音楽を楽しむ会 童話の世界 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

音楽を楽しむ会

文学と音楽「童話の世界」

 今月も豊明市で開催された「音楽を楽しむ会 童話の世界」に参加してきました。今回のプログラムは下記のようになっていました。

 

 童話の世界は最も苦手とする世界です。幼少期に親から読み聞かせをしてもらったことがなく、童話の世界も小学校の授業で学んだぐらいの記憶しかないという人生です。そんなことで今日は勉強のつもりで参加しました。

 

 

 恥ずかしい話ですが、童話作家のシャルル・ペローとグリム兄弟が150年もの時代の戸田ダリがあることさえ知りませんでしたし、その二人の間に同じ題材の作品があることさえ知りませんでした。曰く、

シンデレラ

眠れる森の美女(いばら姫)

美女と野獣

赤ずきん

がその代表だそうです。そして、このペロー版とグリム版ではストーリーの設定もかなり違うというんですなぁ。イユあ、初めてその違いを知りました。

 

 てなことで、今回は音楽よりもその童話の世界の方がメインでした。

 

 

 グリム童話の「白雪姫」はディズニーによって1937年アニメ化されましたが、日本でも、東映によってベローの「長靴をはいた猫」が1969年にアニメ化されています。同じ名前の「長靴をはいた猫」は2011年と2022年にも制作されていますが、それは全くの別物で、ドリームワークスが制作した「シュレック」のスピンアウト作品です。

 

 まあ、いってみればこの「白雪姫」はミュージカル仕立ての映画ですが、もう立派にクラシック作品といってもいいでしょう。

 

 次のエンゲルとベルク・フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」もグリム童話のオペラ版ですが、原作に比べるとかなり脚色されているようです。まあ、内容はどの時代でも時の情勢によって変更されるものですが、本筋は見誤ってはいけませんな。もともとは飢饉で食糧難になり、子供を森に捨ててくることから始まります。もともとは残酷な話なのです。

 

 まあ、このように童話の成り立ちは中世の飢餓の時代に成立したものが多く残酷さとハッピーな結末の両面を持っています。

 

 

 さて、プロコフィエフの「シンデレラ」はバレエファン以外はあまり聞く機会がないのではないでしょうか。奇しくも、先週のNHK-FMの「ミュージック・カフェという盤雲で放送されました。そこではシンデレラの第1組曲が流れたのですが奇遇ですなぁ。このシンデレラは作曲されたのが1944年ですから「白雪姫」よりは新しい作品なんですなぁ。

 

 この「シンデレラ」、ガラスの靴が有名ですが、これはペロー版のストーリーです。グリム童話版ではガラスの靴ではなく、金の靴なんですなぁ。このグリム童話版原作では舞踏会に3回出かけているんですねぇ。この3回目に金の靴が脱げてしまうんですなぁ。そして、この靴が脱げるように階段にわなを仕掛けたのも王子自身なのです。そして、金の靴にあう女性を探すのですがそこでもいろいろ事件が起きます。最終的に二人の姉は盲目になってしまうという残酷なストーリーがグリム版なのです。

 

 

 「マ・メール・ロア」は英語では「マザー・グース」といわれることはよく知られていますが、このラヴェルの作品に題材として使われたのが「眠りの森の美女」、「美女と野獣」などです。ただ、子供が演奏するにはちょっと難しいので、ラヴェルは管弦楽減り編曲版も作っいます。

 

 

 最後はベルリン・フィルの夏の風物詩、「ワルトヴューネ」でのコンサートからR.シュトラウスの「ティル・オイゲンシュピールの愉快ないたずら」が流されました。レヴァインがこのコンサートに登場していたんですなぁ。この映像は初めて視聴しました。2016年のコンサートだそうです。レヴァインも2021年に亡くなっていますからこの演奏も貴重ですな。

 

今回の楽しむ会の様子

 

 勉強になったコンサートでした。