黄金蝶ひとり | geezenstacの森

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黄金蝶ひとり
 

著者:太田さん忠司

出版:講談社

 

 

 5年生の夏休み、洸は物心がついてから1度も会っていない祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、豊かな自然が残る村には、山を守る“テツ”がいるという。 「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板をかかげた祖父は、あらゆることの先生として、村民から尊敬されていた。だが、なにか皆に秘密にしていることがありそうだ。村にかくされているという宝と関係があるのか……。ある日とつぜん祖父が姿を消した。茶木村を観光地化しようと前村長の不良息子が会社社長となって戻ってきたのと、関係があるのだろうか。彼の真の狙いは村の宝にあるのでは……。---データベース---

 

  この小説は「かつて子供だったあなたと少年少女のためのミステリーランド」と銘打たれたボックス入りの書籍として発売されたものです。ボックスには窓が開いていて、そこに子供と蝶々が見えるようになっています。で、箱の中には下のような本が収納されています。ここには本のタイトルは書かれていません。でも、下の方に黄色い蝶々が描かれていて、これがタイトルの蝶々だということがわかります。

 

 

 ミステリー小説ということでいろいろ仕掛けが施されています。上の白っぽい蝶々は「アサギマダラ」という蝶々、下の黄色い蝶々は「オオカバマダラ」ということが本の中で紹介されています。

 

 基本的に夏休みの冒険物語になっていますが、最初から作者である太田忠司氏が登場したり、本のあちこちにいろいろなトリックが隠されています。まあ、大人が読んでもたのしめるというものです。

その目次は以下のようになっています。

 

 

 この目次にも仕掛けがありますが、それを見つけることができるでしょうか?文字の大きい部分が章ですが、これにも仕掛けがあります。大体こんな長いタイトルの章自体が足木です。

 

 登場人菜物は小学5年生の白木洸(しらきたけし)です。そして、もう一人彼が夏休み中に出かけるおじいちゃんの住んでいる茶木村の「テツ」という子供です。その子供たちと茶木村に戻ってきた前の村長の息子たちが巻き起こす騒動の顛末が語られていきます。子供向きに書かれていますから、文章は平容ですが、太田忠司氏らしい展開でSFの要素も取り込まれている不思議な展開になっています。

 

 そして、最後にびっくりの展開が待っていてさすがにこれにはびっくりしました。この本は文庫にはなっていないようなので、古書店で探した方がいいのかもしれません。