デイブ・グルーシン/オーケストラ・アルバム | geezenstacの森

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デイブ・グルーシン

オーケストラ・アルバム

 

曲目/

1.Cuba Libre ("Se Fue")    3:29

 Concertmaster – Gerald Vinci

 Conductor – Dave Grusin

 Orchestrated By – Greg MacRitchie*

Trumpet – Arturo Sandoval

サンタ・クララ組曲   

2.Vayase    1:26

 Flute – Dave Valentin

 Guitar – Lee Ritenour

3.Milicia Y Refugios    1:45

 Trumpet – Arturo Sandoval

4.Fuego Peligroso    0:59

5.Epilogue    0:52

スリー・カウボーイ・ソングス   

6.Git Along, Little Dogies    4:35

7.The Colorado Trail    5:02

8.Cripple Creek Breakdown    4:59

9.Medley: Bess You Is My Woman / I Loves You Porgy    5:48

 Arrange & Piano – Dave Grusin

 Concertmaster – David Nadien

 Conductor – Ettore Strata*

奇跡の地(ミラグロ)組曲    

10.Lupita    1:08

11.Coyote Angel    3:29

12.Pistolero    1:47

13.Milagro    2:35

14.Fiesta    2:14

15.The Heart Is A Lonely Hunter/「愛すれど心寂しく」    4:42

 Concertmaster – Ashley Arbuckle

 Conductor – Harry Rabinowitz

 Orchestra – The London Symphony Orchestra

 Piano – Dave Grusin

16.Summer Sketches/「サマー・スケッチ」    12:32

 Bass – Anthony Jackson

 Conductor – Dave Grusin

 Drums – Steve Gadd

 Ensemble – The NHK Strings, The Tokyo Brass Ensemble

 Guitar – Eric Gale, Lee Ritenour

 Keyboards – Dave Grusin, Don Grusin

 Percussion – Rubens Bassini

 Soprano Saxophone – George Young 

 Trumpet – Tiger Okoshi

17.Condor (From Three Days Of The Condor)/「コンドル」    4:42

 Bass – Abraham Laboriel

 Concertmaster – Ashley Arbuckle

 Conductor – Dave Grusin

 Cymbal, Percussion – Emil Richards

 Drums – Harvey Mason

 Electric Piano – Dave Grusin

 Guitar – Lee Ritenour

 Orchestra – The London Symphony Orchestra

 Percussion – Mike Fisher*

 Soprano Saxophone – Tom Scott

 Synthesizer – Don Grusin

 Tenor Saxophone – Ernie Watts

 Trombone – Charley Loper*

 Trumpet – Chuck Findley

18.On Golden Pond/「黄昏」メインテーマ    3:35

 Concertmaster – Ashley Arbuckle

 Conductor – Harry Rabinowitz

 Orchestra – The London Symphony Orchestra

 Piano – Dave Grusin

 

Acoustic Guitar, Electric Guitar – Lee Ritenour (曲: 6, 7, 8)

Bass – Abraham Laboriel (曲: 10 to 14), John Patitucci (曲: 6, 7, 8)

Concertmaster – Gerald Vinci (曲: 2 to 5, 10 to 14), Stuart Shaman (曲: 6, 7, 8)

Conductor – Dave Grusin (曲: 2 to 8, 10 to 14)

Drums – Harvey Mason (曲: 6, 7, 8, 10 to 14)

Keyboards – Dave Grusin (曲: 10 to 14)

Percussion – Larry Bunker (曲: 6, 7, 8), Mike Fisher* (曲: 10 to 14)

Piano – Dave Grusin (曲: 6, 7, 8)

 

P:デイブ・グルーシン、ラリー・ローゼン

E:ドン・マーリィ

 

GRP – MVCR-199

 

 

 このアルバムは1994年に発売された物ですが、コンピューレーションアルバムになっています。本来はポップス系のアーティストで、初期のアンディ・ウィリアムズ・ショーの音楽監督なんかをしていました。ただ、一般に知られたのはサイモンとガーファンクルの歌でヒットした「卒業」という映画で歌以外の音楽を担当したのがこの・デイブ・グルーシンでした。ですから、この映画ではS&Gとともにグルーシンもグラミー賞を受賞しています。個人的には映画音楽の作曲家という認識でいたのですが、1972年に「GRP」というレーベルを立ち上げるとジャズ・フュージョンにも活動の幅を広げていました。

 

 まあ、このアルバムはそんなシーンも含めた彼の活動の中でオーケストラアレンジ物だけをピックアップしているということで、感覚的には映画音楽と共にフュージョンの響きが感じられますから、一応ジャズ・フュージョンの括りで取り上げることにしました。

 

 第1曲の「Cuba Libre ("Se Fue")」も映画音楽で、1991年の「ハバナ」という作品のナンバーです。邦題は「あの人は行ってしまった」というタイトルなのでストリングスが物悲しい旋律でメロディ・ラインを奏でます。

 

 

 音楽としては2-5の「サンタ・クララ組曲 」も映画「ハバナ」の中で使われている曲です。ここでフルートを吹いているデイブ・バレンタインもリー・リトナーも基本スタジオ・ミュージシャンでしたが、このGRPレーベルからソロデビューしています。ヒューバート・ローズなんかはクラシック色が強いですが、このバレンタインはラテン的な明るさがあります。リー・リトナーは一足早くリーダー・アルバムを発表していますが、このGRPにも80年代から90年代にかけて数々のアルバムを発表しています。

 

 「スリー・カウボーイ・ソングス」は以前ダイレクト・カット・レコードの「シェフィールド・ラボ」から録音が出ていましたが、CDに収録するためにストリングスセクションを加えて新たに録音された物です。

 

 

 

 

 ガーシュインの作品は彼の「ガーシュイン・コネクション」からチョイスした物です。この「Bess You Is My Woman / I Loves You Porgy」では、ピアノとストリングスだけというシンプルなトラックですが、エットーレ・ストラッタの指揮するストリングス演奏はデイヴのピアノにぴったり寄り添う様なチャーミングな演奏でうっとりしてしまいます。ストラッタはクラシックからポピュラーまで守備範囲の広いイタリアの指揮者です。

 

 

 この後も映画音楽の「ミラグロ」、「愛すれどこころさびしく」などが続きます。異色なのは「サマー・スケッチ」でこの曲だけはライブ音源が収録されています。それも1982年7月7日の東京・武道館で行われたコンサートの音源なのです。このコンサートのためにグルーシンが書き下ろした作品で、ストリングスはNHK交響楽団のストリングスが酸化しています。そして、トランペットにはタイガー大越の名前も見えます。このアルバム、グラミー賞のインストルメンタル編曲部門賞を受賞しているのです。

 

 

 最後も映画音楽で、ロバート・レッドフォード主演の1975年の作品「コンドル」テーマと日本だけのボーナストラック「黄昏」のテーマが収録されています。ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘップバーンという名優が人生の黄昏を見事に演じていました。日本盤はこのボーナストラックがあることでアルバムとしてまとまりがありますねぇ。