第10回 日展
名古屋展 2
洋画の総評
はす第10回日展の審査は伝統ある日展の良さを見い出す作品を選定しようと、審査員一同真剣 に取り組みました。その結果、優劣つけがたい作品が多く昨年より入選者はややふえました。 残念なのは、技術は高いが題材が類型的で個性を感じる作品が少なかったことです。カメラの 映像を通した作品が多く、自然から受けた感動を伝える作品がもっとあれば良いと思いました。 又、芸術は魂の表現であり、自己の魂を表現するために悪戦苦闘して絵画表現をする作家が もっと欲しいものです。 特選10点は伝統的な表現の作品と未完で欠点もありますが新しい自己表現を模索している 作品を選びました。
ということで、下記の作品が選出されています。日本画の方は人物画がほとんどなかったのですが、洋画はかなりのウェイトで人物画か選出されています。
馬 安川明子
シュンポシオン 竹内恵
Shadow 井上美智子
眠り 小川満章
情念の夜-世界遺産平勝寺の夜念仏 曽剣雄
光の庭 小野月夜
ヤコブ大聖堂 川村隆夫
漁村空間 堀木達也
進化するコンビナート 江口和夫
教会の村 佐藤祐治
ロマネスク追憶 松井茂樹 特選
ベランダ 橋浦尚美 特選
Time on the Table 福本弥生 特選
作者の言葉
時をテーマとした静物画です。
時の流れの中で変化してゆくものたちの、光の中で輝くような生命感。その美しい一瞬を永遠に描き留めたいと願っています。
今回の作品では、生命の始まりと誕生、そしてそれを育むものという、命の物語を象徴的に描きたいと思い、神秘的なイメージで制作しました。
ショート・ブレイク 鷺悦太郎 特選
作家のことば
猛暑から逃れて室内でポーズ。コスチューム、ポーズを変え悪戦苦闘。取りあえず小休止。ショールを頭にかけたその一瞬の姿に惹かれ挑戦する事に。カマイユからの彩色で、明るめの穏やかな空間をイメージして制作。結果として同系色のおとなしい作品になりそうなので、赤味と黄緑味を差し色として扱ってみました。
化石の海 平野克己 特選
映る 内海洋江 特選
赤瓦の集落(沖縄) 平野行雄
陽射し 茅野吉孝
匿名の地平線-ver.blue- 中島健太
Smozando 西房浩二 内閣総理大臣賞
作家のことば
画題はスモルツアンド、だんだん静まってという意味があります。
十年ぶりに静物画を出品しました。一つ一つのモチーフを選び、並べていく過程はとても大切な時間でした。
陽が差し込み明るい日、雨が降って暗い日、様々な時間を積み重ねて制作しました。
小さな冬景色 浅見文紀 日展会員賞
作家のことば
雨風に晒されながら、長い時間をかけて造形された植物のフォルムや枯葉の表情には魅かれるものがあります。積み重ねたダンボールは、地層を意識しています。鹿の頭骨は、映写機のフィルムのように一齣ずつ場面が移り過ぎて行く、そんなイメージで配置してみました。
邂逅・恋文 難波滋
今年は題材は人形浄瑠璃と同じながらモノクロで表現してきました。
岬の丘 成田禎介
雪国・青森平賀 近藤憲男
卓上の競演 杉浦春一
断崖の街 森木明
Tea Time 浅井恵子
これら③枚の作品は地元作家の作品でQRコードすらありません。しかしいい作品ですのでピックアップしました。
名をこれらの作品についての作者の言葉は下記からアクセスしすることができます。