ヘルムート・ツァハリアスの
ベストセラー
曲目/
指揮・ヴァイオリン/ヘルムート・ツァハリアス
演奏:ツァハリアス・オーケストラ
リリース 1967
仏ポリドール・プリヴィレッジ 658064
個人的に1970年台を中心に大ブームだったイージー・リスニングが好きです。最近YouTubeを検索していると俄にその時代の音源が大量にアップされているのが確認できます。以下のようなチャンネルが増殖しています。
これらの人たちはそれぞれに得意アーティストを中心に膨大な量のイージー・リスニングのアルバムがアップされています。これがほぼ日ー毎日更新されているのですから驚きです。まあ、日本のイージー・リスニングはどちらかというと「歌のない歌謡曲」から出発していますから扱うテリトリーが限定していますが、世界のイージー・リスニングはそれこそ、マントバーニやポール・モーリア、フランク・プゥルセル、レイモンド・ルフェーブル、パーシー・フェイスを筆頭に綺羅星のようなアーティストが膨大なレコーディングをしています。多分著作権が切れたことが大きく影響しているとは思いますが、嬉しい時代になったものです。
そんな中から今回取り上げるのはHelmut Zacharias (ヘルムート・ツァハリアス)です。ドイツの男性ヴァイオリニストで、1920年1月27日生まれ、2002年2月28日にスイスで没しています。ベルリンに生まれ、父親はヴァイオリニストで指揮者、母親は歌手という音楽一家に生まれています。 彼は2歳の時に父親からレッスンを受け始め、6歳の時にはベルリンのフリードリッヒ通りにあるキャバレー会場であるフォーン・クラブで演奏した記録が残っています。ツァハリアスは8歳でベルリン音楽アカデミーのグスタフ・ハーヴェマンのマスタークラスの最年少生徒となっり、11歳の時、ラジオで初めてモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を演奏しています。しかし、1930年代にはジャンゴ・ラインハルトやステファン・グラッペリの全弦ジャズバンドのレコードがドイツで入手可能であり、それらはザカリアスの音楽スタイルに大きな影響を与えた純クラシックからポップス、ジャズの世界に舵を切ります。1950年代よりジャズヴァイオリニストとして有名になり、1956年にリリースしたアルバム「When the White Lilacs Bloom Again」がアメリカで大ヒットを記録し、一躍メジャーの世界に躍り出ます。また、1964年夏季オリンピックのBBC報道のテーマ音楽として「東京メロディー」が使用され、1964年11月21日には全英シングルチャートで9位に達しています。こんな感じの曲です。
その後はヴァィオリンを主体としたオーケストラを率いて、デッカやポリドール、EMIなどに次々とリーダーアルバムを発表していきます。ドイツのミスターヴァイオリンとまで称され様々なジャンルの音楽をレパートリーに加えていきますが、根本には射図があったようです。下は晩年にテレビ出演した時のジャズヴァイオリンスタイルの演奏です。こうして聴いてみると、ステェファン・グラッペリと互角の風格が感じられます。
ジャズミュージシャンであった頃を彷彿とさせる演奏
さて、取り上げるアルバムは1968年にポリドールに録音したアルバムです。時代を反映して地やっプリンの「香港の伯爵夫人」のテーマ曲「愛のセレナーデ」やモーリス・ジャールの「ドクトル・ジバゴ」の「タラのテーマ」などの映画音楽から、ベルト・ケンプフェルトの「スバニッシュ・アイ(moon over napoli)」、「夜のストレンジャー」アントレ・ポップの「カリンカ」なのヒット曲のカバーから自作の「I want to teach you」なんかもちゃっかり収録しています。彼のヴァイオリンも聞きどころですので楽しんでみてください。