初春はヴィヴァルディの「四季」で
年末から年始にかけて風邪をひいてしまって寝込んでいました。幸い。コロナでもインフルエンザでもない普通の風邪でしたので、ただただ薬を飲んでひたすら布団にくるまって寝込んでいました。せっかく今年の正月は多分社会人になってから一番長い休みが取れた歳だったのですが、思わぬ形でフイになってしまいました。
まあ、そんなことで枕元にはGoogleホームを持ち込んでひたすらニュースとYouTubeを流していました。おまかせにしておいたらなぜかヴィヴァルディの「四季」をかけてくれたんですなぁ。最初は普通の演奏でしたが、うつろうつろして聴いているうちにこんな演奏がかかりました。
洒落たことをしてくれますなぁ。1970年第二発売されたギュンター・ノリスの「四季」です。ドイツのピアニスト兼バンドリーダーがギュンター・ノリスで、楽団を率いて数々のアルバムを出しています。普通は金管を中心としたベルト・ケンプフェルトやジェームス・ラストなどのオーケストラと同じような活動をしていますが、ここではピアニストとしてジャズ・トリオを率いて演奏しています。当時はフィリップスからもビッグバンドを率いた演奏も出ていました。こちらの方がピアノを中心とした演奏なので旋律線がストレートに出ています。どちらかというとイージー・リスニングジャズという雰囲気です。レコード時代はルイ・オーリアコンブの演奏とのカップリングで発売されていました。
同じようにピアノを中心とした前田憲男トリオによる演奏です。こちらはもっとジャズのリズム感を全面に出した演奏でグルーブ感があります。ただ、ガッツリとしたジャズのアルバムとして発売されましたからあまり一般には知られない演奏です。
ジャズ・ピアノでの演奏といえばジャック・ルーシェを外すわけにはいかないでしょう。ここでは通常のトリオではなく単独のピアノでヴィヴァルディの「四季」にチャレンジしています。ジャック・ルーシェといえば、バッハですがこのヴィヴァルディも一捻りあってなかなか興味深い演奏になっています。
ここは「四季」の春の第一楽章だけですが、YouTubeにアップされていましたので貼り付けました。日本のポップシーンを引っ張る葉加瀬太郎に、独自の活動をする古澤巌と高嶋ちさ子の三人が非常にポップなアレンジで今どきの人には受けるでしょうなぁ。
レコード時代にはセヴィリア・ガッゼローニがフルートで演奏した「四季」もありましたが今の日本では全員フルートで演奏したものまでアップされています。なかなか面白いアレンジです。
やはり、というか探したらシンセサイザーで演奏したものもアップされていました。ただ、この演奏は新背に音を置き換えただけという代物で、音楽に強弱がないのでやや単調に聴こえます。
最後は石田組の組長の演奏による「四季」です。ソロでもこういう活動をしているのですなぁ。やや音が固いイメージがありますが、体を現した男性的な「四季」ではないでしょうか。