シバの女王 | geezenstacの森

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シ バ の 女 王

 

 レーモン・ルフェーブルの演奏で広く知られる「シバの女王」ですが、もともとは旧約聖書に登場する人物です。新世界大百科事典には次のように記されています。

{{{旧約聖書中の伝説上の人物。シバ(サバ)は南アラビアに住んだ民族で,交易によって栄えた。《列王紀》上,第10章は,その国の女王がエルサレムにユダヤの王ソロモンを訪ねた逸話を記す。シバの女王はソロモンの名声を聞き,難問でその知恵を試そうとしたが彼はすべての問いに答えた。また壮麗なソロモンの宮殿を見て彼に心服し,金,香料,宝石を贈って帰国したという。シバの女王は中世以降,美術にあらわされる。特にソロモン訪問の場面は,三博士の参拝と結びつけて,写本画や教会堂装飾などに描かれた。}}}

 

ソロモンとシバの女王

 

 元々この曲は、1967年にフランス人のミシェル・ローランが創唱し、日本ではレイモン・ルフェーヴルの演奏やグラシェラ・スサーナの日本語(なかにし礼作詞)歌唱で大ヒットしました。このM.ローランのオリジナルでは“Ma Reine〜”となっていますが、イージーリスニング系オーケストラのアルバムではなぜか“La Reine〜”と変更されており、またM.ローラン、G.スサーナの題名では「サバの女王」と表記されるのに対し、イージーリスニング系オーケストラでは「シバの女王」となっています。このルフェーブルの最初の録音は1967年に行われ、日本ではR.ルフェーヴルの演奏が大ヒットし、オリコンのチャートでは110週もの間、100位以内を記録(最高26位)するなどロングセラーを記録しています。まずは、そのミシェル・ローランの歌声です。のちに彼は日本語版でもこの曲を録音しています。

 

 

 そして、大ヒットしたルフェーブルの演奏です。

 

 

 翌年にはポール・モーリアもこの曲を録音し、ピアノのソロも導入し、ルフェーブルのストリングス中心の演奏とは一味違う演奏をはっぴょぅしました。それらを網羅したものです。

 

ポール・モーリア - Paul Mauriat (0:00) モーリー・グレイ - Morry Grey (3:08) ニニ・ロッソ - Nini Rosso (6:00) カラヴェリ - Caravelli (9:12) レイモン・ルフェーヴル - Raymond Lefèvre (12:20)

 

 

 ルフェーブルは1977年に新バージョンの演奏を発表しています。

 

 

 それに対抗してかポール・モーリ#も当時の最先端のディスコアレンジで再録音しています。

 

 

 上の演奏でもエレキギターがイントロに使われていましたが、下はそのギターによる演奏です。

 

ゴールデン・ギターズ

 

 この曲は日本でも大ヒットしましたから多くのアーティストがカバーしています。その中でもぎたーといえば寺内武でしょう。

 

 

 さらにはフランス人のクロード・チアリも録音を残しています。

 

 

 さて、本家スージー・リスニング回でもさまざまなアーティストがこの曲を録音しています。下はノーマン・キャンドラーの演奏ですが、ここでもギターのヘラルド・ウィンクラーをフューチャーした演奏を披露しています。

 

 

 さて、下は日本のスタジオ・ミュージシャンを集めたGrand Fantastic Stringsによる演奏です。1977年の録音ですが、ベースとドラムスによるぶんちゃっちゃリズムは日本のお家芸でしょうなぁ。途中でギター・ソロが入るのもいいとこ取りをしているような気がします。

 

 

 日本のオーケストラものをもう一つ、デューク・エランドール・オーケストラによる演奏です。やや遅めのテンポでじっくり聴かせていますが、録音が安っぽくこちらもぶんちゃっちゃリズムを刻みます。

 

 

 同じ日本ものでも、時代が降ったデジタル時代ではこんな演奏も現れました。おなじみ高嶋ちさ子率いる12人のヴァイオリンの演奏です。

 

 

 1970年代の演奏で異色なのはアンドレ・ポップ・オーケストラの演奏でしょうか。非常にポップなアレンジです。日本の演奏ではどうしてこういうリズムセクションの演奏ができないのでしょうかねぇ。

 

 

 下はイギリスの巣ジオ・ミュージシャンを集めた「International Latin Orchesta」の演奏です。MFPという廉価盤のアーティストですからちょっと安っぽいアレンジです。でも、音はいいです。ややぶんちゃっちゃですけどね。

 

 

 ポール・モーリアはこの曲を三度録音しています。下はデジタル収録された演奏で、ちょっと聴いた感じはイントロにツィンバロンを使用しているような演奏になっています。

 

 

 それにしても、フランク・プゥルセルの音源はどれだけ探しても見つかりませんでした。録音していなかったんでしょうかねぇ。

 

その他の演奏