名古屋国際中学校・高等学校 Wind Orchestra第18回定期演奏会 | geezenstacの森

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名古屋国際中学校・高等学校

Wind Orchestra第18回定期演奏会

 

 クリスマスの午後は「名古屋国際中学校・高等学校 Wind Orchestra」のコンサートを楽しみました。

 

 

 この吹奏楽団の演奏を聴くのは初めてです。以前勤めていた御器所の店のすぐ近くにあったのでよく知ってはいました。野球部があり、2022年はベスト16にまで勝ち進んだ強豪校です。そんなことでブラス部があるのは当然のことでしょう。そのブラス部の今年最後の演奏会がこのコンサートでした。プログラムは以下のようになっていました。

 

 

 これとは別に、開演前にアンサンブルでのプレコンサートも行われていました。

 

 

 

上は管楽アンサンブル、下は弦楽アンサンブルです。

 

 
 今年は名古屋国際中学校開校20周年記念事業として、軽音楽部、弦楽部、バトントワーリング部も参加していました。
 
 このコンサートの司会は地元の放送局CBCの大石アナウンサーが務めていました。下の写真の左端に写っています。
 
 第1部はウインドオーケストラの演奏でスタートします。冒頭は吹奏楽では定番のヤン・ヴァンデルローストの「アルセナール」で開始です。「アルセナール」は1995年にベルギーのメヘレンを拠点とするバンドである鉄道工場吹奏楽団の創立50周年を記念して作曲され、1996年にそのメヘレンにて初演をっています。メヘレンの街が生んだ「アルセナール(ARSENAL)」ですが、曲名の意味するところは「兵器工場」です。やや物騒なタイトルのように見えますが、元々鉄道のような輸送機関は軍事的な側面を強く持っており、特に19世紀半ばから20世紀初頭にかけてのいわゆる帝国主義の時代には兵站の面で最も重要なインフラでした。
 
 世界初の鉄道は1825年にイギリスで開通したのがよく知られるところですが、ヨーロッパ大陸では1835年に開通したメヘレンとベルギーの首都ブリュッセルを結ぶ鉄道が最初の商用鉄道でした。決して大国とはいえないベルギーがフランスやドイツより先に当時の先端技術の粋である鉄道を開通させたとは意外な感じがします。

 

 

 つづいて、「レ・ミゼラブル」、「ディズニーメドレー」が演奏されましたが、既存の吹奏楽団用の編曲による演奏でした。しかし、第1部の終わりにはエルガーの「威風堂々第1番」が演奏されましたが、ここでは弦楽アンサンブルのメンバーも舞台上に登場し、フルオーケストラの形ちで演奏されました。ステージの左の空いたスペースはそのためのものだったんですなぁ。ただ、演奏上はストリングスがクラリネットやフルートの後ろに配置されるという変わったステージ構成になっていました。でも、流れてくる演奏は堂々としたもので曲のタイトルに負けていませんでした。
 
 
 第2部は20周年を迎えた中学の効果が四人の学生のコーラスとともに演奏されて幕が開き、つづいてTBSのドラマ「GOOD LUCK」のテーマ曲「DEPARTURE」が演奏されました。木村拓哉が主演したドラマでした。覚えています?こんな曲でした。

 

 

 今年はこの木村拓哉が岐阜信長まつりに登場して話題になりましたが、続いて演奏された「アニメ・メドレー」も11月にオープンした「ジブリ・パーク」に関連して取り上げられました。ステージ上のスクリーンには演奏されたジブリのアニメの名シーンも映し出され、演奏とリンクしていて楽しめました。ただし、今回演奏された、「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」、「紅の豚」、「となりのトトロ」の4曲のバージョンは初めて耳にするものでした。

 

 次に演奏されたのはスカパラの名曲、『Paradise Has No Border』です。ここではパフォーマンスを取り入れたステージになっていました。

 

 

 そして。最後は野球部応援のためのメドレーで、ステージ後ろの2階席に野球部のメンバーとチアガール応援団が陣取り華やかな応援パフォーマンスとウィンドオーケストラが一体となった力強い演奏が繰り広げられ楽しませてくれました。

 

 曲は甲子園ではおなじみのアフリカンシンフォニーを最初と最後に配したもので、来年は是非甲子園で聞きたいものです。

 

 

  アンコール1曲目ははクリスマスとあって、ルロイ・アンダーソンの「ソリ滑り」が演奏されました。最後は、ニューイヤーならぬラストイヤーにあやかって「ラデツキー行進曲」が、学園理事長の指揮で演奏され、幕を閉じました。

 

 クリスマスウィークに聴いた2つの吹奏楽団の演奏は、コロナ禍でありながらそれぞれに工夫が凝らされた演出で、楽しめる演奏会になっていました。