モーツァルト
ディヴェルティメント第15番
曲目/モーツァルト
Divertimento In B Flat Major K. 287
Composed By – Wolfgang Amadeus Mozart
A1 Allegro 6:25
A2 Theme & Variations. Andante Grazioso 7:55
A3 Menuetto 3:35
A4 Adagio 6:05
B1 Menuetto 4:00
B2 Andante. Allegro MoltoDivertiment In G Major. 7:10
Composed By – Michael Haydn 12:00
B3 Allegro.
B4 Andante
B5 Menuetto
B6 Finale
ウィーン八重奏団員
- Bass – Johann Krump
- Cello – Nikolaus Hubner*
- Horn – Josef Veleba, Wolfgang Tombock*
- Viola – Gunther Breitenbach*
- Violin – Anton Fietz, Philipp Matheis
LONDON STS15273
録音/1962
この録音は1971年に再発売されたものです。オリジナルは1963年に発売されています。そのデザインは下記のものです。
パッと見た目DGGのようなデザインでびくりしました。でも右上にはLONDONのマーク紙あるし、左上にはSTSというステレオ・トレジャリー・シリーズのロゴも入っています。尚且つ、「RECORDS INPORTED FROM ENGRAND」の表示もあります。つまり、この時期は廉価版のSTSシリーズはイギリスで作られていたのです。だから本来の英デッカ盤を買うより安心できました。何よりも、レコードに重量感があってアメリカ盤のような雑な仕上げでなかったからです。
そして、この一枚は初出のデザインよりも再初のデザインの方が美しいという一枚になっています。「コンスタンチン・スモフ」という画家が描いた「Galante unter Haltung」という作品が用いられていて、尚且つDGGの黄色い枠を模した作品名の表記で初出よりもはるかに価値が上がっているように見えます。
モーツァルトの生きた時代には、まだ音楽家に仕立て職人的な性格が少なからず求められていました。そしてこの要求に応える形で、セレナード・ディヴェルティメント・カッサシオンといったいわゆる機会音楽、すなわち式典や祝祭・祝宴を彩るための作品を、モーツァルトも残しています。ここに挙げた三つの楽曲名称に厳密な定義・区別はないようで、今回取り上げている「ディヴェルティメント 第15番 変ロ長調 K.287(271H)」にしても、「第2ロドロン・セレナード」と呼ばれることもあり、モーツァルト自身は「カッサシオン」と称しています。
同作品の成立契機は、上に挙げた二番目の名称に示されており、ザルツブルクの貴族にして大臣を務めたエルンスト・フォン・ロドロン伯爵の夫人マリア・アントニアの霊名の祝日を彩るため、彼女自身がモーツァルトに作曲を依頼したと考えられており、これから延いて、その時期は1777年6月13日の少し前と推定されています。なお、ここで「第2」と付されているのは、前年にも同種の作品「ディヴェルティメント 第10番 ヘ長調 K.247」が書かれているためです。
さて、この作品はディヴェルティメントとして分類されていますが、モーツァルト自身は「カッサシオン」として作品を発表していました。初演は、1777年の6月16日に行われ、伯爵に献呈されています。なお、「ディヴェルティメント第15番」変ロ長調 K.287 の楽器編成は、2本のホルンと弦5部(弦楽5重奏での演奏も可能)であり、「ディヴェルティメント第10番」ヘ長調 K.247 (通称《第1ロドロン・セレナード》)と同じ楽器編成を用いています。
本曲「第15番」変ロ長調 は、以下の通り6楽章からなり、第2楽章は、ドイツ民謡「さあ、早く、私はハンスだ、心配ない」の主題とそれに基づく6つの変奏曲から構成されています。編成は小さく、弦5部にホルンが2挺という変わった編成です。特殊な編成なのでモーツァルト自身はディヴェルティメントとは理解していなかったのでしょうなぁ。
このレコード解説をプロデューサーのエリック・スミスが書いています。
このウィーン八重奏団員の録音はもノーラル時代にも存在します。