ハイファイ・カラヤン
曲目/
J.S.バッハ 管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068からアリア
モーツァルト ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334から第3楽章メヌエット
ベートーヴェン 交響曲第8番ヘ長調作品93から第2楽章
ブラームス ハンガリー舞曲第5番ト短調
J.シュトラウス トリッチ・トラッチ・ポルカ作品214
チャイコフスキー バレエ音楽「くるみ割り人形」から「花のワルツ」
B面
ワーグナー 楽劇「神々の黄昏」第3幕から「ジークフリートの葬送行進曲」
マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から間奏曲
シベリウス 交響詩「フィンランディア」作品26
指揮/ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
DGG MG9901 原盤2563096
A面 ℗1967
B面 ℗1971
帯に有料宣伝盤と書かれています。当時ソニーは「音のカタログ」と称してレコード店を通さず郵送でサンプル盤を500円で半配していました。しかし、グラモフォンはレコード店を通して30センチLPを、それもカラヤンのレコードを750円で販売したのです。多分レコード店のマージンも考えてのことでしょうが、これはかなりショックングな事件でした。それも細切れでなくちゃんと曲をまるまる収録しています。もちろん限定盤でした。豪華見開きジャケットで、中にはカラヤンの簡単なバイオグラフィ-「カラヤン/これまでの歩み」と見開き2ページで、カラヤンのレコードと代表的なグラモフォン/アルヒーフのレコードをカラーで42枚づつ紹介していました。壮観な物です。最初はこの一枚だけが発売されました。翌年、ラファエル・クーペリックやカール・リヒターのものも発売されていますからよほど売れたのでしょう。
その当時、ドイツ・グラモフォンはまだ1,000円盤には参入してませんでした。ドイツ・グラモフォンというと、当時はクラシック音楽レコードの最高峰、みたいな雰囲気がありましたよね。黄色い枠で囲まれた「Deutsue Grammophon」のマーク、そしてレコードの黄色いレーベル面。レコード店や、友人の家で見たグラモフォンのレコードの数々・・・グラモフォンのレコードを持つことが高嶺の花と感じられていた頃でした。まあ、グラモフォンのレコードは高いというイメージでしたから、おいそれとは手は出せません。そんなところに750円ですからインパクトは大です。
小生、東芝のカラヤンのレコードで擬似ステを掴まされていましたから、当時はバリバリのアンチ・カラヤンでした。でもこの価格で、グラモフォンのカラヤンはステレオ録音ということは知っていましたから、その時はアンチカラヤンを封印して手を出してしまいました。 ただ、一つこのレコードが「hifi karajan」と表示されているのは納得がいきませんでした。選曲された曲目を見てもそれらしさを感じさせる選曲とはあまり思えません。それは中の開設にも伺え、この演奏のどこがハイファイなのかについての言及は全くされておらず、通り一遍の曲目解説になっています。
それらしいと言えるのはB面ラストの「フィンランディア」でしょうか。ベルリンフィルの金管の分厚い響きと冒頭の重心の低いサウンドはさすがベルリンフィルといった巧さに惹かれます。後はなんでこの曲が選ばれたの?とはてなマークがつくものばかりです。そうは言っても、このアルバムの中で小生が惹かれたのはモーツァルトのディヴェルティメント第17番のメヌエットでした。この曲は当時の地元のFM愛知の朝の方さう開始のコールサインになっていたことで親しみがあったからです。また、このカラヤンの演奏は実にチャーミングでまさに朝の寝起きの音楽にぴったりの演奏だなぁと思ったものです。で、このカラヤンのアルバム紹介の中にもモーツァルトのものがあってしょぅせいはそれらのアルバムに赤丸のチェックを入れています。
さて、タネを明かせばこの選曲、当時2枚組3000円盤のシリーズがあり、その中で「カラヤン・ポップスコンサート」というものがありました。このレコードの選曲はその中から抜粋して編集されているのが分かります。レコード番号のところにマトリックスナンバーも書きましたがA面が1967年、B面が1971年にマスターが作られています。また、両面とも最終的に原盤2563096として製造されていることがわかります。ちなみに裏ジャケットは全て横文字のデザインになっています。