オーマンディ
ワーグナー・オーケストラル・ワークス
曲目/
指揮/ユージン・オーマンディ
演奏/フィラデルフィア管弦楽団
録音/1959/12
P:トマス・フロスト
CBSソニー 13AC130
オーマンディのワーグナーのアルバムは以前にも取り上げています。そちらはイギリス盤で、曲目が違っていました。まあ、お国柄の違いでしょう。以前にも書いていますが、イギリス盤はアメリカ盤と同じ内容でしたからそちらの方がオリジナルで、国内版の方がアレンジしたアルバムになっているのでしょう。ちなみに、マトリックス番号はレコード番号と同じ13AC130となっています。
これも前に書いていますが、RCAにもほぼ同じような内容のワーグナーアルバムを録音しています。よほどオーマンディのワーグナーに需要があったのでしょうかねぇ。フィラデルフィアサウンドという形が作られた頃のこの録音はゆったりとした店舗とともにオーケストラの豊堯な響きが捉えられています。この国内盤は1976年に発売されていますが、曲目構成から見て1959年の録音で間違い無いでしょう。
「ジークフリート」の「森のささやき」はオーマンディにしては珍しい録音ですが、こちらはフィラデルフイアの弦の美しさが際立っている演奏になっています。ヴァイオリンの独走パーツがありますが、このシーズンからコンサートマスターはアンシェル・ブルシロウに変わっていますからおそらく彼の演奏でしょう。高らかに響く、トラン゜っとの響きもこのシーズンからギルバート・ジョンソンになっていますから、まさしくフィラデルフィアサウンドが完成した演奏でしょう。
ワルキューレの騎行は百花繚乱の演奏があふれています。その中でも、オーマンディの演奏はオーケストラピースに徹していて、どっしりと構えた演奏で最後のまとめ方も堂にいっています。
ここからはレコードのB面です。「タンホイザー」序曲は初期の作品ですが、ワーグナーのオーケストレーションは手慣れたものです。金管と木管の重ね方がうまいですなぁ。そこに曲に相応しいようにどっしりとした弦楽セクションの響きが乗ってきます。これがセル/クリーヴランドだとややひんやりとした印象があるのですが、フィラデルフィアはウォームトーンでなおかつ重量感があります。
さて、レコードの最後は「トリスタンとイゾルデ」の音楽です。ここでは前奏曲と「愛の死」が収録されています。これも非常に濃厚な表現になっています。弦が濃密に蠢き、そこに木管がから見てのように纏わっていきます。セル/クリーヴランドはクールで知的なイメージ、バーンスタイン/ニューヨークは俺について来い的なやや強引なタイプで、その中間を行ったのがオーマンディ/フィラデルフィアのような演奏で、こういう演奏を聴いていると1960年代にはがアメリカでは広く受け入れられていたんだろうなぁということを感じます。
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