午後は「あいち朝日遺跡ミュージアム」 | geezenstacの森

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あいち朝日遺跡ミュージアム

 

 愛知県清須市にあるのは清洲城だけではありません。愛知県のHPでもあまり大きく取り上げられていませんが、「あいち朝日遺跡ミュージアムで」は、「あいちウィーク」期間中の観覧料を無料で開放しています。てなことで、午後はこちらに出かけました。

 

 朝日遺跡は、弥生時代前期から古墳時代前期(紀元前6世紀~紀元後4世紀頃)まで営まれた全国でも有数の大規模集落です。この地方の生活·文化の中心として栄え、東西日本の弥生文化をつなぐ重要な役割を担っていました。その広さはこれまでの調査によって、遺跡の範囲は東西1.4km、南北0.8km に及び、遺跡の面積は80~100万㎡と推定されています。北東から南西にかけて流れる谷の南北の微高地に住居が営まれていました。居住域を取り囲むように墓域がつくられました。とくに東側と西側に、大規模な墓域が広がっています。
発掘調査では、環濠・逆茂木·乱杭からなる強固な防御施設が発見されたことをはじめ、埋納された銅鐸、玉作りの工房跡、最古のヤナ遺構など重要な発見が相次いでます。つまりは、最近でこそ佐賀県の「吉野ヶ里遺跡」がトップに輝いていますが、この朝日遺跡はそれに次ぐ規模を誇っているのです。ただ、ここは愛知県でも交通の要所ということで発掘調査の後は環状2号と国道22号線のジャンクションなどが出来て、現在はほんの一角にこの遺跡ミュージアムが残されたに過ぎません。

 

 

 上の地図の貝殻山貝塚の一角がこの博物館のあるところです。

 

ミュージアム本館

 

復元された竪穴式住居(長方形型)

 

住居内部

 

竪穴式住居(円形型)

 

中央に大きな穴とその周りに小さな穴が2つあります

 

 

高床式倉庫

 

弥生時代の壺のオブジェと体験水田

 

環濠と貝塚の断面表示

 

遺跡全体と発掘当時の写真

 

遺跡全体のジオラマ-吉野ヶ里に匹敵するスケールです

 

 

 

 

弥生時代は農耕の時代でしたが争いの時代でもありました

 

村人の生活

 

 

清洲の地名が示すように海岸線が近くにあり貝塚が築かれました

 

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 朝日遺跡は弥生時代の紀元前6世紀から紀元後3世紀の中関に渡って営まれた集落です。上のパネルはその変遷を辿っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 さて、現在このミュージアムでは「弥生農耕ことはじめ」という企画展が開催されています。佐賀県の菜畑(なばたけ)遺跡、吉野ヶ里(よしのがり)遺跡、岡山県の南溝手(みなみみぞて)遺跡、南方(みなみかた)遺跡、大阪府の郡(こおり)遺跡・倍賀(へか)遺跡、長野県の恒川(ごんが)遺跡群から出土した、石包丁、大型石包丁、鉄鎌、杵、横槌(よこづち)等の代表的な弥生時代の農具を展示します。特に石包丁等の収穫具について、各地域の代表的な資料を展示しています。

 

 

 

これらの写真はここのジオラマで再現されているものです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 個人的には来年九州旅行を考えていて、その中で丸一日使って日本最大の「吉野ヶ里遺跡」を見学してこようと考えています。今回はその予行演習という意味も込めて出かけています。なにしろ「吉野ヶ里遺跡」はリアルタイムで弥生時代を体感出ますからねぇ。

 

 

 このミュージアムの一角に「貝殻山貝塚交流館」があります。もともとはこの施設がこのミュージアム整備の拠点になっていました。ここは5m以下の低い沖積地に立地する弥生時代の貝塚を中心とした遺跡でした。貝塚は径15m程の規模のものが弧状に数ヶ所存在し、カキ、ハマグリ、シジミを主とする。貝塚周辺には弥生時代前期から後期に及ぶ遺物包含層が広がっているて、特に前期遺物として、遠賀川系土器と縄文系の条痕文土器が混在し、これら前期貝塚は、弥生文化が東海地方に定着していった実相を明らかにする遺跡として貴重な存在でした。その後の周辺の大規模な開発により、本貝塚は東海地方を代表する弥生時代の遺跡である朝日遺跡の一部であることが判明しました。そして、昭和50年(1975)、史跡の一角に愛知県清洲貝殻山貝塚資料館が開館し、出土遺物を公開してきたのが始まりです。こちらは清須市が管理しています。

 

 

 

 

この2体の人骨は本物です。

 

弥生人が食した貝殻

 

 

 

交流館のジオラマ 位置関係がよく分かります

 

 

 そうそう、このミュージアムには体験水田があり、毎年「あいちのかおり」とこの古代米2品種が栽培されています。下はこの体験水田での観察報告書です。

 

あいち朝日遺跡ミュージアムの体験水田researchmaphttps://researchmap.jp › misc › attachment_file

 

実際の貝塚層の断面

 

 今回は愛知にもこんな弥生時代の遺跡があったということを再認識できた貴重な体験でした。