レコード芸術1974年3月号 2 | geezenstacの森

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レコード芸術1974年3月号

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 日本コロムビアが発売していた「ヒストリカル1000シリーズ」という1000円盤はモノラル録音の再発見につながったのではないかと思います。このシリーズたのレコードメーカーと違い1000円盤で出したことで裾野を広げたようです。HRはエヴェレスト、VOX、スプラフォンの歴史的音源で占められ、米モニター原盤でソ連メロディア音源もラインナップされていました。フルトヴェングラーはモノラルしか録音を残しませんでしたから熱烈なファンはそこに価値を見出していました。ここではそのフルトヴェングラーを筆頭にモノラル時代の名演奏家を取り上げ、その演奏様式の変遷に耳を傾ける楽しみもあるということを記事にしています。

 

 

 世間的には第九と言えばフルトヴェングラーというのが一般的でしょうが、個人的にはこの頃はメンゲルベルクの第九の方を聞いていました。第4楽章のコーダをフルトヴェングラーは最後まで快速で飛ばしますが、メンゲルベルクは大見えを切って思いっきりリタルダンドで減速して終了します。こんな演奏です。まあ、このようにモノラル時代の録音は個性的なものが多かったように思います。

 

 

 この特集で初めて知ったのですが、レコードの値上げが一段落したこの時期のモノーラル盤の価格一覧表が特集の最後に掲出されていました。それを見て初めて知ったのですが、他のシリーズは全部値上がりしているのにこのコロムビアの「ヒストリカル1000シリーズ」は価格改定されていませんでした。

 

モノーラル盤の価格一覧 昭和49年2月現在

 

 なを、当時価格改定されたレコードの価格一覧も別途掲載されていて、各社まちまちだったことがわかります。