レーベルで聴くジャズ名盤1374 | geezenstacの森

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レーベルで聴くジャズ名盤1374
 


著者:小川隆夫
出版:シンコーミュージック・エンタテインメント

 

 

 ジャズ主要42レーベルの魅力をビギナー向けとマスター向けの視点でプロフィール解説及び1,374枚ものアルバム紹介で徹底解明!!ジャズを知り尽くした音楽ジャーナリスト小川隆夫が、いまはなきジャズ雑誌『スイングジャーナル』に連載していた「ジャズ名盤講座」に大幅な加筆をしてまとめた一冊。---データベース---

 

 各レーベルを、「ビギナー向け」「マスター向け」のふたつの視点で解説することにより(例外あり)、入門者から上級者までが楽しめて、わかりやすい内容になっている。1,374枚におよぶアルバムも基本的に「ビギナー向け」「マスター向け」に分けて紹介されています。。同時に「大名盤」「名盤」「裏名盤」「推奨盤」「人気盤」「稀少盤」に分類したことで、ディスク・ガイドとしても使いやすいものになっています。さらには、紹介各レーベルの「ベスト10」を集めたSpotifyプレイリスト71本(全710曲)のQRコードも掲載されていて、今時のリスニーに対する配慮も伺えます。すべてのジャズ・ファン必携の一冊と言えるでしょう。

 

掲載レーベル

01 A&M & CTI

02 Argo & Cadet

03 Atlantic

04 Bethlehem

05 Blue Note (Part 1) Blue Note (Part 2) Blue Note (Part 3)

06 Candid

07 Capitol

08 Columbia & Epic (Part 1) Columbia & Epic (Part 2)

09 Concord

10 Contemporary

11 Decca

12 ECM

13 EmArcy

14 Enja

15 Fantasy

16 Fontana

17 Impulse

18 Limelight

19 Milestone

20 Muse

21 Pablo

22 Pacific Jazz

23 Philips

24 Prestige (Part 1) Prestige (Part 2)

25 RCA

26 Riverside (Part 1) Riverside (Part 2)

27 Roost

28 Roulette

29 SABA, MPS & BASF

30 Savoy

31 Solid State

32 Steeple Chase

33 United Artists

34 Vee-Jay

35 Verve (Part 1) Verve (Part 2) Verve (Part 3)

36 Warner Bros.

37 Xanadu

 

トップはA&M、CTIです。

 

 

 A&Mといえば一般にはカーペンターズやハーブ・アルパートとティファナブラス、セルジオ・メンデスとブラジル66などのアーティストがいますが、こういうレコートも発売していました。まだ、CTIがレーベルとして独立する以前の名盤ですなぁ。アントニオ・カルロス・ジョビンの「波」やウェス・モンゴメリーの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」なんかはA&Mからの発売だったんですなぁ。レーベルタイトルの右上にはQRコードが掲載されています。

 

 

 CTIはプロデューサーのクリード・テイラーが始めたレーベルで、クラシックとジャズのクロスオーバーで一大ブームを巻き起こしました。このレーベルはクラシックからジャズへ音楽の楽しみを広げてくれたレーベルでした。今は原盤が買い取られていますがボブ・ジェームスもこのレーベルから大ブレークしました。ヒューバート・ローズ、ミルト・ジャクソン、アイアート、デオダート、ラロ・シフリンなど名盤が目白押しでした。

 

 

 アトランティックはMJQのアルバムやハービーマンのアルバムで親しんだものです。

 

 

 ジャズの勇といえばこのブルー・ノートでしょう。メインストリートのアーティストの名盤が目白押しです。

 

 ビギーナー用とマスター用にそれぞれの名盤がセレクトされています。このレーベルはパート3までラインナップされています。

 

 

 コンテンポラリーもレコード時代廉価盤で知ったレーベルです。シェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」、アンドレ・プレヴィンの「ウェスト・サイド・ストーリー」などを聴いたものです。

 

 

 エマーシィはクリフォード・ブラウンのレコードを揃えました。これも廉価盤でした。

 

 

 フォンタナはフィリップスの廉価レーベルでしたが、クラシックだけでなくジャズも出していました。マイルス・デイヴィスの「死刑台のエレベーター」なんかはこのレーベルでの発売でした。

 

 

 MPSは196年代はコロムビアから発売されていましたが、70年代になってテイチクに移動しました。その時オスカー・ピーターソンのアルバムが廉価盤でまとめて発売されたので、一気に自分の中ではメジャーになりました。

 

 

 オイゲン・キケロはクロス・オーバーの走りみたいな人で、クラシックとジャズの融合で頑張っていました。オスカー・ピーターソンの「ガール・トーク」は聴き込んだものです。

 

 

 ヴァーヴはCTIを起こす前、クリード・テイラーが腕をふるっていたことがあります。そんなことでアーティストはCTIとだぶりますが名盤が揃っています。

 

 

 ワーナー・ブラザーズは映画会社のレーベルですが柔軟なポリシーで全方位的に巨大化し、今ではポリグラム、ソニーに並ぶ巨大レーベルになっています。そんな中でジャズもフランク・シナトラを獲得したことで存在感あるアルバムを次々とヒット作を出していきます。

 

 まあ、この本はジャズコレクションのぽいロット的な位置付けとも受け取れ、それとともに各レーベルのレーヘル志にも触れることができる力作です。長く座右の書として手元に置いていきたいものです。この本の特徴を開設した映像がYouTubeに上がっていましたので貼り付けておきます。参考にして見てください。