モーツァルト
ディヴェルティメント第7番
曲目/モーツァルト
Divertimento Nr. 7 D-dur, KV205
A1 Marcia 2:20
A2 Largo-Allegro 6:35
A3 Menuetto 1 2:40
A4 Adagio 4:55
A5 Menuetto 2 2:50
A6 Finale (Presto) 3:35
行進曲ニ長調 K.290
A7 Marsch D-dur, KV290 2:20
カッサシオン 第2番 変ロ長調 K.99
B2 Allegro Molto 2:55
B3 Andante 3:25
B4 Menuetto 1 4:40
B5 Andante 2:30
B6 Menuetto 2 5:00
B7 Allegro - Andante 2:15
B8 Marcia 6:55
演奏/ウィーン八重奏団員
Bassoon – Ernst Pamperl
Contrabass – Johann Krump
Horn – Josef Veleba, Wolfgang Tomböck
Oboe – Günther Lorenz, Karl Mayrhofer
Viola – Günther Breitenbach
Violin – Anton Fietz, Philipp Matheis
Violoncello – Nikolaus Hübner
録音/1965
ロンドン STS15247
今回もロンドンのSTSシリーズを取り上げます。この時代は個人輸入をイギリスとアメリカで行っていました。その中でイギリスデッカのSPAシリーズと米ロンドンのSTSシリーズを一番注目していました。その点クラシックは最新録音さえ追い求めなければ旧譜という過去の遺産は再発売で安く買えます。さらに多くの評価を勝ち取っているので信頼に足る安心感があります。今日取り上げるこのウィーン八重奏団員のアルバムは1979年に、「ウィーンの室内楽名盤1300シリーズ」の一枚として国内盤も発売されました。下がそのジャケットです。
この当時のモーアルトの作品の録音にはエリック・スミスが大きく関わっていて、この作品もライナーは彼自身が執筆しています。この曲の解説をネットで確認すると曲自体は5楽章で書かれています。ただ、当時の慣習として曲の前後に入場と退場のために行進曲が置かれていたということで、このレコードには同じ調整の行進曲K.290が演奏されています。ということでここでは7楽章の形で演奏されています。なを、調べてみるとこういう形式で演奏されているものは意外と少ないようで、手持ちのブリリアントのモーツァルト全集の演奏でも行進曲は収録されていません。
レコードB面にはカッサシオン第2番 変ロ長調 K.99 が収録されています。こちらも編成的には昨日紹介したディヴェルティメント第15番と一緒です。ただ、こちらはホルンに加えてオーボエが追加された編成になっています。こちらはゆっくりとしたテンポでウィーン情緒たっぷり! どこを切ってもウィーンの風が吹くようです。作品番号からも分かるようにモーツァルト13歳の時の作品です。こちらは最初から冒頭と最後に行進曲が置かれています。どちらの曲もホルンが使われているということでは音楽に厚みが感じられ、単なる室内楽とは違う華やかさがあります。これらのエレック・スミスの録音はのちにボスコフスキー・アンサンブルに引き継がれていますが、重複する作品は今ではカタログからは消されているようで録音のCDは見当たりません。エリック・スミスは1967年までデッカでプロデューサーを務めた後フィリップスに移り、フィリップスで1991年にモーツァルト全集を完成させています。つまり、デッカでのプロジェクトは途中で挫折していたんですなぁ。
個人的にはクリストファー・リーバーンやレイ・ミンシェルなどにデッカのモーツァルトのプロジェクトを引き継がせたため、エリック・スミスの録音はカタログ状はダブリとなってしまいCD時代には見捨てられたんでしょうなぁ。ウィーン八重奏団員の録音は復活していないようです。
下はオリジナル編成で演奏されたクイケンの演奏したものです。