レコード芸術1974年6月号 5 | geezenstacの森

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レコード芸術

1974年6月号

5

 

 この1974年6月号の1のグラビアで紹介したようにマリッツをポリーニが来日しています。そして全国でコンサート開催していますが、そのリサイタルの模様作曲家の柴田見直しがリポートしています。このポリーニの来日は大変評判だったようですが、コンサートのチケットはかなり安いものだったようです。

 

 

 パイレーベルのおもだった演奏は1000円版で投入していましたので、ここからは別の1500円のシリーズで、ちょっとマニアックなレパートリーをまとめて発売しています。そして、もう一つのレベルハルモニアムーディーもレギュラー新婦でどんどんと登場させています。

 

 

 

 この後で霊夢のハイドンが推薦版になっていました。まぁ話題版だったのでしょうということでグラビアが投入されています。イメージからするとベームはモーツァルトベートーベン以降のロマン派と言うところがメインストリームだと思いますが、ハイドンはその中でも珍しいレパートリーではないでしょうか。

 

 

 この1970年代の前半は、コレギウムアリウムの人気のピークの時期でした。とにかく出すレコード出すレコードがヒットして、テイチクのクラシック部門を牽引していたのではないでしょうか。古楽器ブーブの先取りとして、当時はこのコレギウムアリウムが録音したフッガー城の「糸すぎの間」は音の響きが豊潤でバロック時代の雰囲気をよく伝えていました。まあ。のちに来日した折に現代学期にガット弦を張っただけの中途半端なスタイルが批判されて、急速なブームの終焉を迎えます。

 

 

 この号では、RCAがやけに目立つのですが、それは広告にも表れています。メインストリームの録音が乏しかったオーマンディ/フィラデルフィアでしたがここにきて、王道のレパートリーの再録を始めています。それもあってこの月は1ページを割いて訴求しています。また、ここでは日本からのリクエストに応えて再録したチャイコフスキーの三大バレエダイジェスト版も2chで登場しています。

 

 

 さらに、別のページ立てで4chのレコードも訴求しています。

 

 

 ここにきてソプラノのアンナ・モッフォもオペラものの代表で取り上げていました。ただ、記憶ではモッフォノ歌ったオペラはあまり推薦盤はなかったのではと思います。

 

 

 ただRCAの廉価盤シリーズには多くのオペラ物のセットが投入されていました。オペラものはごく初期には対訳がついていたものもありましたが、ほとんどが簡単な解説がついていただけでオペラ物の普及に寄与したかというとそこにはハテナがつきます。

 

 

 したのページは来日アーティストを取り上げています。ガッゼローニはフルート盤のヴィヴァルディの「四季」も録音していたほと日本では人気がありました。しかし、その下のロジャー・ウッドワードなんてピアニストを記憶している人は少ないのではないでしょうか。1963年のショパンコンクールで優勝しているのですが、日本ではパッとしませんでした。小生は注目していて、こののちベートーヴェン/リスト編曲の交響曲第3番「英雄」をピアノで演奏したものを録音していてコレクションしています。録音レパートリーに恵まれず大成はしませんでした。

 

 

 ウェーバージンケの来日はグラビアでも紹介しましたが、この時日本でCD-4方式でバッハの作品を日本ビクターに録音しています。その録音を担当したプロデューサーの相沢昭八郎氏がその様子をグラビアで紹介しています。ただ、4chで録音されたものはほとんど流通していなくて、やはり、通常のステレオ盤の方が売れたようです。

 

 

下は当時発売された4チャンネルとステレオレコードのジャケットです。