ワルド・デ・ロス・リオス
20世紀のモーツァルト
曲目/
アイネ・クライネ・ナハトムジーク(セレナード第13番)
1.第1楽章-アレグロ
2.第2楽章-アンダンテ
3.第3楽章-メヌエット
4.第4楽章-ロンド
5.恋とはどんなものかしら(フィガロの結婚 アリア)
6.フィガロの結婚(序曲)
7.ピアノ協奏曲第21番ハ長調-第2楽章
8.音楽の冗談-第4楽章
9.「魔笛」の主題による変奏曲
指揮/ワルド・デ・ロス・リオス
演奏/ワルド・デ・ロス・リオス・グランドオーケストラ
発売 1971
日本コロムビア HS−129-H(原盤Spainヒスパボックス)
先日捕獲したレコードです。これは日本コロムビアが発売したワル・ド・デ・ロス・リオスの3枚目のアルバムで1、972年1月に発売されたものです。初出時はタスキが金色のデザインでした。2年後に再発売されたものはグリーン色になっています。
日本初出時は日本語タイトルは「20世紀のモーツァルト、ワルド・デ・ロス・リオス、ポップ・クラシカルの世界」という長いタイトルがついていました。この1971年当時はすでにポール・モーリアやレイモン・ルフェーブル、フランク・プウルセルといったイージー・リスニングの大御所たちが大活躍をしていました。その中にあってデ・ロス・リオスはポップ・クラシカルのアルバムを発表して少々違う切り口でイージー・リスニング界では異色の存在でした。
ただ、日本での売り出し方はちょっと歪で、諸外国ではちゃんとオーケストラ名を「マニュエル・デ・ファリャ管弦楽団」と表示していたのに日本ではポール・モーリアの向こうを張って「ワルド・で・ロス・リオス・グランド・オーケストラ」と表記しています。
このアルバムでは冒頭セレナード第13番が全曲演奏されています。ポップクラシカルの世界ではこういうことは稀でした。そういう意味でも、このチャレンジは評価できます。それまでは、他のイージーリスニング・オーケストラと同じようなポッフスアルバムを出していたので、市場の中では埋もれてしまっていた感は否めません。日本で最初に発売されたアルバムは「デライラ」というタイトルのものでしたが、こんな演奏でした。トム・ジョーンズのヒット曲でしたなぁ。
クラシックの編曲には独特のセンスがあり、あまりテンポを揺らさずに弦楽のアンサンブルをメインに、かなり凝ったアレンジで独特のサウンドを作っています。
ここには収録されていませんが、モーツァルトの交響曲第40番などはイントロにギターの響きを取り入れ、これはのちにいろいろなオーケストラが真似していました。
面白いことに、このアルバムの解説は大宮真琴氏が書いています。モーツァルトということで抜擢されたのでしょうが、全くアルバムの解説にはなっていません。
指揮するワルド・デ・ロス・リオス
レコードは両面で37分強しか収録されていませんが、しばし、ポップクラシカルの世界に浸れます。