ロジェストヴェンスキー ブルックナー交響曲第9番 | geezenstacの森

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ロジェストヴェンスキー

ブルックナー交響曲第9番

 

曲目/

ブルックナー交響曲第9番ニ短調

1. Feierlich - Misterioso 24:18

2. Scherzo: Bewegt - Lebhaft 11:53

3. Adagio, Langsam, feierlich 22:53

 

指揮/ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー

演奏/モスクワ放送交響楽団

録音/1970/05 モスクワ放送大ホール

 

ビクター VIC-5009(原盤メロディア)

 

 

 ブルックナーの交響曲第9番を初めて聞いたのは修理人でした。この老境に入ったブルックナーの境地を極めて素直な形で表現していて感動したものです。当時はブルックナーはとマーラーはがいて、お互いにつばぜり合いをしていたような時代でした。自分はどうもマーラーを受け入れにくいところがあって、その反動でブルックナーを中心に聞いていた節があります。

ところが、このロジェストヴェンスキーのブルックナーは、まるでマーラーのような響きをさせる演奏でとてもびっくりした覚えがあります。ブルックナーの金環は、どちらかと言うと、原始雲と言うような表現でされるように、全体のバランスの中ではやや曇ったような音で奏でられるのが理想です。それにもかかわらず、ロジェストヴェンスキーは、チャイコフスキーやショスタコービッチのように、金環をバリバリと鳴らしているのです。まぁそういうところが移植のブルックナーと言う表現で表される所以なんでしょう。

 

 さて、レコード時代、MELODIYAはブルックナーに対して極端に冷淡でした。1981年時点で発売したLPは僅か4種のみ。交響曲3/8/9番とテ・デウムの4枚のみでした。そして、8番はムラヴィンスキーのモノラルで、3/9番はロジェストヴェンスキーだったのです。つまりこれはMELODIYA唯一のブルックナー9番のLPだったのです。その後、ロジェストヴェンスキーは1983-8年にソヴィエト国立文化省o.と全曲録音を行っていますが、手兵だったモスクワ放送交響楽団とは5番を録音しただけです。

 

 まあ、第一楽章から聴いてみてください。

 

 

 

 

 

 

 ところで、先にあげたソヴィエト国立文化省oとの演奏では4楽章が付け加えられた改訂版で演奏されています。これは当時としては最新の1983年にニコラ・サマーレとジュゼッペ・マッツーカが補筆完成した版を使用して録音されています。

 

 ところでジャケットを見てもわかりますが、レコード時代は当時提携していたビクターから発売されています。ところがCD時代になるとメロディアが崩壊して事実上活動停止したために原盤はあちこちに切り売りされ、CDは日本コロムビアから発売されました。面白いものです。