The Music Of Brazil
曲目/
1. Brazil (Aquarela Do Brasil)
2. Delicado
3. Tu Sabes
4. Ba-Tu-Ca-Da
5. Amorada (Brasileirinho)
5. The Bandit (Theme From "O Cangaceiro"
6. Baia
7. Tico-Tico
8. Little Dreamer (Tutu Maramba)
9. Maxixe (Dengoza)
10. Atrevido (Bem Te Vi Atrevido)
11. The Minute Samba
指揮/パーシィ・フェイス
演奏/パーシィ・フェイス・オーケストラ
録音/1962
P:アーヴィン・タウンゼント
英CBS SBPG 62097
これだけ暑いとクラシックでは重たいなぁと感じ、最近ちょくちょくイージー・リスニングを取り上げていますが、これぐらいの音楽の方がちょうどいい気がします。かといって、イージー・リスニングは新譜があるわけではないので、勢い昔のアルバムを引っ張り出すことになります。パーシー・フェイスというとどうしても「夏の日の恋」ということになりますが、小生の中ではあれはちょっと甘ったるすぎて、1970代中頃、NHKFMの「軽音楽アルバム」という番組のテーマソングとして使われていた「ティコ・ティコ」という曲が一番印象に残っています。その曲が含まれているのがこの「The Music Of Brazil」というアルバムなのです。もっとも本国ではこのアルバムにも含まれている「デリカード」という曲が全米ヒットチャート1位を記録しています。それは1952年のことです。まだ、モノラルの時代ですな。
で、下がこのアルバムに収録されているバージョンです。
サンバ・リズムが強く出ており、パーカッションも大迫力!!、多分当時としてはちょっとぶっ飛んでいたアレンジではないでしょうか。チェンバロがいい味を出しています。「デリカード」で初めてチャートのトップに立ってから10年後、その間メキシコに数回旅行したパーシー フェイスは、この感動的なコレクションを携えてブラジルに戻り、生き生きとしたステレオで「デリカード」を再録音したのです 。
しかし、彼はザビエル・クガの1943年のヒット曲「ブラジル(アクアレラ・ド・ブラジル)」でコレクションのオープニングを飾りましたが、それは彼のアプローチをよく示しています。 このアルバムは、スタン・ゲッツとチャーリー・バードのチャートトップを獲得した『ジャズ・サンバ』に続いてリリースされたにもかかわらず、新しいサンバのブームに対応したアルバムではなく、マーケティングの意味でその傾向を利用したものでした。
そして、1942年に公開されたディズニー映画『サルドス ・アミーゴス』の中で使われていたのがこの「ティコティコ」なのです。これは、ディズニー長編アニメーション映画第6作で、戦時にかけて公開されたオムニバス形式のシリーズ6作品の第一弾でした。数ある長編映画の中でも異色作でで原題の「サルドス・アミーゴス」は「ハロー、フレンズ!」を意味するポルトガル語です。ラテンのビートが弦楽器やホーンに異常な活力を与え、他の楽器(特に「アモラーダ(ブラジレイリーニョ)」のフリーフィンガーギター)が興奮を加えたため、その結果はしばしばスリリングなものでした。 イージーリスニング音楽というよりはこれはまさにクガートの伝統に基づくネオ・スウィングともいえます。
まあ、楽しいアルバムです。