レコード芸術1974年10月号 2 | geezenstacの森

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レコード芸術1974年10月号

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 10が都合の裏表紙です。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのレコードが取り上げられていますが、この号は異色でした。何しろ本編の広告ではこのレコードは帯に記載されていただけですから。当時は来日アーティストがあると必ず大きく取り上げられていましたから、キングはここで大きく取り上げたのでしょうが、8ページにもわたる本広告では小さな扱いです。

 

 

 このページの左サイドにある告知だけです。まあ、ブラスアンサンブルのレコードは当時から吹奏楽が盛んでしたから興味のあるユーザーは多かったんでしょうなぁ。それよりも限定発売の「グレゴリオ聖歌集」がメインです。限定2000部で、20枚組36,000円でした。そして、その下には12月発売のドラティの「ハイドン交響曲全集」の告知です。こちらもむ、予約のみの限定発売です。何しろ46枚+ボーナスレコード2枚の48枚組で82,800円と高価なセットでした。まあ、こんな形でしか発売されませんでしたから学生の身では買えるはずがありません。ということで、しょうせいは輸入盤で数枚ずつの分売のセットを購入したわけです。

 

 トップページはアシュケナージとパールマンのベートーヴェンのソナタでした。この当時はパールマンは引くて数多だったんですなぁ。RCAにデッカ、さらにはEMIからもレコードが出ていました。そして、これも来日記念盤となっています。

 

 

 見開き2ページを使ってMZシリーズの広告を打っています。実はこの年のレコ芸の3月号でモノラルレコードの特集が組まれています。それもあってかちょっとしたモノラルレコードのブームが来ていたのです。ここではチェリビダッケのチャイコフスキーの交響曲第5番が大きな扱いになっていますが、これは幻の指揮者のレコードが出るということで話題にもなりました。小生も所有していますが、あまりの音の悪さにがっかりしたものです。それにしても、テレフンケンにリヒターがブランデンブルク協奏曲を録音していたとは知りませんでした。

 

 

 広告の最後のページはメータとショルティで締めくくられています。ショルティはこの時、10月10日発売のマーラーの交響曲第6番で全集録音を完了しています。

 

 

 唐突に、単独でCBSソニー・のファミリークラブがこんな広告を出稿していました。元来が通販会社ですからレコード販売店とは相容れない会社ですが、通販ではなくレコード店でこののブロンズ像を販売するというのです。それもバーンスタインを広告のだしに使っています。まあ、当時は全集ブームでしたからねぇ。

 

 

 テオ・アダムもペーター・シュライヤーも「ベルリン音楽祭」に出演するということで来日記念盤としての訴求がされています。アンネローゼ・シュミットは来日してコロムビアではなくてビクターに録音していたんですなぁ。そして、マズアの第九は、世界初の4チャンネル録音版として訴求されています。ただ、発売日が11月5日の上に10月25日発売の告知が重ねられています。まだまた塩化ビニールの供給で現場は混乱していたのでしょうか?

 

 

コンドラシンのショスタコの全集が始動しています。第1弾は交響曲1、2番とオーソドックスなスタートです。

 

 

 

 

 ペーター・ルーカスグラーフも来日組です。それにしても、カール・スズケのベートーヴェンの最後のヴァィオリン協奏曲というのが気にかかります。こんな秘曲がこの時発売されていたんですなぁ。まあ、こんな曲です。

 

 

 クレーメルはこんなものまで録音しているんですなぁ。

 

 

 小沢のフィリップスへの初の録音となったのがニュー・フィルハーモニア管弦楽団との「第九」でした。この時は2枚組で4,000円で発売されています。録音はストで停電に見舞われ寒い中での録音となった曰く付きのものです。

 

 

 この月の新譜が一覧になっています。発売中の中に年末が近いということでベートーヴェンの第九の2台のピアノのためのコンティグリア兄弟のものがしらっと登場しています。ピアノ版第九の走りみたいなレコードでした。

 

 

 フィリップスからボックスもののバッハが発売されていたとは知りませんでした。

 

 

 そして、最後の告知は縦型のジャケットに変わったグロリアシリーズの200番台の新譜です。このシリーズにはイ・ムジチの1955年の最初のヴィヴァルディの「四季」が投入されていましたし、ドラティのマーキュリー時代の録音も投入されていました。

 

 ジョン・マックルーアはCBSのプロデューサーでしたが、この時タングルウッドを訪問しその音楽祭の模様をレポートしています。ここではバーンスタインに焦点が当てられていますから小澤征爾は出てきませんが、この年の10月小澤征爾はこのボストン響でDGにラヴェルの「ダフニスとクロエ」全曲を録音しています。

 

 

 バーンスタインはタングルウッドに別荘を持っていて、小澤征爾が音楽監督になっても毎シーズンこの地で過ごしていたようで、この年も若者を教えるために音楽祭に登場しています。そうそう、このバーンスタインを主人公にした「マエストロ:その音楽と愛と」という映画が今年公開されましたが、なんと12月20日からNetflixで配信されます。

 

 

 さて、最後にレコ芸は突然オノ・ヨーコをグラビアに登場させています。もともと日本の東京にルーツがありますから時々里帰りしていたんでしょうなぁ。8月のライブでのワンショットです。そもそも、オノ・ヨーコは1956年に作曲家、ピアニストの一柳慧と結婚していたんですなぁ。