愛と悲しみのボレロ
オリジナル・サウンドトラック
曲目/
Disc.1
1. フォリー・ベルジェール 4:08
〔歌:キャサリン・ラッセル,ジネット・ガルサン〕
2. サラのセレナーデ(インストゥルメンタル) 2:34
3. 嘆きのヴァイオリン 3:27
4. パリのドイツ人 3:30
5. 愛と哀しみのボレロ 3:05
〔歌:ニコール・クロワジール〕
6. 世紀末の香り 4:14
〔歌:ミッシェル・ルグラン.ジャッキー・ワード〕
7. ボリスとタチアナ 2:45
8. 占領下のパリ 2:14
(歌:リリアンヌ・デイヴィス)
9. ダド商会 4:55
(歌:ジャッキー・ワード〕
10. 舞踏黙示録 3:34
11. 世紀末の香り(インストゥルメンタル) 2:41
12. 愛と哀しみのボレロ(インストゥルメンタル) 1:30
13. 哀しみのパリ 2:28
14. サラのセレナーデ(インストゥルメンタル) 2:26
Disc.2
1. 愛と哀しみのボレロ 1:57
2. ボディ・アンド・ソウル・インコーポレイテッド 1:15
(語り:フランシス・ユステール.マニエル・ジェラン〕
3. ママの想い出 3:49
(歌:フランシス・レイ/リリアンヌ・デイヴィス)
4. サラのセレナーデ 4:50
(歌:ジャッキー・ワード〕
5. 占領下のパリ(インストゥルメンタル) 1:43
6. 占領下のパリ 2:32
(歌:リリアンヌ・デイヴィス)
7. 嘆きのヴァイオリン(インストゥルメンタル) 1:41
8. ダド商会 2:32
9. 愛と哀しみのボレロ 1:26
10. 世紀末の香り 2:16
11. ラヴェルのボレロ 16:27
12. 色褪せたポット 4:24
作曲/フランシス・レイ、ミシェル・ルグラン
録音/クロード・ハーミリン、ロジャー・ロシェ
バーバンク・スタジオ、デルフィーネ・スタジオ、スタジオ・ダヴォウト
リリース/1971
ワーナー・パイオニア P-6475-6W
ヌレエフ、ピアフ、グレン・ミラー、カラヤンらをモデルにモスクワ、パリ、ニューヨーク、ベルリンの4都市4家族をバレエで描くという斬新な発想から生まれたクロード・ルルーシュ監督1981年の作品のサントラです。音楽はもちろんフランシス・レイです。1966年の「男と女」でカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞しています。1960年台から70年台にかけては名作が目白押しです。そして、80年代の代表作といえるのが本作です。そこにこちらもフランスを代表するミシェル・ルグランが参加しているところでしょう。レイとルグランと言えば同じフランスではあるものの、作風が極端に違う作曲家同士。ルグランの品ある洒落っけとレイのゆったりとした、サウンドとがぶつからず絶妙なバランスでリンクしています。
この映画、原題はフランス語で「 Les Uns et les Autres」で、googleで翻訳すると「片方ともう片方」ですが、作品に即して意訳すると「入口と出口」ってとこでしょうか。。60年代から70年代は洋画のタイトルは、配給会社が客が客入りそうなものに改変されている事が多いのが当たり前でした。この作品も、その一本で「愛と悲しみのボレロ」は言い得て妙です。確かにラストのコンサートでのボレロは全てが収束する2世代4家族が一堂に会する無クライマックスで流れます。いいタイトルです。
入口はおそらく各音楽家の生誕から第二次大戦まで、出口は現在。別の国でそれぞれ活動した音楽家がたまたま同じコンサートに集結し、そこでボレロが演奏されるという設定です。
ソ連のバレリーナの少女タチアナとバレエの選考委員ボリス・イトビッチの二人の間に生まれる子供は、のちにソ連の世界的ダンサーとなります。そのヌレエフの役を今は鬼籍に入ってしまった名バレエダンサー、ジョルジュ・ドンが演じています。ラストシーンでのボレロの踊りは、歴史に残る名シーンです。最近のサントラはそのバレエシーンがジャケットに使われています。ラストシーンのパリ・トロカデロ広場で開催されるコンサートは超圧巻です。それまで複雑に絡み合ってきた登場人物たちが、全員、オンタイム、さまざまな形でコンサートを観劇するのです。
このジョルジュ・ドンの踊りは「モダンバレエ」ですが、母親役のクラシックバレエダンサー・タチアナが戦場への慰問で踊るのは切なくも美しい「民族舞踏」です。さらにはパリ解放に立ち会うジャックグレンのビッグバンドサウンドに載せて踊る、パリの人々の歓喜のダンス。クラシックからモダンバレエ、フォークロア、ジャズダンス、そして市井の人々のダンスまで、踊りのの要素もふんだんに楽しめる映画だと思います。