[第10回めいおん音楽祭]Meion British Brass&Fanfare Orkest | geezenstacの森

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[第10回めいおん音楽祭]

Meion British Brass&Fanfare Orkest

 

曲目

第1部

 

第2部

 

 今年も「めいおん音楽祭」が開催されています。ただ、伝統は力なりというのは昔の話で、新しいサークルがどんどん出てくる中で、今年はフェスティバル・オーケストラの演奏会は無くなってしまいました。寂しい限りです。なんな中、もう一つの楽しみはこの英国式ブラスバンドです。要するに金管バンドで、普通の吹奏楽がクラリネットファミリーが弦楽セクションを担うのですが、ここでは全て金管で演奏しています。

 

 

 さらに今年は会場を系列大学の名古屋造形大学のホールに移しての演奏会となったことで、この種の学祭の演奏会としては満員のお客さんを集めたという点で、地下鉄名城公園出口から1分という至近距離は魅力でした。天井高はあるのですが、音楽用のホールではないのがちょっと難点です。

 

 

 第1部はファンファーレ・オルケストの編成です。これはさっマスを開発したアドルフ・サックスの考案した演奏形態で、サクソフォーン・ファミリーを中心にフリューゲルホルンがオーケストラの弦楽セクションを受け持ちさらにトランペット、ホルントロンボーンなどの金管が加わります。ヨーロッパでは比較的吹奏楽や金管アンサンブルとともに愛好されている演奏形態です。

 

 冒頭はステイン・ロエルスの「THE ESSENCE of YOUTH」が演奏されました。こんな曲です。指揮者左側のセクションがフリューゲルホルンです。

 

 

 2曲目の作品はよく知られたヤン・ヴァン・デル・ローストの「By the River」という作品です。これもオリジナルはこの編成の作品となっています。ヴァン・デル・ローストの故郷の川をテーマにした作品で、最初の部分は牧歌的で、実際には工業地域であるものの田舎の特徴を表しています。続くパートは最初のパートとは対照的なダイナミックなアレグロです。すべての楽器がうまく活用され、誰もが脚光を浴びる作品となっています。

 

 

 第1部の最後の曲はフィリップ・スパークの「Five States of Change」です。日本ではなかなかこういう携帯の作品はありません。下はスパーク本人が指揮した演奏です。

 

 

 さて。第2部は本来のブリティッシュ・ブラスのスタイルによる演奏です。こちらはコルネットが主体の編成です。

 

 

 最初はピーター・グラハムの「サモン・ザ・ドラゴン」です。景気のいいファンファーレの作品で、ブリティッシュ・ブラスの華やかさがかっこいい作品です。下の映像では今回の指揮者の露木薫氏の若かりし姿が確認できます。

 

 

 

2曲目は映画音楽「戦場にかける橋」でアカデミーを受賞したマルコム・アーノルドのオリジナル作品「Fantasy for Brass Band」が演奏されました。曲はI. Prelude II. Dance III. Elegy IV. Scherzo V. Postludeの5つのパートで構成されています。

 

 

 「アメージング・グレース」は有名な曲なだけにちょっと馴染みのない編曲で腰砕けでした。それに比べて「Sugar Blues」はコルネットソロをフューチャーしたディキシースタイルの曲でしたから楽しめました。ミュートが粋です。

 

 

 最後はヴォーン・ウィリアムズのブラスバンドのための序曲「ヘンリー五世」です。

 

 

 

 精強なコンサートでした。この「めいおんブリティッシュ・ブラス」、来年の3月15日に第4回の定期演奏会が開催されます。