ランパル/日本の旅情 | geezenstacの森

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Rampal 

Plays Japanese Folk Melodies

曲目/

A1.浜辺の歌 /成田為三= Hamabe No Uta (Song Of Beach)

A2.赤とんぼ/山田耕筰 = Aka Tombo (Red Dragonfly)

A3.お江戸日本橋 = Oedo Nihonbashi

A4.五つ木の子守歌 = Itsuki No Komoriuta (Lullaby Of Itsuki)

A5.からたちの花/山田耕筰 = Karatachi No Hana (Trifoliate Orange Blossom)

A6.椰子の実/大中寅二 = Yashi No Mi (Coconuts)

B1.荒城の月/滝廉太郎 = Kojo No Tsuki (Moon Over The Ruined Castle)

B2.浜千鳥/弘田龍太郎 = Hama Chidori (Beach Plover)

B3.箱根八里 = Hakone Hachiri

B4.平城山/平井康三郎 = Nara Yama (Mt. Nara)

B5.七つの子/本居長世 = Nanatsu No Ko (Baby Crow)

B6.夕やけこやけ/草川信 = Yuyake Koyake (Evening Glow)

 

フルート/ジャン・ピエール・ランパル

演奏/アンサンブル・リュネール

編曲/矢代秋雄

録音/1967

米CBS M35862

 

 

 手元にあるのはアメリカ盤のマスワークスで発売されたものです。てっきり、マスターワークスですからCBSのオリジナル録音と思っていたのですが、ジャケット裏面やラベルにしっかりと日本コロムビア原盤と刻印されています。ただし、マークは1978と記載されています。

 

 調べてみるとオリシセなるは日本コロムビアから1967年に「ランパル 日本の旅情」として発売されています。こんなジャケットでした。OS-10034-J

 

 

 このアルバム、今でも日本コロムビアから発売されています。ということはエリア版権でCBSに販売したということなのでしょうか。このアルバムはアメリカとカナダだけで発売されているようです。

 

レーベル面の記載

 

 面白いことに、A面とB面で左側のMで始まる番号は一緒なのですが、右側はALとBLということで面によって表記が違っています。レコード盤に刻まれているマトリックス番号もA面はAL、B面はBLになっていますからこれが原盤番号なんでしょうなぁ。面白いもので、CBSはこの時代もう一枚、日本コロムビアから販売権を買っているようで、、そちらはM34568という番号でランパルとラスキーヌのハープによる「SAKURA-JAPANESE MELODIES FOR FLUTE AND HARP」というタイトルで発売されました。

 

 

 ただ、こちらは本来はエラート原盤によるもので、日本での初出は1969年でOS-2296-REという番号で発売されています。まあ、のちにこの原盤は日本コロムビアがテラーととの提携解消時に買い取っているようで、最近発売のものは日本コロムビアとして発売されています。

 

 さらにそことはもう一枚日本物のランパルのアルバムを出しています。下がそれで、

 

 

 こちらは1982年の録音になるもので、ということはすでに日本ではCBSソニーの時代です。ですから、こちらの原盤はCBSソニーになっています。CBS37295で、すでにマスターワークスの表記は無くなっています。しかし、ジャケットにはVol.3とありこの3作が連動していることを裏付けています。

 

 さて、周辺の話題はこれぐらいにして、このレコードです。ジャケットアートはRovert Van Nuttですが、怪しい浮世絵風のえになっています。まあ、このレコードがアメリカで発売された発売された1980年頃の日本に対する認識はこんなものだったのでしょうなぁ。ただ、これが売れたので日本人としては困ってしまいます。

 

 フルートのランパルの表記はありますが、バックのアンサンブル・リュネールについては何の言及もありません。細く無い盤の初出アルバムは豪華見開きジャケットで解説も充実していましたからそこには記載があるのかもしれません。ただ、ハーピストの篠崎史子氏がこのアンサンブルに深く関わっているようで、冒頭の「浜辺の歌」からハープが絡んできています。

 

 

 五木の子守唄は弦楽の伴奏に乗ってランパルのフルートが自在に主旋律を歌います。この演奏はなかなかです。編曲が見事です。

 

 

 僅か1分半ほどの曲ですが、きいきいとしたリズムに乗ってランパルのフルートは祭囃子のように自在に跳ね回ります。ハープの響きも琴のような音色でお正月にでも聴きたい演奏です。

 

 

 ランパルのフルートは拳こそありませんが、そのぶんビブラートを効かせてまるで尺八のように響きます。中間部ではメロディをヴァイオリンに譲り、伴奏で即興的に吹いています。粋です。

 

 

 箱根八里の演奏はほとんどフルートの独走に近いですが、時々鈴のチリンチリンという音がアクセントになっています。もっと聞いていたいのに1分30秒で終わってしまうのが残念です。

 

 

 短い曲が多いのでアルバム的には12曲収録されていますが、片面15分ほどです。

 

 

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