W.ボスコフスキー指揮ウィーンpo.
1001nights
曲目/
1.ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋のポルカOp.269 2:54
2.ヨハン・シュトラウスII世:皇帝円舞曲 Op. 437 10:14
3.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「騎手」 Op. 278 1:56
4.ヨハン・シュトラウスII世:ウィンナ・ワルツ「レモンの花咲くところ」Op.364 8:26
5.同:ナポレオン行進曲 Op. 156 2:49
6.カール・ミヒャエル・ツィーラー:扇のポロネーズOp.525 3:08
7.ヨハン・シュトラウスⅠ世:ローレライ=ラインの調べOp.154 7:56
8.ヨハン・シュトラウスII世:「こうもり」のカドリーユ Op. 363 7:52
9同:喜歌劇「インディゴと40人の盗賊」~ワルツ「千夜一夜物語」 Op.346 8:23
10.同:ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『ウイーンの森の物語』Op.325 11:10
11.ヨハン・シュトラウスⅠ世:『オーストリアの村つばめ』Op.164 5:59
12.ヨハン・シュトラウスII世:『春の声』Op.410 5:33
指揮/ウィリー・ボスコフスキー
ヨーゼフ・クリップス
演奏/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
録音/1961/04-27 1-9
1962/11/2-6 10
1956/10/12 11,12 ゾフィエンザール
P:クリストファー・リーバーン、エリック・スミス
ジョン・カールショー 11.12
E:ゴードン・パリー、ジェームス・ブラウン 1-10
英デッカ 478 5997
これも「デッカ・アナログ・イヤーズ」に収録されている一枚です。「千一夜物語」と題されたボスコフスキーのウィンナ・ワルツ、ポルカ集です。ケンペの「ウィーンの夜」、クナの「ウィーンの休日」と並ぶウィーン物の決定盤といえるでしょう。ボスコフスキー/ウィーンフィルのシュトラウス者の最初期のものの一枚です。そこに、ボーナスとして10曲以下の3曲が追加されています。まあ、これ一枚でウィンナ・ワルツの代表曲は揃ってしまいます。控えめにジャケット裏左上にデッカのトレードマークの「ffss」の表示が見えます。なを、このCDで初めてヨーゼフ・クリップスの演奏がCD化されています。この録音プロデューサーがジョン・カールショーという点も見逃せません。
さて、上の写真がこの録音時のスナップですが、ウィリー・ボスコフスキーは敷台の上で自らヴァイオリンを弾きながら指揮をするというニューイヤーコンサートのスタイルで演奏しています。そして、コンマスの席で弾いているのはこの当時ならフリッツ・セドラックでしょう。ここで聴かれる数々のウィンナ・ワルツは典型的なウィーンスタイルの演奏になっています。アルバム冒頭は意表をつく「鍛冶屋のポルカ」で開始されるという意表をつく構成でタイトルの「千一夜物語」と共に無茶苦茶洒落ています。金床をたたく音がステレオで左右から聴こえるのは当時は驚いたのではないでしょうか。
このオリジナルのアルバムでは「皇帝円舞曲 Op. 437」が唯一の有名ワルツではなかったでしょうか。そういい曲を2曲目に据えて、ちゃんとこういう曲も演奏していますよ、というアピールがされています。
それでいて、3曲目にはまた、「ポルカ・シュネル「騎手」 Op. 278 」が続きます。多分、毎年開催されている1月の舞踏会ではこういう曲が演奏されるのでしょうか。全体の曲目を見ても万人受けをする曲目より、ウィーンにいる人たちが普段接している音楽がこのアルバムにはちりばめられています。短い曲ですが楽しめます。
それが証拠に喜歌劇「こうもり」なら、通常は序曲が演奏されるところを「「こうもり」のカドリーユ」が演奏されています。このオペレッタを知らなけれは普段はこんな曲は知らないでしょう。
と、まあオリジナルは通好みの選曲であり、鼻から一般受けは狙っていなかったことがうかがえます。そんなこともあり、このアルバムはオリジナルとしてはCD化はされなかったようです。ですから、ボックスセットでこういう形で復活しているのは有難いことです。それでは、アルバムタイトル曲にもなっている「千夜一夜」です。
なおかつ初CD化として、クリップス/ウィーンフィルの演奏に乗せてソプラノのヒルデ・ギューデンの歌声が響く最後の2曲は余計にこういう楽しみ方をウィーン子はしているのだろうなぁ、うらやましくも思ってしまいます。