曲目/
1.de Falla: Dances from "The Three-Cornered Hat".
I. Dance of the Miller's Wife (Fandango) 7:59
II. Dance of the Neighbours (Seguidilla) 3:33
III. Dance of the Miller (Farruca) 2:36
指揮/ロリン・マゼール
演奏/ベルリン放送交響楽団
録音/1958
2.Kachaturian: Gayaneh: Excerpts from the Ballet
I. Sabre Dance 2:26
II. Aysheh's Awaking and Dance 5:10
III. Lezghinka 2:43
IV. Gayanehs Adagio 4:20
V. Gopak 2:59
3.Kachaturian: Spartacus: Excerpts from the Ballet
I. Adagio Spartacus-Phrygia 9:09
II. Variation Aegina-Bacchanalia 3:19
III. Scene and dance 3:40
IV. Dance of Gaditanae and victory of Spartacus 6:58
指揮/アラム・ハチャトゥリアン
演奏/ウィーン・フィルーモニー管弦楽団
録音/1962/03/08-11 ゾフィエンザール
P:エリック・スミス
E:ゴードン・パリー
4.Stravinsky: The Firebird. Excerpts from the Ballet
I. Introduction-The Firebird and its dance 3:24
II. Variations of the Firebird 1:16
III. The Princesses' Round 5:30
IV. Infernal dance of King Kashchel 3:56
V. Lullaby 3:26
VI. Final 3:28
指揮/ロリン・マゼール
演奏/ベルリン放送交響楽団
録音/1958
INTENSE 600237-17
なんとも摩訶不思議なCDです。これも「THE GREAT CONDUCFORS」に含まれたいる一枚なんですが、タイトル上はロリン・マゼールのものとなっています。しかし、マゼール/ウィーンフィルでハチャトゥリヤンを検索してもそんなものは出てきません。録音データで検索すると出てくるのはハチャトゥリアンの自作自演によるウィーンフィルとの録音がヒットしました。さう、このアルバムに収録されている「ガイーヌ」と「スパルタカス」はマゼールではなく、れっきとしたハチャトゥリアンの演奏だったのです。
最初にロリン・マゼールです。彼は1930年生まれですから、録音は28歳の時のものになります。彼はいわゆる神童として活躍し、識者としては7歳の時から指揮台に立っています。またバイオリニストとしても優秀で、大学時代はピッツバーグ交響楽団でバイオリンを弾いていましたまる。生まれはフランスですが、育ったのはアメリカですが、両親がハンガリー系ということもありいわゆるインターナショナルな感覚の持ち主です。
このアルバムでは最初と最後がマゼールの指揮による演奏になっています。最初に収められているファリャの「三角帽子」は、あまりラテン的な歯切れの良さは感じられません。そんなこともありあまり話題にならなかったような気がします。
さてハチャトリアンとウィーンフィルによる演奏です。
冷戦真っただ中の1960年代、ハチャトゥリアンは西側での定期的な訪問の際にいくつかの録音を行い、ウィーン・フィルとの自作録音もその際に行われました。ウィーン・フィルにとっても珍しいレパートリーに加え、指揮に作曲者本人が登場したということもあり、この録音にかける熱い思いが伝わってくる名演です。
この演奏で個人的にはレコードでも所有していますが、当時からあまり良い録音ではなかったような気がします。 デッカの響きにしてはこじんまりとしすぎていててん音の精彩に欠けます。又 ハチャトリアンとしては指揮者としてはそれほどのレベルではなく、この自作にしても全体としてこじんまりとした演奏に終始しています。 ガイーヌは一番最初にロジェストヴェンスキーの演奏で聴いてそのパンチのあるサウンドがデフォルトですからこの演奏は、ややかったるい気がします。まあ、自作自演ということで歴史的価値があるのかもしれません。ガイーヌの抜粋の中で、「バラの乙女たちの踊り」が収録されていないのは残念です。
スパルタカスももっと知られてもいいバレエ曲です。第1局のスパルタカスのアダージョなど事情的な雰囲気をたたえていてなんとも言えない哀愁が漂います。下の音源は「スパルタカス」と「ガイーヌ」が順序が逆に収録されています。
最後はまた、マゼール/ベルリン放送交響楽団による演奏で、ストラヴィンスキーの「火の鳥」が収録されています。若かりし頃のマゼールは才気活発でこの「火の鳥なんか、素晴らしく切れ味の鋭い演奏を展開しています。戦後設立されたオーケストラながら初代常任のフレッチャイにしごかれたこともあり、当初からレベルの高い演奏を披露していました。小生なんか、旧名称の「ベルリンRIAS交響楽団」の方が馴染みが深いものがあります。この録音当時はまだフリッチャイが健在でしたが、マゼールはかなりこのオケと録音を残しており、この演奏を聴くとフリッチャイ亡き後常任に収まったのは納得がいきます。
内容とジャケットは一致しないというずさんなCDですが、音源はしっかりとしていますから楽しめる内容となっています。