オーケストラ名曲集4 世界の名曲
An introduction to The greatest Music in the World
曲目/
英PHILIPS 6747 071
イギリスのフィリップスが発売した名曲集です。モネの「ひなげし」を大胆にあしらったデザインで、裏ジャケットにはこの絵の左半分が描かれています。ジャケットに収めるために空は一部がカットされてはいます。モネは、1871年から1878年にかけてアルジャントゥイユに住んでいて、この絵は1973年に書かれていますから、「アルジャントゥイユのひなげし」とも呼ばれている作品です。小生はこの作品、このジャケットで初めて知りました。画面の左側奥にも、同じような母親と子どもが描かれていますが、この母子は、女性がまとっているドレスの色合いが異なっている点や、子どもの帽子にリボンがない点などから、手前の母子とは別の母子であるとする考えがある一方で、カミーユとジャンが画面の奥から手前に向かって歩いてきたことを表現するために、異時同図法を用いて、異なる瞬間の同じ母子を描いているとする考えもあるようです。もちろん描かれているのは彼の奥村と子供です。
さて、このレコード1枚目の冒頭はロベルト・ベンツィ/ラムルー管弦楽団の演奏でロッシーニの序曲が2曲収録されています。個人的に昔から名前はよく見聞きしていましたが実際の彼の演奏を初めて聴いたのはこのレコードが初めてでした。「ウィリアム・テル」はそつのない指揮ぶりです。
「セヴィリアの理髪師」は先にも取り上げていますが、ステレオの音源が見つかりましたので再度貼り付けます。まあ、神童も大人になればただの人という見本でしょう。
「舞踏へのお誘い」を指揮するロベルト・ハネルは全く未知の指揮者でした。チェコ生まれの指揮車検作曲家でここではベルリン放送管弦楽団を指揮しています。もともとこの原盤は東独のシャルプラッテンのもので当時はフィリップスが西側の発売窓口になっていた関係でこのアルバムに収められているようです。そのシャルプラッテンにはこういったライトクラシックのアルバムを何点か録音しています。このアルバムでは他にポンキェルリの「時の踊り」を指揮しています。
スッペの「軽騎兵序曲」はマーキュリー原盤のポール・パレー/デトロイト響の音源が収録されています。これ、むちゃくちゃいい音がしてびっくりしました。
シャブリエの「狂詩曲スペイン」はマルケヴィチ/スペイン放送交響楽団の演奏です。この演奏は中学時代の音楽室にレコードがあり、音楽の時間に聞いた記憶があります。その時代にカルメンやアルルの女も聴いていますからマルケヴィチが一番活躍していた時代なんでしょう。
このアルバムではチャールズ・マッケラスが「ラデツキー行進曲」を演奏していますが、こんな録音があるとは知りませんでした。
とらティガ参戦しているのはリストのハンガリー狂詩曲第4番です。ドラティはマーキュリーに1-6番を録音していますが、なぜこの曲なんでしょうなぁ。このアルバムの中で一番解せない選曲でした。まあ、ツィンバロンの音色も聞けますし、何らドラティですからちゃんと職人としての仕事は果たしています。
サヴァリッシュ/ウィーン響の演奏では「南国のバラ」がチョイスされています。サヴァリッシュはウィンナ・ワルツをこの時代しかまとめて録音していませんから貴重な音源です。ただ、ちょっと録音が古くなってしまいました。
最後の面にはオッテルローとアンチェルノ演奏が収録されていますが、メインはオッテルローです。ただ、そのオッテルロー、常任だったハーグフィルの音源はあまり残っていません。ここでははャクエンのウィーン響との「はげ山の一夜」をピックアップします。珍しい組み合わせですが、とりたてて特色がないのが残念です。
このアルバムの最後はアンチェル/ウィーン響のドヴォルザークのスラヴ舞曲の第3番です。ここでは第3番しか収録されていませんが、レコードとしては第1集として8曲が録音されています。誇示的にはこのスラヴ舞曲は第1番のフリアントが一番好きです。ここではポルカの第3番でちょっと華やかさに欠けます。下の音源でははその第1章がフルで演奏されています。
アンチェルノスラヴ舞曲の第2集は翌年の録音がターラから発売されています。ただ、こちらはライヴ録音でモノラルです。