マンシーニ・イン・サラウンド | geezenstacの森

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マンシーニ・イン・サラウンド

SFホラー映画自曲選集

MOSTLY MONSTERS, MURDERS & MYSTERIES

 

曲目/

01  サラウンド・ファンタスティーク  0:58

02「白い夜明け」~北極の捕鯨  4:03

03「ママ、ジョン・クロフォード」のテーマ  2:38

04「フレンジー」メイン・タイトル  2:18

05「大アマゾンの半魚人」~ザ・モンスター・ゲッツ・マーク              

       6:50

06「エイリアンの襲撃」~エイリアンの襲撃/デザート・ラン  

      デヴー  4:49

07「タランチェラの襲撃」~恐怖の襲来   3:18

08「フィアー 超能力殺人ゲーム」~キャシーのテーマ  2:43

09「グッドバイ・デイビッド」~少年たち   3:36

10「ゼンダ城の虜」組曲~メイン・タイトル/戴冠式のワルツ

     /コロッケ  4:51、3:14、2:57

11「ナイトウィング」メイン・タイトル  3:21

12「迷探偵シャーロック・ホームズ 最後の冒険」~迷探偵

  /迷探偵シャーロック・ホームズ 最後の冒険 

  (エンド・タイトル) 2:32、2:50

13「キャデラック・カウボーイ」

  キャデラック・カウボーイのテーマ   2:04

  チェリルのテーマ   4:10 

  カウボーイたち   3:58

 

指揮、ピアノ/ヘンリー・マンシーニ

演奏/マンシーニ・ポップ・オーケストラ

 ヴァイオリン/シドニー・サックス

 バスーン/ネイル・レヴァースレイ

 イングリッシュ・ホルン/グラハム・サルター

 フルート/エドワード・ベケット

 ハープシコード、オルガン/レスリー・ピアソン

 オーボエ/リチヤード・モーガン

 オカリナ/アドリアン・ブレット

 オンド・マルトノ/シンシア・ミラー

 

録音/1990/04/17-19 CTSスタジオ、ウェンブリン

P:ジョン・マックルーア

E:ディック・ルージィ

 

BMG RD60471

 

 

 マンシーニといえば「ティファニーで朝食を」などのイージー・リスニングと化した超有名な曲が沢山ありますが、これは彼の映画音楽・自選集。有名曲はほとんど含まれていません。しかし、あらゆるタイプの音楽があり、彼の力量を知ると共に非常に興味深いアルバムとなっています。彼の人生のほとんど最後期のオリジナルアルバムで、このマンシーニ・ポップ・オーケストラと組んでの録音は、「Cinema Italiano - Music Of Ennio Morricone & Nino Rota 60706」や「As times go by 60974」というアルバムを残しています。

 

 いずれもプロデュースをライバルのCBSでブルーノ・ワルターの一連の録音で活躍した活躍したジョン・マックルーアが担当しているというところが目を引きます。まあ、このころはコロムビアを離れてフリーで活躍していたのですから何も不思議ではないのですが、ここでも素晴らしいサウンドを引き出しています。

 

 オーケストラのメンバーを見てもわかるのですが、実態はシドニー・サックスの率いるナショナル・フィルハーモニー管弦楽団です。演奏が悪いはずはありません。そして、1990年代始めはやけにドルビー・サラウンドがクローズ・アップされた時代でもあります。そんなことで、マンシーニはそのサラウンドのための曲を冒頭で演奏しています。多分当時映画館でドルビー仕様の映画を見たことがあるならこの音楽が流れたはずです。

 

 

 2曲目の「白い夜明け」は1974年の作品ですが、日本未公開のものです。なかなかシンフォニックな佳曲です。

 

 

 次の作品も知られていません。映画の邦題は「愛と憎しみの伝説」です。往年の大女優ジョーン・クロフォードの後半生を描いた伝記ドラマで、フェイ・ダナウェイの熱演が光りました。ちなみに本作は第2回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞、最低脚本賞、最低主演女優賞、最低助演男優賞、最低助演女優賞を受賞しています。

 

 

 と、まあマンシーニのアルバムですが、マニアしか知らないような作品がつめこまれていて、サブタイトル通りのSFホラー映画のオンパレードです。「大アマゾンの半魚人」なんかB級ホラー映画ですからねぇ。よくぞかんな映画の音楽をマンシーニが書いたと思いますわ。

 

 

 シャーロック・ホームズ物の音楽も書いているマンシーニですが、役者がマイケル・ケインということでこちらは「迷探偵シャーロック・ホームズ 最後の冒険」という日本語タイトルがつけられています。まあ、その音楽からもちよっとシリアスな作品というイメージは持てません。そのエンドめタイトルです。

 

 

 基本的にマンシーニは映画音楽のムムム作曲家という位置付けですから、色々な作品に手を染めているわけですな。そういう意味では名曲ものではないこういう自作自演盤は彼の最も残したかった仕事ではないでしょうか。ょっとマニアックなアルバムですから再発売はあり得ないでしょう。中古品を探すしか手はないようです。