天地創造 | geezenstacの森

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天 地 創 造 

 THE BIBLE.... in the beginning

 

 最近古書店巡りをしていて、映画のパンフレットを見つけました。こういう映画のパンフレットって日本だけのものでしょうかねぇ。この「天地創造」は上の日本語表記が表で、英語表記が裏面になります。この作品についてはこのブログの初期に一度取り上げています。

 

 

 とにかく映画としては3時間を超える大作で、映画の途中でインターミッション(休憩)が入るという作品でした。この作品は当時ブームだったシネラマで上映されたのですが、「アラビアのロレンス」も途中で休憩が入る大作でした。この映画は70ミリではありません。どういうわけか65ミリで撮影されています。特殊な65mmカメラで撮影され、3chトラックから差分で抽出された5chの疑似サラウンド音声を伴い、特別なレンズを映写機に取り付け150度の角度で巨大な湾曲スクリーンに映写する「ディメンション150」方式で上映されています。パンフレットの左上に記載されています。カラーのことを総天然色という表記はいかにも時代を感じさせます。

 

 

 『旧約聖書』の“創世記”のうち、1章「天地創造」から22章「イサクの燔祭」までの中から主要な7つのエピソードを描いているということではオムニバスの要素が多大にあります。でも、どちらかというと欧米では派手派手しいポスターではなく地味なポスターが作られました。日本では通常の映画と変わらないド派手なデザインのポスターが制作されています。

 

ヨーロッパのポスター

 

日本のポスター

 

 当時、このパンフレットは普通のパンフレットと違い旧約聖書の言葉を抜粋したキャプションが羅列されていました。子供心にあまり楽しいものではなかったので買わなかった記憶があります。それはこんな調子です。

 

 

 まあ、こうして世界は完成し、最後にアダムとイブが誕生するわけですが、考えてみるとこの神話の舞台は今最も注目されている中東なんですなぁ。この狭い地域に、キリスト教、ユダヤ教、そしてイスラム教といういずれも排他的な一神教が誕生してしまったのですから今に至るまで大変な世界になってしまったわけです。

 

 さて、キリスト教の物語りではありますがなぜ日本で話題になったかと言えば、この映画の音楽を黛敏朗が書いていたからです。葉の顛末は前の記事で書いていますが、それ以外にもニーノ・ロータも関わっていて、彼の作曲した作品は他の作品に転用されているとかWikipediaには書かれていますが、その作品は明らかにされていませんから?マークが付きます。その黛敏朗のテーマ曲が下になります。

 

 今のジョン・ウィリアムズのようにもう少し大オーケストラ用に仕上がっていたらもっと知られた作品になっていたでしょうなぁ。

 

 

 さて、この映画の一番の見どころはやはり「ノアの方舟」でしょう。この「ノアの箱舟」は撮影用途に合わせて、大小5隻の舟が建造されています。その総費用は当時で100万ドルでした。最大のものは長さ152.5m、幅25.5m、高さ15.2mで、聖書の現寸通りに建造されています。また、洪水のシーンも45分間で約400万ドルが投入されています。まあ、普通の映画1本分ですわな。さらに、バベルの塔は高さ121mで、40万ドルをかけて建設されました。

 

 まあ、特撮ではない実写での映画でしたからとてつもない規模の映画であったことがわかります。