判じ絵の世界 | geezenstacの森

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 所有するAndroidスマホではトップ画面を右スライドするとグーグルのおすすめ記事をランダムに配信してくれます。その中でもう終わりがけの企画だったのですが、「美術展ナビ」で、地元愛知県高浜市のやきものの里かわら美術館で開催されている「浮世絵師・歌川一門の判じ物〜江戸時代の謎々絵解き〜」が紹介されていました。今までにも、僅かながら判じものの展覧会は見たことがあるのですが、歌川一門というのがミソで、ちょっと引っかかったので最終日の2月4日に出かけてきました。

 

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 「判じ物(判じ絵)」とは、日本語に多い「同音異義語」を利用し、その絵が表す「音」を読み解いて答えを考える、洒落(しゃれ)を用いた言葉遊びです。この展覧会では、江戸時代から明治時代にかけて活躍した浮世絵師の一派・歌川一門の浮世絵師たちが、技巧と趣向を凝らした図案で難問・珍問を作品として残しています。有名浮世絵師たちの遊びごころがたっぷり詰まった謎解きは楽しいものでした。歌川波には多数の絵師が一門にいました。下がその系図で、赤丸が今回の展覧会で作品が展示されていた絵師です。

 

 

 この系図でびっくりしたのですが、芳年ー年方の系列には日本画につながる「鏑木清方」や「伊東深水」なんかがいるんですなぁ。

 

 さて、会場入り口にはパネルで色々な判じ物が展示されていました。まさに子供の目線で楽しめる工夫がされていました。

 

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するめ

 

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たかはま

 

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さしみ

 

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ほうおう

 

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ひじき

 

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ほうちょう

 

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へび

 

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なべーへびーびわーわらび

 

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ほうちょうーうなぎーきすーするめ

 

 こういう謎解きをしながら自然と入り口に向かうことになります。中の陳列はこんなふうになっています。壁面にずらっと判じ絵が並び、その横に答え合わせができるように解説が展示されています。

 

 

 つまり、こんな感じです。役者エガ作品ですが、この役者が誰かを絵文字で表しているのです。下の絵は須知川海老蔵になります。

 

 

 展示作品には役者会からさかな、くだもの、やさい、勝手道具、とり、むし、草花、干支、いろはなどありとあらゆる物が判じ絵になっています。それが53作品あると壮観です。下は展示絵のリストの一部です。

 

 

 なにせ100年以上も前の作品ですから、中には判読できないものもあります。下は歌川国芳の作品ですが、謎が解かれていない作品です。チャレンジしてみてはいかがでしょう。

 

 

 

 

 最終日ということで展覧会はかなりの人で賑わっていました。