ポール・モーリア/華麗なるラヴ・サウンズ | geezenstacの森

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ポール・モーリア/華麗なるラヴ・サウンズ

Pobre Diablo

 

曲目/

A面

1.悲しい悪魔 = Pobre Diablo    3:01

2.いとしのベイビー・ブルー = Jolie Baby Blue    2:47

3.ポール・モーリアのアダージョ = Il N'y A Pas De Fumee Sans Feu    2:22

4.去り行く君 = Vado Via    3:01

5.愛の歌は永遠に = Amore Grande Amore Libero    2:55

6.いとしのソニア = Sonia    2:25

7.輝やける瞳 = Une Fille Aux Yeux Claires    2:54

B面

1. 恋はメロディ = Laisse Aller La Musique    2:13

2.サムデイ・サムウェア = Someday, Somewhere    2:34

3.夜のかたらい = Viens Ce Soir    3:43

4.小鳥のように (あなたはわがまま) = Fais Comme L'oiseau "Você Abusou"    2:56

5.可愛いラヴ・バード = Petit Oiseau Mécanique    2:42

6.涙もなく = Rien Qu'une Larme    2:36

7.想い出のランデ・ブー = Rendez-Vous Au Lavandou    2:44 

 

演奏/ポール・モーリア・グランド・オーケストラ

 

発売/1981

PHILIPS 25PP-5

 

 

 このアルバムはポール・モーリア56枚目のオリジナル・アルバムで、1981年3月に発売されています。もうこの頃にはイージー・リスニングのブームは下降気味になっていました。実際、本来のこのアルバムのタイトルは「悲しい悪魔 = Pobre Diablo」なんですが、安直な「/華麗なるラヴ・サウンズ」で誤魔化しています。元は1978年のフリオ・イグレシアスのヒット曲です。1980年の来日公演ではコンサートで由紀さおりさんが登場してこの曲と二人の天使を歌っていました。下がその映像です。神奈川県県民ホールで行われたコンサートで、NHKが放送しました。

 

 

 このレコードの解説は宮本啓氏が書いていますが、なかなか興味深いことが書いてあります。ポール・モーリアのファンクラブの間では「ポール・モーリア読本」なる神本が存在するのですが、これは日本フォノグラムが1980年にヘナ三下非売品です。その中で、この本の編纂当時までにポール・モーリアは実に712曲を録音していたということです。ポール・モーリアがオーケストラを結成したのは1965年で、初録音は1966年で約15年でこの数字に達していたということです。このレコード発売時には「シャレードの休日」とこのレコードの1曲目の「悲しい悪魔」をプラスして724曲を録音していることになります。つまり、このアルバムには「悲しい悪魔」以外は既発売の音源を収録しているということになります。まあ、そういうこともあり、このアルバムはあまりファンの中でも注目されていないというものです。

 

 さて、この724曲どれだけ凄い数字かというと、年平均で48.3曲、つまりほぼ毎週1曲録音をとていたということになります。1980年3月に世をさったマントヴァーにニは1940年から1980年の40年間活動していましたが、最後の5年間はアルバムを発売していませんから正味35年間で、英デッカに録音した曲は767曲です。つまり、ポールモーリアはマントヴァーニの数字に半分以下の15年で追いつこうとしていたのです。

 

 このアルバムに収録されている曲は1970年代前半の既存のアルバムからの選曲です。その中で録音的に優秀であ合ったのが「夜のかたらい」という曲で、アルバムとしては1974年の28作目の「パピヨン〜追憶〜メロディ・レディ/ポール・モーリア」に収録されている曲ですが、のちに「45R.P.M.オーディオ・チェックシリーズ」に再収録されていました。

 

 

 このアルバムで一番お馴染みなのは「可愛いラブ・バード」でしょうか。26作目の「イエスタデイ・ワンス・モア」に収録されていました。

 

 

 このアルバムは最近入手したものですが、新曲が1曲ということもありほとんど聴かれた形跡のない極上の中古盤でした。イージー・リスニング・ファンとしてはまたとない掘り出し物でした。ポール・モーリアはレコードで聴くに限ります。下はこのアルバムの全曲がアップされたものです。王志仁氏がアップされたものですが、約40分のくつろぎの時を楽しんでください。