ナクソス最初の
ベートーヴェン交響曲全集
曲目/
演奏者/
交響曲第5番 ハ短調「運命」 Op. 67
Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
Symphony No. 2 in D Major, Op. 36
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
交響曲第3番 変ホ長調「英雄」 Op. 55
Symphony No. 3 in E-Flat Major, Op. 55, "Eroica"
ブラティスラヴァCSR交響楽団 - CSR Symphony Orchestra, Bratislava
ミヒャエル・ハラース - Michael Halász (指揮)
録音: 2-6 March 1988, Concert Hall, Czechoslovak Radio, Bratislava
交響曲第8番 ヘ長調 Op. 93
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, リジンスキー・コンサート・ホール Zagreb
交響曲第6番 ヘ長調「田園」 Op. 68
Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, "Pastoral"
ブラティスラヴァCSR交響楽団 - CSR Symphony Orchestra, Bratislava
ミヒャエル・ハラース - Michael Halász (指揮)
録音: 2-6 March 1988, Concert Hall, Czechoslovak Radio, Bratislava
交響曲第1番 ハ長調 Op. 21
Symphony No. 1 in C Major, Op. 21
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
交響曲第4番 変ロ長調 Op. 60
Symphony No. 4 in B-Flat Major, Op. 60
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
交響曲第9番 ニ短調「合唱付き」 Op. 125
Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, "Choral"
作詞 : フリードリヒ・フォン・シラー - Friedrich von Schiller
ガブリエレ・レヒナー - Gabriele Lechner (ソプラノ)
ダイアン・エリアス - Diane Elias (コントラルト)
ミヒャエル・パプスト - Michael Pabst (テノール)
ロベルト・ホルツァー - Robert Holzer (バス・バリトン)
ザグレブ・フィルハーモニー合唱団 - Zagreb Philharmonic Chorus
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団 - Zagreb Philharmonic Orchestra
リヒャルト・エトリンガー - Richard Edlinger (指揮)
録音: September 1988, Zagreb
P:Teije van Geest
Amadis 7501
ナクソスのカタログからはすつかり消えてしまいましたが、このボックスセットに収められているベートーヴェンの交響曲が当初のカタログを埋めています。下は手元に残る1997年のニクソス利カタログですが、この年にはまだ大半のアルバムがカタログに生きています。
この翌年にはドラホシュ/エステルハージ・シンフォニアの全曲録音が登場しますからNHN internayionaの系列のこのAdmsdisに発売が移行されます。ちなみにナクソスのカタログにベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が登場したのは1987年で、まだこの時は「Pacific Music」と名乗っていました。それも、西ドイツの「Germidas」から原盤の供給を受けていました。したがそのそしのバックインレイです。
演奏はコシュラー/スロヴァキアフィルを発売していました。CDの製造はオーストラリアであることが分かります。そして、1988年には自社録音に切り替えてこの全集にも含まれているミヒャエル・ハラス/ブラティスラヴァ・チェコ放送(CSR)交響楽団が発売されています。
面白いことに、この録音は1997年のカタログからは消えていて、代わりにラハバリ/ブリュッセル放送交響楽団が掲載されています。この演奏が多分出来が良くなかったんでしょうなぁ。特に3番が性急な演奏で第1楽章の提示部の繰り返しは省略されているわ、コーダの扱いについても従来のトランペット補強型で押し切っています。第2楽章も同じで、同様な処理で全体に快速特急のような速さで突き抜けています。この傾向は「田園無でも言えることで、こちらも提示部の繰り返しは省略しています。ということではタイプとしては1960年台の指揮者と言えるのでしょうかねぇ。
それに比べると、リチャード・エドリンガー/ザグレブ・フィルの演奏はテンポ感といい音楽の作りといい真っ当な演奏になっています。そんなこともあり、名曲路線のシューベルトの「未完成」とカップリングされたCDは翌年のカタログにもちゃんと残っています。ということではナクソスのアルバムにもAmadisのアルバムにも演奏が刻まれているということになります。久しぶりに引っ張り出して全曲を聴きましたが不満の残るのは第7番ぐらいで、あとはそこそこ聴ける演奏を展開しています。第九なんか現代タイプの演奏ながら2020年のパブロ・カサドタイプのような刺激的な演奏で痛く気に入りました。ただ、合唱のレベルは全然ダメです。総じて水準以上の演奏ですが、この当時時代的にピリオド楽器が台頭していましたから、もう彼の出番は無くなっていました。下の5番もなかなかの演奏です。こちらはちゃんと提示部の繰り返しをおこなっています。