアムスはもう1曲オリンピックのための曲を書いています。それは1996年のアトランタオリンピックのために書いたサモン・ザ・ヒーロー」という曲で、これらがオリンピック三部作と呼ばれていることもあります。こちらはちょっとマイナーな作品でしょうか。

 

 もちろん、オリジナルはオーケストラのための作品ということで、ここでは吹奏楽のために編曲されたものが演奏されました。吹奏楽の愛好家にとっては、こちらの曲の方が演奏しやすいということで、人気があるようです。

 

 

  第1部はフォーマルな曲が集められていて、きっちりと制服に身を包んでキビキビとした演奏が展開されます。吹奏楽のためのオリジナル作品も演奏されましたが、今回の特徴はフランスの作曲家、サティとミヨーの作品が取り上げられていることでしょう。

 

 

特にサティーの作品は(DJ)と言う作品でタイトルだけでは分かりませんが、ほとんどの人が聞いたことがあると言う作品ではないでしょうか。もともとはシャンソンのために書かれた作品でピアノで演奏されるものですが、ここでは吹奏楽版と言うことで、かなり華やかな作品に変貌していました。

 

 

 

  もう一つの作品は、ダリウス・ミヨーの「フランス組曲」という作品でした。もともと吹奏楽のために作曲された作品で、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦の成功を祝って作曲されたと言われています。曲は5つの曲で構成されており、緩急織り混ぜた面白い作品でした。

第1曲 「ノルマンディー」

第2曲 「ブルターニュ」

第3曲 「イル・ド・フランス」

第4曲 「アルザス・ロレーヌ」

第5曲 「プロヴァンス」

ミヨーにこういう作品があると言うことを初めて知ったものです。

 

 

  後半も、フランスにまつわる作品が並べられていました。ただ、サマーコンサートということで、こちらのほうは非常にリラックスしたスタイルで演奏されました。

 

 

1960年代から1970年代の名曲が演奏されたと言う事は、これらの作品がやはり1番フランス者としては知られているということなのでしょうか。そしてこの3曲とも岩井尚宏の編曲によるものでした。特に2曲目の(パリの操り人形)は、ポール・モーリアの演奏でお馴染みですがここは吹奏楽版、操り人形の雰囲気を出すために、かなり手の込んだアレンジがなされていました。

 

 

 3曲のフランス作品の間にジブリの「紅の豚」が混じっていましたが、ちょっと違和感を覚えました。確かこの作品はイタリアが舞台になっていたはずですが、後で家に帰って調べると、やはりフランスに関係していたことがわかりました。『紅の豚』でジーナはシャンソンの名曲「さくらんぼの実る頃」を歌います。 宮﨑監督は映画を作るうえで、この曲のフレーズが大きなひっかかりになったと話していたんですなぁ。

 

そして、『塔の上のラプンツェル』に登場する、ラプンツェルの生まれたお城は、フランスを代表する観光地で世界遺産でもある『ル・モン=サン=ミシェル』がモデルです。 

 

 

 最後の曲は、タイトルにもノートルダムとあるように、まさにフランスを象徴する曲と言えるでしょう。ここでは「ノートルダムの鐘メドレー」ということで有名な曲5曲が演奏されていました。今回の曲目はなかなか凝った選曲で、裏読みをしないと、フランスとの関係がなかなか見えてこないところもありましたが、振り返ってみればなかなか凝った選曲だなぁといえます。

 

 

  やはり盛り上がったのは、この後半のプログラムで、アンコールには2曲も演奏されました。

 

 

 演奏会の終わる頃には、雨も上がり、軽やかな足取りで会場を後にすることができました。